第二種電気工事士は転職に使える?難易度・合格率・勉強時間を社会人向けに解説

第二種電気工事士

受験資格

なし
年齢・学歴・実務経験すべて不問

難易度


技能試験の実技練習が合否を分ける

勉強時間の目安

80〜100時間
筆記:約50h/技能:約30〜50h

合格率

40〜50%前後
筆記:約60%/技能:約70%

受験費用

9,300円
インターネット申込の場合

転職需要

★★★★
電気・設備・ビルメン系で特に高い

電気のない生活は、もはや考えられません。住宅・店舗・オフィス——私たちの身の回りにある建物のすべてに電気設備が張り巡らされており、その工事・修理を合法的に行うために必要な国家資格が「第二種電気工事士」です。

受験資格は一切なし。文系・未経験・社会人でも挑戦できる間口の広さと、取得後のキャリアへの直結度の高さから、毎年10万人以上が受験する人気資格のひとつです。「手に職をつけたい」「転職で武器になる資格が欲しい」という方に、特におすすめできる一枚です。

目次

第二種電気工事士でできること

第二種電気工事士は、一般用電気工作物(受電電圧600V以下の一般住宅・小規模店舗など)における電気工事全般を行える資格です。電気工事士法により、対象となる工事は有資格者以外が行うことを禁じられており、違反には罰則が規定されています。つまり、この資格を持っているだけで「法的に認められた電気のプロ」として現場に立てるということです。

具体的にできる作業としては、コンセントやスイッチの増設・交換、照明器具の取り付けや配線、エアコン設置に伴う配線工事、ブレーカーの交換・増設、屋内配線の新設・修理などが挙げられます。これらはDIYの延長線上に見えますが、無資格で行うと電気工事士法違反になります。

どんなキャリアに活かせるか

電気・設備系への就職・転職

第二種電気工事士の最大の強みは、求人の幅広さです。電気工事会社・ビルメンテナンス会社・ハウスメーカー・リフォーム会社・エアコン工事業者——どの業種も慢性的な人手不足が続いており、資格保有者は即戦力として歓迎されます。転職サイトで「第二種電気工事士」と検索すると、常時数千件規模の求人が並んでいるほどです。

特に未経験からの転職において、「資格あり」と「資格なし」では採用のされやすさが大きく変わります。面接前に取得しておくことで、やる気と行動力のアピールにもなるため、転職を考えている方には取得優先度の高い資格のひとつです。

現職での資格手当・昇給

すでに電気・設備・建設・不動産系の会社に勤めている方にとっても、評価されやすい資格です。月額3,000〜10,000円程度の資格手当を設定している企業が多く、年間にすると数万円の収入アップにつながります。昇格要件に組み込んでいる会社もあるため、在職中の方はまず就業規則を確認してみることをおすすめします。

上位資格・独立へのステップ

第二種電気工事士は、さらなるキャリアアップへの「土台」としても機能します。この資格を持っていることで、第一種電気工事士(工場・ビルなど高圧電気設備の工事が可能)の受験資格が得られるほか、消防設備士(甲種)の受験資格も取得できます。また、電気工事業として独立開業する際には主任電気工事士として登録でき、事業の柱となる資格です。一枚取るだけで終わらず、次のキャリアへの扉を開いてくれる資格といえます。

不動産・管理業での活用

賃貸物件の管理やリフォームを手がける会社でも、この資格の価値は高いです。退去後の原状回復工事や入居者からの軽微な電気トラブル対応を自社スタッフで行えるようになることで、外注費の削減とオーナーへの対応スピード向上が実現します。不動産管理会社や工務店に勤める方が取得すると、社内での存在感が増すケースも多くあります。

試験の基本情報

項目 内容
受験資格 なし(年齢・学歴・実務経験すべて不問)
受験費用 9,300円(インターネット申込)
試験時期 上期(4〜7月)・下期(9〜12月)の年2回
試験形式 筆記試験(CBT方式またはマークシート)+技能試験(実技)
合格基準 筆記:100点満点中60点以上/技能:欠陥なし
合格率 筆記:約60%/技能:約70%(最終合格率:約40〜50%)
主催 一般財団法人 電気技術者試験センター

2024年度よりCBT方式(コンピュータ試験)が本格導入され、受験できる日程・会場が大幅に増えました。筆記試験は試験会場のパソコンで受験する形式で、自分のスケジュールに合わせて受験日を選べるため、仕事をしながら受験計画を立てやすくなっています。

難易度・勉強時間の目安

技術系国家資格の中では「取りやすい部類」に入ります。数学の知識はほぼ不要で、計算問題も中学レベルの四則演算で対応できます。筆記試験は暗記とパターン理解が中心で、独学でも十分に突破可能です。最大の山場は、実際に手を動かして電線を結線する「技能試験」にあります。初めて工具を握る方は、練習なしで本番に臨むと時間不足になりやすいため、事前の実技練習が合否を大きく左右します。

フェーズ 勉強時間 学習期間
筆記試験対策 約50時間 1〜2ヶ月
技能試験対策 約30〜50時間 1ヶ月
合計 約80〜100時間 2〜3ヶ月

社会人でも、平日1時間・休日3時間ペースで進めれば2〜3ヶ月で合格ラインに届きます。上期・下期と年2回試験があるため、もし一度不合格になっても半年後にリトライできる点も安心です。

合格のための勉強法

筆記試験:過去問の徹底演習が最短ルート

筆記試験は出題パターンがほぼ固定されており、過去問5〜7年分を繰り返し解くことが最も効率的な勉強法です。テキストを一通り読んだあとは、早めに過去問演習へ切り替えて、間違えた問題を繰り返し解く方法が王道です。

特に得点を稼ぎやすいのが「配線図記号」と「写真鑑別」の2分野です。配線図記号は記号の意味を覚えるだけで得点できるうえ、写真鑑別は工具・材料の名称と用途を写真で確認しながら覚えられるため、視覚的に記憶しやすい分野です。計算問題が苦手な方は、これらの暗記系で先に得点を固めておく戦略が有効です。

技能試験:複線図と実技練習の2本柱

技能試験の対策は「頭の練習」と「手の練習」の2段階で進めます。まず単線図を複線図に書き換える練習を全13候補問題で繰り返し、次に実際に電線を剥き、器具を結線する実技練習を行います。候補問題は試験前に公表されるため、13問すべてを制限時間(40分)内に完成できるまで最低2周することが合格の目安です。

技能試験の練習には、試験本番と同じ器具・電線がセットになった「練習用材料セット」の購入が欠かせません。1〜2万円程度の出費にはなりますが、実技試験の合否を左右する投資と考えれば十分な価値があります。工具(ペンチ・ドライバー・ストリッパーなど)もあわせてそろえておきましょう。

独学 vs 通信講座:どちらで進める?

筆記試験については、市販のテキスト1冊と過去問集があれば独学で十分対応できます。一方、技能試験は「正しい結線方法」を動画で確認しながら練習できる通信講座のほうが、初心者には安心です。費用と学習スタイルに合わせて選びましょう。

独学向けテキスト

  • 筆記対策:「ぜんぶ絵で見て覚える 第2種電気工事士筆記試験すいーっと合格」(ナツメ社)——イラスト中心で初学者でも読み進めやすく、定番の一冊
  • 技能対策:「第2種電気工事士技能試験 候補問題できた」(オーム社)——候補問題13問の完成写真と手順が丁寧に解説されており、練習の進め方がわかりやすい

主な通信講座の比較

講座名 費用目安 特徴
ユーキャン 約64,000円 実績豊富。添削・質問サポートが充実
SAT 約35,000円〜 動画講義が豊富でスマホ学習に強い。コスパ良
HOZAN(工具・材料) 約20,000円〜 練習用材料キットが充実。YouTubeの解説動画も無料で活用できる

よくある質問

Q. 文系・未経験でも本当に合格できますか?

はい、十分可能です。筆記試験の計算問題は中学レベルで、暗記と過去問演習が中心です。毎年多くの文系・未経験者が合格しており、勉強期間さえしっかり確保できれば心配いりません。

Q. 第一種との違いは何ですか?

第二種は一般住宅・小規模店舗(600V以下)、第一種はビル・工場などの高圧電気設備(最大50,000V未満)まで扱えます。まずは第二種を取得し、3年以上の実務経験を積みながら第一種を目指すルートが一般的です。

Q. 合格後、いつから電気工事ができますか?

筆記・技能の両試験に合格後、都道府県に免状申請を行い、免状が交付された時点から電気工事を行えます。申請から交付まで数週間かかるため、合格後は早めに手続きを進めましょう。

まとめ

第二種電気工事士は、受験資格なし・勉強期間2〜3ヶ月・取得後の就職・転職への直結度の高さから、社会人が取るコスパの高い資格のひとつです。

電気・設備系への転職を考えている方はもちろん、現職でのスキルアップ・資格手当の獲得、将来の独立を見据えた方まで、幅広い目的に応えられる資格です。まずはテキスト1冊・過去問アプリからでも、今日から始めてみてください。

目次