福祉住環境コーディネーター検定試験®(3級・2級・1級)
受験資格
なし(全級)
学歴・年齢・国籍不問。1級も2級合格なしで受験可。併願も可能
難易度
★★〜★★★
3級・2級は40%前後・1級は7〜15%と大きく難化する
勉強時間の目安
3級:30〜50時間 / 2級:50〜100時間 / 1級:150〜200時間
医療・福祉・建築の3分野を横断する知識が必要
合格率(2024年度)
3級:39.6% / 2級:43.7% / 1級:7.6%
合格基準:各級とも100点満点中70点以上(1級は2科目各70点以上)
試験・受験料
2・3級:年2回(夏・冬)/ 1級:年1回(冬)
3級5,500円・2級7,700円・1級9,900円(CBT利用料2,200円別途)
介護・建築・福祉需要
★★★
超高齢社会で需要拡大。介護・リフォーム・福祉用具業界で活用
高齢者や障害のある人が安全で快適に暮らせる住環境を提案する専門家を認定する検定が福祉住環境コーディネーター検定試験®です。東京商工会議所が主催するこの検定は、医療・福祉・建築という3つの分野にまたがる幅広い知識を活かして、住宅のバリアフリー化・福祉用具の選定・住宅改修のアドバイスを行う専門能力を証明します。
超高齢社会を迎えた日本では、高齢者が住み慣れた家で暮らし続けるための住環境整備のニーズが急速に高まっています。福祉住環境コーディネーターは、ケアマネジャー・建築士・リフォーム会社・福祉用具メーカー・介護職など、さまざまな立場の人が専門性を高めるために取得する人気の検定です。
福祉住環境コーディネーターとはどんな資格か
福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障害者が自宅で安全・快適に生活できるよう、住環境の整備を提案するアドバイザーです。具体的には、トイレや階段への手すりの設置・段差の解消・浴室の改修などの住宅のバリアフリー化を進めるだけでなく、車いす・介護ベッドなどの福祉用具の選定、利用者や家族が抱える生活上の課題の分析、医療・福祉・建築の専門職との連携などを担います。
医療・福祉・建築という異なる分野の知識を横断的に身につけることで、利用者一人ひとりの状態や住まいの状況に合った最適な住環境を提案できる点が、この資格の大きな特徴です。介護保険制度における住宅改修とも深く関わるため、実務に直結した知識が得られます。
3つの級の概要
| 項目 | 3級 | 2級 | 1級 |
|---|---|---|---|
| レベルの目安 | 福祉住環境の基礎知識を身につけるレベル | 実務に活かせる専門知識・提案力を持つレベル | 地域・社会レベルでの企画・提案ができる最高レベル |
| 受験資格 | なし | なし(3級飛ばしで受験可) | なし(2級合格不要で受験可) |
| 試験形式 | 多肢選択式 | 多肢選択式 | 多肢選択式(前半)+記述式(後半) |
| 試験時間 | 90分 | 90分 | 前半90分+後半90分(計3時間) |
| 合格基準 | 100点満点中70点以上 | 100点満点中70点以上 | 多肢選択式・記述式ともに各100点満点中70点以上 |
| 合格率(2024年度) | 39.6% | 43.7% | 7.6% |
| 受験料(税込) | 5,500円 | 7,700円 | 9,900円 |
| 試験方式 | IBT/CBT | IBT/CBT | CBTのみ |
| 実施回数 | 年2回(夏・冬) | 年2回(夏・冬) | 年1回(冬) |
かつては1級の受験には2級合格が必要でしたが、現在は2級試験の合否に関わらず1級を受験できます。すべての級で受験資格の制限がなくなり、誰でもどの級からでも挑戦できるようになりました。ただし1級は2・3級の試験範囲も含めて出題されるため、いきなり1級を受験するには十分な準備が必要です。
試験の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | なし(学歴・年齢・性別・国籍による制限なし。各級の併願も可能) |
| 試験方式 | IBT方式(自分のPCで受験)またはCBT方式(テストセンターで受験)※1級はCBTのみ |
| 合否発表 | 2・3級:試験終了後すぐに画面に合否・得点が表示 / 1級:後日メールで案内 |
| CBT利用料 | CBT方式の場合は受験料に加えてテストセンター利用料2,200円(税込)が必要 |
| 併願の注意 | 同一試験回でのIBTとCBTの重複受験は不可。同じ級は1回のみ申込可能 |
| 申込方法 | 東京商工会議所 検定センターのウェブサイトからインターネット申込 |
| 主催 | 東京商工会議所 |
2026年度 試験日程
| 回次 | 対象級 | 申込期間 | 試験期間/試験日 |
|---|---|---|---|
| 第56回(夏期) | 2級・3級 | 2026年6月5日(金)〜6月16日(火) | 2026年7月9日(木)〜7月30日(木) |
| 第57回(冬期) | 2級・3級 | 2026年10月頃(予定) | 2026年11月頃(予定) |
| 第57回(冬期) | 1級 | 2026年11月頃(予定) | 2026年12月頃(予定・指定日のCBT) |
2・3級は試験期間(約3週間)の中で希望の受験日時を選べますが、1級は指定日のみの実施です。1級は年1回(冬期)しか実施されないため、1級を目指す方は計画的な準備が必要です。申込期間は10日ほどと短いため、申込忘れに注意してください。最新の試験日程は東京商工会議所検定サイト(kentei.tokyo-cci.or.jp/fukushi)で確認してください。
各級の出題内容
3級:福祉住環境の基礎
| 分野 | 主な内容 |
|---|---|
| 高齢者・障害者を取り巻く状況 | 高齢化の現状・福祉住環境整備の重要性・各種制度の概要 |
| 健康と自立 | 高齢者の心身の特性・障害の種類と特性・自立支援の考え方 |
| バリアフリーとUD | バリアフリー・ユニバーサルデザインの基本的な考え方 |
| 住まいの整備 | 住宅の段差解消・手すりの設置・生活行為別の住環境整備の基礎 |
2級:実務に活かせる専門知識
| 分野 | 主な内容 |
|---|---|
| 疾患別の福祉住環境整備 | 高齢者に多い疾患(脳血管障害・認知症・関節リウマチ等)別の住環境整備 |
| 生活行為別の福祉用具活用 | 移動・排泄・入浴・食事など生活行為別の福祉用具の選定と活用 |
| 住宅改修の実践 | 具体的な住宅改修プランの立案・改修の手順・費用 |
| 各専門職との連携 | 医療・福祉・建築の専門職との連携・相談援助の進め方 |
| 関連制度 | 介護保険制度・住宅改修費の支給・福祉用具のレンタルと購入 |
1級:地域・社会レベルの企画提案
| 分野 | 主な内容 |
|---|---|
| 2・3級の全範囲 | 2級・3級の試験範囲を前提とした応用・総合問題 |
| 地域づくり・まちづくり | 個別の住宅を超えた地域・まちレベルでの福祉住環境整備 |
| 法令・制度の深い理解 | 建築基準法・バリアフリー法・介護保険等の法令制度(出題傾向が高い) |
| 実務能力(記述式) | 課題に対する提案力・実践力・応用力・総合的判断力を問う記述問題 |
1級は2024年4月から施行された各種制度改正等を踏まえた追補資料も出題範囲となるため、公式テキストと合わせて最新情報を把握しておく必要があります。法令制度に関する設問の出題傾向が高い点が1級の特徴です。
合格者に付与される称号
福祉住環境コーディネーター検定試験では、合格者に級に応じた称号が付与されます。名刺などに記載してビジネスで活用できます。
| 級 | 称号 |
|---|---|
| 3級 | 3級 福祉住環境コーディネーター |
| 2級 | 2級 福祉住環境コーディネーター |
| 1級 | 1級 福祉住環境コーディネーター |
福祉住環境コーディネーターで開けるキャリア
介護・福祉業界でのスキルアップ
介護職・ケアマネジャー・相談員など福祉の現場で働く方にとって、福祉住環境コーディネーターは利用者の在宅生活を支える知識として直接役立ちます。特にケアマネジャーは介護保険を利用した住宅改修のアドバイスを行う機会が多く、2級以上の知識があると「住宅改修が必要な理由書」の作成や利用者への的確な提案がスムーズになります。
建築・リフォーム業界での差別化
建築士・リフォーム会社・工務店の担当者が福祉住環境コーディネーターを取得することで、高齢者・障害者に配慮したバリアフリー住宅・介護リフォームの専門家として差別化できます。「医療・福祉の視点を持った住宅提案ができる」ことは、高齢化が進む住宅市場で大きな強みになります。インテリアコーディネーター・建築士との組み合わせで提案力がさらに高まります。
福祉用具・住宅設備メーカー
福祉用具メーカー・住宅設備メーカー・福祉用具専門相談員として働く方にとって、福祉住環境コーディネーターの知識は商品開発・提案・販売に直結します。利用者の状態に合った福祉用具・設備を提案する専門性の証明として活用できます。福祉用具専門相談員とのダブル取得も効果的です。
医療機関での退院支援
病院・リハビリテーション施設の医療ソーシャルワーカー・作業療法士・理学療法士が、患者の退院後の住環境整備を提案する際に福祉住環境コーディネーターの知識が役立ちます。入院中から退院後の自宅環境を見据えた支援ができることで、患者・家族の安心につながります。
行政の福祉部門
市区町村の福祉部門・地域包括支援センターなどで、住宅改修の相談対応・バリアフリーのまちづくり施策に携わる際にも福祉住環境コーディネーターの知識が活かせます。特に1級では地域・社会レベルの福祉住環境整備を学ぶため、行政施策の企画にも役立ちます。
難易度と学習の進め方
| 級 | 難易度の特徴 | 勉強時間目安 |
|---|---|---|
| 3級 | 合格率39.6%・基礎レベル・公式テキスト中心の学習で対応可 | 30〜50時間 |
| 2級 | 合格率43.7%・実務的な専門知識・範囲が広く本格的な対策が必要 | 50〜100時間 |
| 1級 | 合格率7.6%・記述式あり・2・3級の範囲+高度な応用力・最難関 | 150〜200時間 |
注意したいのは、合格率が30〜40%台ということは6〜7割の人が不合格になるという事実です。「簡単に取れる資格」ではなく、しっかりとした準備が必要です。特に2025年7月の試験は公式テキスト改訂7版になって初めての回で合格率24.3%と難化したように、テキスト改訂後は難易度が上がる傾向があるため注意しましょう。
合格のための学習戦略
公式テキストを徹底的に読み込む
福祉住環境コーディネーター検定は公式テキストからの出題が中心です。東京商工会議所発行の公式テキスト(各級)を徹底的に読み込むことが合格への基本です。医療・福祉・建築という幅広い分野をカバーするため、苦手分野を作らずバランスよく学習することが重要です。特に2級は17分野から出題されるため、各分野を満遍なく押さえましょう。
過去問・問題集で出題傾向を把握
公式テキストの内容を理解したら、過去問題集・予想問題集で実際の出題形式に慣れることが効果的です。間違えた問題はテキストに戻って根拠を確認する学習サイクルで知識を定着させましょう。IBT/CBT方式はPC画面での解答になるため、操作に慣れておくことも大切です。
介護保険・住宅改修の制度を確実に理解する
福祉住環境コーディネーターの実務では介護保険制度の住宅改修が頻出テーマです。住宅改修費の支給限度基準額(20万円)・対象となる工事の種類・申請手続きなど、制度の具体的な内容は確実に理解しておきましょう。これらは試験でも頻出であり、実務でも直接役立つ知識です。
1級は記述式対策と最新制度のチェックを
1級は記述式試験があり、課題に対する提案力・総合的判断力が問われます。知識のインプットだけでなく、実際に文章で提案を記述する練習が必要です。また法令制度の出題傾向が高く、2024年4月施行の制度改正を踏まえた追補資料も出題範囲になるため、公式テキストと追補資料の両方で最新情報を押さえましょう。
よくある質問
Q. 何級から受験するのがおすすめですか?
福祉や建築の知識がない初学者の方は3級から、すでに介護・福祉・建築の実務経験がある方や本格的にキャリアに活かしたい方は2級から受験するのがおすすめです。就職・転職でアピールするなら2級以上の取得が効果的です。受験資格の制限がないため、3級と2級を同時に併願受験することも可能で、効率よく取得を目指せます。
Q. 福祉住環境コーディネーターは独占業務がありますか?
福祉住環境コーディネーターは民間資格であり、法的な独占業務はありません。ただし2級以上を取得すると、介護保険の住宅改修費支給申請に必要な「住宅改修が必要な理由書」を作成できる専門職として認められます(ケアマネジャー・作業療法士・理学療法士・福祉住環境コーディネーター2級以上などが作成可能)。この点で2級には実務上の大きなメリットがあります。
Q. 独学でも合格できますか?
3級・2級は公式テキストと過去問を使った独学でも十分合格可能です。多くの受験者が独学またはユーキャン等の通信講座で合格しています。ただし1級は合格率7.6%と難関で記述式もあるため、独学では難易度が高く、計画的かつ十分な学習時間の確保が必要です。1級を目指す場合は2級でしっかり基礎を固めてから挑戦することをおすすめします。
まとめ
福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障害者が安全・快適に暮らせる住環境を提案する専門家の検定です。医療・福祉・建築の3分野を横断する知識を活かして、介護・リフォーム・福祉用具・医療・行政など幅広い分野で活躍できます。超高齢社会の日本で需要が高まり続けている注目の資格です。
2026年度夏期(2・3級)の試験期間は7月9日〜30日、申込は6月5日〜16日です。すべての級で受験資格の制限がなくなり、誰でもどの級からでも挑戦できます。まず公式テキストで医療・福祉・建築の基礎を学び、自分のキャリアに合った級から取り組みましょう。最新の試験日程は東京商工会議所検定サイト(kentei.tokyo-cci.or.jp/fukushi)で確認してください。
