公園・庭園・緑化のプロ資格・造園施工管理技士|グリーンインフラ時代の需要拡大・受験料17,200円の全体像を解説

造園施工管理技士(1級・2級)

受験資格

一次:1級は19歳以上・2級は17歳以上
令和6年度改正で一次は年齢のみに緩和。二次は実務経験が必要

難易度

★★★★★
1級一次35〜45%・二次40%前後。造園特有の植物・庭園知識が出題

勉強時間の目安

2級一次:100〜150時間 / 1級一次:150〜200時間
樹木・日本庭園・土木の3分野を横断する知識が必要

合格率

1級一次:35〜45% / 1級二次:約40%
2024年度1級一次:45.4%・過去5年平均:39.6%

試験・受験料

1級:年1回(一次9月・二次12月)・各17,200円(非課税)
2級:前期(6月)・後期(11月)の年2回。各8,600円

造園・緑化業界の需要

★★★★
都市公園・道路緑化・神社仏閣庭園の必置資格。グリーンインフラ需要で注目

公園・庭園・緑地・スポーツ施設などの植栽・造成・管理を担う施工管理の専門家として認定される国家資格が造園施工管理技士です。建設業法に基づく国家資格として、造園工事・植栽工事・公園工事・景観工事における「主任技術者」(2級以上)および「監理技術者」(1級のみ)に選任できる資格者として、造園・緑化業界で欠かせない資格です。

樹木の特性・日本庭園の様式・土木工学・法規と幅広い知識が求められる独自の試験内容が特徴で、「造園に特化した施工管理の専門家」として都市公園・道路緑化・社寺の庭園整備・スポーツ施設の芝管理など多彩な現場で活躍できます。グリーンインフラ・脱炭素緑化・ヒートアイランド対策への社会的関心の高まりとともに、造園施工管理技士の将来性も高まっています。

目次

造園施工管理技士とはどんな資格か

造園施工管理技士は、建設業法第27条に基づき国土交通大臣指定機関(一般財団法人全国建設研修センター)が実施する技術検定の合格者に与えられる国家資格です。造園工事とは「整地・樹木の植栽・景石の据付け等により庭園・公園・緑地等の苑地を築造する工事」と定義され、一般住宅の庭から大規模な都市公園・高速道路緑化・世界遺産の庭園修復まで幅広い対象を含みます。

試験は第一次検定(択一式)と第二次検定(記述式)の2段階で、第一次検定に合格すると「技士補」の称号が付与され、第二次検定合格で「技士」として認定されます。

1級と2級の違い

項目 2級造園施工管理技士 1級造園施工管理技士
配置できる役職 主任技術者・専任技術者(一般建設業許可の造園工事) 監理技術者・主任技術者(特定建設業許可含む全工事)
一次受験資格 受験年度末に17歳以上 受験年度末に19歳以上
試験頻度 一次:年2回(前期・後期)/ 二次:年1回(後期のみ) 一次・二次ともに年1回
受験料(非課税) 各8,600円 各17,200円(+ネット申込の場合250円)
一次合格率 50〜65%程度 35〜45%(過去5年平均39.6%)
二次合格率 40〜60%程度 約40%前後
合格の称号 一次:2級造園施工管理技士補 / 両方:2級造園施工管理技士 一次:1級造園施工管理技士補 / 両方:1級造園施工管理技士

令和6年度改正:受験資格の大幅緩和

令和6年(2024年)度から施工管理技術検定の受験資格制度が改正されました。造園施工管理技士に関する主な変更点は以下のとおりです。

項目 改正前 改正後(令和6年度〜)
1級第一次検定の受験資格 学歴に応じた実務経験年数が必要 19歳以上(年齢のみ)。学歴・実務経験不問
2級第一次検定の受験資格 17歳以上(2021年度改正済) 変更なし(17歳以上)
1級第二次検定の受験資格(新制度) 学歴に応じた実務経験 1級第一次検定合格後5年以上の実務経験(または特定実務経験1年以上含む3年以上)
経過措置期間 令和10年度まで旧受験資格でも受験可

試験の基本情報

項目 第一次検定 第二次検定
出題形式 四肢択一式(マークシート) 記述式(施工経験記述・施工管理の知識問題)
合格基準 正答率60%以上 得点率60%以上(総合評価)
試験地 全国10地区(札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇)
主催 一般財団法人全国建設研修センター(国土交通大臣指定試験機関)

2026年度(令和8年度)試験日程

1級造園施工管理技士

スケジュール 日程(令和8年度)
申込用紙販売・申込受付開始 2026年4月中旬頃〜(例年4月上旬〜5月中旬頃)
第一次検定試験日 2026年9月(例年9月上旬の日曜日・2025年は9月7日)
第一次検定合格発表 令和8年10月8日(木)
第二次検定受験手数料払込 第一次合格発表後〜10月下旬頃
第二次検定試験日 2026年12月(例年12月上旬の日曜日・2025年は12月7日)
第二次検定合格発表 令和9年3月3日(水)

2級造園施工管理技士

区分 試験日(令和8年度・予定) 内容
前期(一次検定のみ) 2026年6月頃(日曜日) 第一次検定のみ実施。二次は受験不可
後期(一次・二次) 2026年11月頃(日曜日) 第一次・二次を同日または一次のみ・二次のみを選択

1級の第一次・第二次合格発表日は全国建設研修センターの公式サイトに公式情報として掲載されています。申込用紙は1部1,000円(税込)で販売されており、申込期間を見逃すと翌年まで待つことになるため、早めの準備が不可欠です。詳細は全国建設研修センター公式サイト(jctc.jp)で確認してください。

第一次検定の出題内容

造園施工管理技士の第一次検定は、他の施工管理技士と比較して「造園特有の専門知識」の比率が高く、樹木・植物・日本庭園・石材・芝生などの独自の出題が多いのが特徴です。

分野 主な出題内容
造園一般 樹木の種類と特性(常緑樹・落葉樹・耐潮性・移植適期)・芝生の種類と管理・花壇・草花・日本庭園の様式(枯山水・池泉回遊式・露地・茶庭等)・造園材料(石材・竹材・石灯篭・景石)
施工管理 植栽工事・公園工事の施工計画・工程管理・品質管理・安全管理・環境対策
土木・建築関連 土工・コンクリート・測量・排水・構造物の基礎知識
法規 都市公園法・建設業法・労働安全衛生法・建築基準法・自然公園法・農薬取締法の基礎

特に「造園一般」分野は他の施工管理技士には出題されない造園固有の内容が多く、樹木の学名・適正管理・日本庭園の様式名・石材の種類など覚えることが多い傾向があります。実務で樹木に親しんでいる方は有利ですが、土木系の実務経験者は造園固有の知識を重点的に補強することが必要です。

第二次検定の内容

第二次検定は記述式で、施工管理の実務応用力が問われます。最重要の設問は「施工経験記述」で、自分が実際に担当した造園工事(植栽工事・公園整備・庭園工事等)の施工管理経験を具体的に記述する形式です。

設問区分 内容
施工経験記述(必須) 実際に担当した造園工事について、品質管理・工程管理・安全管理等のテーマで具体的に記述する
造園施工の知識問題 植栽・公園整備・庭園工事の施工に関する実務的な記述・空欄補充問題
施工管理の応用問題 工程表の読み取り・ネットワーク工程・品質管理・安全対策に関する記述問題
法規の応用問題 都市公園法・労働安全衛生法等に基づく記述問題

造園施工管理技士で開けるキャリア

造園専門会社・ランドスケープ会社での施工管理

都市公園の整備・住宅地の植栽工事・緑地帯の管理・道路緑化工事を手掛ける造園専門会社での施工管理担当として、資格取得は昇格・昇給の直接的な要件になります。1級を取得することで特定建設業許可が必要な大規模公園整備・ゴルフコース造成・リゾート緑地整備などの監理技術者として活躍できます。

建設会社(ゼネコン)の外構・緑化部門

大手ゼネコンや総合建設会社の外構・緑化部門では、マンション・商業施設・大型開発の植栽工事を担う造園施工管理技士の需要があります。建築施工管理技士や土木施工管理技士との組み合わせで、総合的な外構・景観工事の施工管理者として差別化できます。

神社・仏閣・日本庭園の修復・維持管理

世界遺産・重要文化財の庭園修復・維持管理を担う専門家として、造園施工管理技士の知識は直接役立ちます。日本庭園の様式・伝統的造園技法・石材の扱いについて体系的な知識を持つ造園施工管理技士は、文化財庭園の保全を担う機関・専門会社でも重宝されます。

グリーンインフラ・脱炭素緑化分野

都市のヒートアイランド対策・グリーンインフラ(緑の社会基盤)・屋上緑化・壁面緑化・雨水浸透緑地など、脱炭素・気候変動適応に向けた都市緑化施策の需要が急拡大しています。造園施工管理技士は「緑を施工管理できる専門家」として、これらの成長分野での活躍が期待されます。

スポーツ施設・ゴルフコース・競技場の芝管理

サッカー・ラグビー競技場・ゴルフコース・野球グラウンドの芝生管理・更新工事においても造園施工管理技士の知識が活用されます。芝の種類・管理技術・土壌改良の専門知識は、施設管理業者・スポーツ施設運営会社での専門職として評価されます。

難易度と学習の進め方

受験者の背景 一次検定の勉強時間(2級) 一次検定の勉強時間(1級)
造園・植栽の実務経験が豊富・樹木の知識あり 60〜100時間 100〜150時間
土木・建築系の知識はあるが造園は初学 100〜150時間 150〜200時間
造園・土木ともにほぼ未経験・初学者 150〜200時間 200〜250時間以上

合格のための学習戦略

造園特有の知識を優先的に習得する

造園施工管理技士の試験で他の施工管理技士と最も異なる点は「造園一般(植物・庭園・造園材料)」の出題です。樹木の分類(常緑高木・落葉低木等)・移植適期・日本庭園の様式名と特徴・石灯篭の種類・芝生の管理方法など、造園固有の知識を早期に集中的に習得することが合格への近道です。実務で見たことのある植物・材料を図鑑やテキストで体系化することで記憶が定着しやすくなります。

過去問5〜7年分の反復が基本

造園施工管理技士の試験は過去問から繰り返し出題される問題が多い傾向があります。地域開発研究所発行の「造園施工管理技術検定試験問題解説集録版」などの過去問集を使って5〜7年分を繰り返し解くことが最も効率的です。法規(都市公園法・自然公園法・農薬取締法)は造園特有の法規として重点的に整理しましょう。

二次検定:施工経験記述は造園工事で具体的に書く

二次検定の施工経験記述は「品質管理」「工程管理」「安全管理」の3テーマを事前に準備しておくことが基本です。造園施工管理技士の施工経験記述では「植栽工事・公園整備・庭園工事」を題材にして、樹木の品質確認方法・植栽時の安全対策・工期短縮のための工夫など、造園工事特有の内容を具体的な数値・樹種名・工法名を交えて記述することが評価を高めます。

よくある質問

Q. 造園施工管理技士と造園技能士はどう違いますか?

役割が全く異なります。造園施工管理技士は「施工管理」の資格で、造園工事の現場管理・品質管理・安全管理を担う技術者(主任技術者・監理技術者)として法的に認められる国家資格です。造園技能士は「造園作業の実技技能」を証明する国家資格(技能検定)で、剪定・植栽・石積みなどの現場作業の技能を評価します。施工管理者を目指すなら造園施工管理技士、現場作業の専門技能を証明したいなら造園技能士、両方取得することで施工管理から実作業まで網羅した総合専門家として評価されます。

Q. 2級前期に合格したら同年後期の二次試験をそのまま受験できますか?

はい、前期の第一次検定に合格した方は後期に第二次検定を受験できます。前期で一次に合格→後期で二次を受験するルートは、一次と二次の間に十分な準備期間が取れるため多くの受験者に選ばれています。ただし後期では一次・二次の同時受験の場合、一次が不合格でも二次は受験できません(同時申込が必要で、一次不合格時は二次受験不可)。

Q. 実務経験として認められる造園工事とはどんな工事ですか?

植栽工事・公園整備工事・緑地整備工事・造園工事・スポーツ施設芝生工事・屋上緑化工事など、造園業務に関わる施工管理の経験が対象です。ただし設計のみ・積算のみ・メンテナンスのみなど施工管理を伴わない業務は実務経験として認められない場合があります。自分の実務経験が認められるかどうか不明な場合は全国建設研修センターに問い合わせるか、最新の「受検の手引」で確認してください。

まとめ

造園施工管理技士は、公園・庭園・緑地・スポーツ施設など「緑のある空間」の整備・管理を施工管理の視点から担う国家資格です。令和6年度改正で第一次検定は年齢のみで受験できるようになり、若い世代にも挑戦しやすくなりました。グリーンインフラ・脱炭素緑化・都市緑化推進という社会的なニーズの高まりとともに、造園施工管理技士の価値はこれからも向上が期待されます。

2026年度(令和8年度)の1級第一次検定合格発表は10月8日・第二次検定合格発表は2027年3月3日です。試験日程・申込方法の詳細は一般財団法人全国建設研修センターの公式サイト(jctc.jp)で確認し、申込期間内に確実に手続きを完了しましょう。

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