建設機械施工管理技士(1級・2級)
受験資格
一次:1級は19歳以上・2級は17歳以上
年齢のみで受験可。二次は一次合格の翌年度以降・実務経験が必要
難易度
★★★
二次は筆記+実技の2段階。実技は建設機械の種別を選んで受ける
最大の特徴
第二次検定に実技試験あり
実際に建設機械を操作する実技試験がある
受検手数料(非課税)
一次:19,700円
二次:1級 2種別57,300円/2級 1種別40,800円
試験・受験料
年1回・申込は例年2〜3月
2026年度:筆記6月21日、実技8月下旬〜9月中旬(実施済み)
土木・建設業界の需要
★★★★★
土木・とび土工・舗装工事の主任技術者・監理技術者になれる。インフラ整備で需要が続く
ブルドーザー・トラクターショベル・モーターグレーダー・ローラー・クレーンなど、各種建設機械を使用する工事の施工管理を担う国家資格が建設機械施工管理技士です。建設業法に基づく国家資格として、土木工事・道路工事・ダム工事・港湾工事などで使用される建設機械の施工管理に携わる「主任技術者」(2級以上)および「監理技術者」(1級のみ)に選任できます。
建設機械施工管理技士は他の施工管理技士と大きく異なる特徴があります。それは第二次検定に実技試験(実際の建設機械操作)が含まれるという点です。1級では2種別の建設機械を選んで実技試験を受けるなど、機械操作の実力も問われるのが大きな特徴です。この記事では、試験の仕組み、2026年度(令和8年度)の日程と受検手数料、受験資格、勉強法をまとめて解説します。
建設機械施工管理技士とはどんな資格か
建設機械施工管理技士は、建設業法第27条に基づき国土交通大臣指定試験機関(一般社団法人日本建設機械施工協会)が実施する技術検定の合格者に与えられる国家資格です。ショベル・ダンプトラック・ブルドーザー・クレーン・アスファルトフィニッシャーなど大型建設機械が活躍する土木・道路・港湾・ダム・トンネル等の大規模工事現場での施工管理を担います。
試験は第一次検定(択一式)と第二次検定(筆記+実技)の2段階構成で、第一次検定合格で「技士補」、第二次検定(筆記・実技の両方)合格で「技士」として認定されます。実技試験は実際の建設機械に乗って操作技術を審査される点が、他の施工管理技士と根本的に異なります。
【最大の特徴】第二次検定に実技試験がある
建設機械は第1種〜第6種の種別に分かれています。1級の第二次検定では、6種別の中から2種別を選んで実技試験を受けます。実技試験では実際の建設機械を操作して審査を受けます。
| 種別 | 主な機械(カッコ内は実技試験で使う予定の機械) | 主な作業内容 |
|---|---|---|
| 第1種:トラクター系 | ブルドーザー・トラクターショベル(ブルドーザ 6〜12t級) | 土の掘削・運搬・整地作業 |
| 第2種:ショベル系 | 油圧ショベル・バックホウ・クラムシェル(油圧ショベル 山積み0.28〜0.45㎥級) | 掘削・積込・法面整形作業 |
| 第3種:モーターグレーダー | モーターグレーダー(3.1m級) | 路盤整形・排水溝仕上げ |
| 第4種:締固め用機械 | ロードローラー・タイヤローラー(ロード・ローラ 10〜12t級) | 路床・路盤の締固め作業 |
| 第5種:舗装用機械 | アスファルトフィニッシャー(舗装幅2.5〜4.5m級) | アスファルト舗装の敷均し |
| 第6種:基礎工事用機械 | くい打機・アースドリルなど(アースオーガ 杭打機40〜50t吊級) | 杭打ち・基礎工事 |
2級は第一次検定・第二次検定とも種別ごとに行われ、第一次検定は1回に2種別まで(奇数種別と偶数種別から1つずつ)受けられます。どの種別に合格しても建設業法上の資格は同じなので、主任技術者を目指すなら1種別だけでも構いません。実際に担当する工事で使う機械の種別を選ぶのが実務上合理的です。
1級と2級の違い
| 項目 | 2級建設機械施工管理技士 | 1級建設機械施工管理技士 |
|---|---|---|
| 配置できる役職 | 主任技術者・営業所技術者(一般建設業) | 監理技術者・主任技術者(特定建設業を含む) |
| 対象の業種 | 土木工事業・とび・土工工事業・舗装工事業に限られる | |
| 一次受験資格 | 受験年度末に17歳以上 | 受験年度末に19歳以上 |
| 実技試験の種別 | 種別ごとに受検(1種別から。複数も可) | 2種別を選んで受検(2級二次の合格種別は実技免除あり) |
| 受検手数料(非課税) | 一次:1種別19,700円(2種別39,400円)/二次:1種別40,800円 | 一次:19,700円/二次:2種別57,300円(1種別44,500円、2種別免除31,700円) |
| 試験頻度 | 年1回(前期・後期の区分なし) | 年1回(前期・後期の区分なし) |
| 一次合格の称号 | 2級建設機械施工管理技士補 | 1級建設機械施工管理技士補 |
| 両方合格の称号 | 2級建設機械施工管理技士(種別名付記) | 1級建設機械施工管理技士 |
1級は2種別の実技試験に合格する必要がありますが、2級第二次検定に合格している種別は実技試験の免除を受けられます。
他の施工管理技士との比較:年1回・実技あり
| 項目 | 建設機械施工管理技士 | 他の施工管理技士(参考:土木・電気等) |
|---|---|---|
| 試験頻度 | 年1回のみ(前期・後期区分なし) | 2級は年2回(前期・後期)/ 1級は年1回 |
| 第二次検定の内容 | 筆記+実技(機械操作) | 筆記のみ(実技なし) |
| 実技試験の場所 | 全国各地の実技試験会場(機械のある屋外会場) | なし |
| 申込期間の特徴 | 年1回・2〜3月頃のみ(見逃すと翌年まで待機) | 2級は前期・後期で年2回の申込機会 |
| 一次と二次の受け方 | 同じ年度には受けられない(二次は一次合格の翌年度以降) | 同じ年度に一次・二次を受けられる区分がある |
建設機械施工管理技士は年1回しか申込機会がありません。申込期間(令和8年度は2月16日〜3月13日)を逃すと翌年度まで受験できないため、受験を決めたら早期に申込の準備をすることが最重要です。
令和6年度改正:受験資格の緩和
| 項目 | 改正前 | 改正後(令和6年度〜) |
|---|---|---|
| 1級第一次検定の受験資格 | 学歴に応じた実務経験年数が必要 | 19歳以上(年齢のみ)。学歴・実務経験不問 |
| 2級第一次検定の受験資格 | 17歳以上 | 変更なし(17歳以上) |
| 二次検定の受験資格 | 学歴に応じた実務経験年数 | 第一次検定合格後の実務経験に変更(新制度)。2級は「受検する種別の建設機械の操作施工の実務経験6年以上」でも可 |
| 経過措置 | — | 令和10年度まで旧受験資格での受験も可 |
注意:建設機械施工管理技術検定は、第一次検定と第二次検定、1級と2級を同じ年度に受けることはできません。第二次検定の申込は、第一次検定に合格した翌年度以降になります。
試験の基本情報
| 項目 | 第一次検定 | 第二次検定(筆記) | 第二次検定(実技) |
|---|---|---|---|
| 出題形式 | 択一式(マークシート) | 1級:記述式(建設機械施工法・施工管理法・建設機械組合せ施工法)/2級:2026年度の公開問題では施工管理法の択一式(マークシート) | 実際の建設機械による所定コースでの操作施工 |
| 合格基準 | — | 得点が満点の60%以上 | 種別ごとに得点が満点の60%以上 |
| 試験地 | 全国の主要都市(会場は受検票で通知) | 全国各地の実技試験会場(屋外) | |
| 主催 | 一般社団法人日本建設機械施工協会(国土交通大臣指定試験機関) | ||
令和8年度(2026年度)試験日程
| スケジュール | 日程(令和8年度) |
|---|---|
| 申込受付期間 | 2026年2月16日(月)〜3月13日(金)※終了 |
| 第一次検定試験日 | 2026年6月21日(日)※実施済み |
| 第一次検定合格発表 | 2026年8月3日(月)※発表済み |
| 第二次検定(筆記)試験日 | 2026年6月21日(日)※実施済み(第一次検定と同じ日に、前年度までの一次合格者などが受検) |
| 第二次検定(実技)試験期間 | 2026年8月下旬〜9月中旬 ※実施済み |
| 第二次検定合格発表 | 2026年11月18日(水)予定 |
出典:日本建設機械施工協会 技術検定の受検(スケジュール・受検資格・受検手数料)(確認日:2026年10月4日)、受検の手引・試験問題(第二次検定の試験方法・実技の種別・合格基準・2026年度の問題。確認日:2026年10月10日)
2026年度の試験はすべて実施済みで、残りは第二次検定の合格発表(11月18日予定)です。次に受ける方は、2027年度の申込(例年2月中旬〜3月中旬、約4週間)を逃さないよう、日本建設機械施工協会の公式試験サイト(jcmanet-shiken.jp)を確認してください。2026年度から、第一次検定の申込はインターネット申請のみになっています。
第一次検定の出題内容
| 分野 | 主な出題内容 |
|---|---|
| 土木工学等 | 土工・コンクリート・基礎工・河川・道路・ダム・トンネルの基礎知識 |
| 建設機械 | 各種建設機械(ブルドーザー・ショベル・クレーン等)の構造・機能・故障対応・維持管理 |
| 施工管理法 | 施工計画・工程管理・品質管理・安全管理・原価管理の基礎知識 |
| 法規 | 建設業法・労働安全衛生法・道路法・河川法・騒音・振動規制法等 |
建設機械施工管理技士の一次検定は、建設機械そのものの仕組み・機能・保守管理に関する出題が他の施工管理技士には見られない独自の分野です。機械の構造・油圧系統・エンジンの仕組み・故障診断など、建設機械の実務知識が幅広く問われます。
建設機械施工管理技士で開けるキャリア
土木・インフラ工事の施工管理者として
道路・河川・ダム・港湾・トンネル・造成工事など大規模な土木インフラ工事では、重機(建設機械)の適切な管理・運用が工期・品質・安全のすべてに直結します。建設機械施工管理技士は、こうした現場の主任技術者・監理技術者になれる資格として、ゼネコン・専門土木会社などで評価されます。
建設機械リース・レンタル会社
建設機械のリース・レンタル会社では、機械の技術的な管理・顧客への技術サポート・機械の整備状態の確認など、建設機械施工管理技士の知識が直接役立ちます。機械の特性・維持管理・故障診断に関する専門知識は、機械管理・技術営業・サービスエンジニアとして差別化できる強みになります。
建設会社・ゼネコンの機械管理部門
大手ゼネコン・建設会社では、自社保有の建設機械の維持管理・稼働計画・費用最適化を担う「機械管理部門」があり、建設機械施工管理技士の資格は重要な専門性の証明になります。多数の機械を効率的に管理・配置する機械管理の専門家として活躍できます。
独立を考える場合
建設機械を使う工事の会社として独立する場合も、建設機械施工管理技士は会社の技術者としての要件を満たす資格の一つになります。手続きの詳細は、許可を出す行政庁の手引きで確認してください。
難易度と学習の進め方
合格率は協会から公表されていません(合格者は受検番号の掲示で発表)。勉強時間は下の表を一般的な目安にしてください。
| 受験者の背景 | 一次検定の勉強時間目安 | 実技試験の準備 |
|---|---|---|
| 建設機械の実務経験あり・土木知識が豊富 | 60〜100時間 | 実際に操作している機械であれば実技は比較的スムーズ |
| 土木の実務経験あり・機械知識が少なめ | 100〜150時間 | 選択する種別の機械を事前に実機で練習しておくことが重要 |
| 建設機械・土木ともにほぼ初学者 | 150〜200時間以上 | 実技試験の事前練習が不可欠。講習会・職場での実地訓練を活用 |
合格のための学習戦略
一次検定:建設機械の構造・機能を重点的に学ぶ
建設機械施工管理技士の一次検定で他の施工管理技士試験と大きく異なるのは「建設機械」分野の出題です。ブルドーザー・油圧ショベル・クレーン・ローラーなどの油圧系統・エンジン・作業装置の仕組み・故障の原因と対処など、機械に関する専門知識が多く出題されます。実務でよく操作する機械については深い知識を持ちつつ、他の機械も過去問で出題パターンを把握しましょう。
過去問5〜7年分の反復が合格の基本
一次検定は過去問から類似した問題が繰り返し出題される傾向があります。協会のサイトで公開されている試験問題(試験日の翌日から1年間)や、市販の過去問集を使って数年分を繰り返し解くことが効果的です。土木工学・施工管理法・法規は他の施工管理技士の教材と内容が重複するため、複数の資格を並行して学習している場合は効率よく準備できます。
実技試験:実際の機械操作の事前練習が必須
実技試験は実際の建設機械を操作して審査を受けるため、試験前に選択した種別の機械を実地で練習しておくことが不可欠です。職場での日常業務で使用している機械種別を選択することが最も有利です。実技試験の内容は、協会が公開している第二次検定の受検の手引(「試験方法および内容」)で事前に確認しましょう。
二次検定の筆記:令和6年度からの出題形式で対策する
1級の第二次検定(筆記)は、令和6年度から出題形式が変わっています(協会の受検の手引)。2026年度の問題は、盛土材料や公衆災害防止対策の空欄補充、コンクリートの圧縮強度試験の結果を読み取る品質管理の問題、示された道路工事で使う建設機械の選定理由や施工上の留意点を書く問題などで、自分の担当工事を書く「施工経験記述」ではありませんでした。建設機械の選定・組合せ・安全対策を、示された工事の条件に合わせて書けるように練習しましょう。2級の筆記は、公開されている2026年度の問題では施工管理法の択一式でした。試験問題は試験日の翌日から1年間、協会のサイトで公開されるので、直近の問題で出題の形を確認してから対策するのがおすすめです。
よくある質問
Q. 申込期間を逃した場合、どうなりますか?
建設機械施工管理技術検定は年1回しか実施されず、前期・後期の区分がありません。申込期間(2026年度は2月16日〜3月13日)を逃すと翌年度まで受験できません。他の施工管理技士のように「後期で挽回」という選択肢がないため、受験を決めたら必ずこの期間内に申込を完了させてください。
Q. 実技試験はどこで受験できますか?
実技試験は全国各地に設置された実技試験会場(屋外の建設機械実技試験専用会場)で実施されます。試験地は受検申込のときに選び、具体的な会場と日時は受検票で通知されます。実施日は8月下旬〜9月中旬の期間中に協会が指定し、受検者は日時を変更できません。受検地の変更も原則できないので、申込時に慎重に選んでください。
Q. 土木施工管理技士とどちらを先に取るべきですか?
担当する工事の内容によります。建設機械を主体とした工事(造成・道路・ダム等の大規模土工)を主な仕事にしているなら建設機械施工管理技士が直結します。建設全般の施工管理を広く担いたい場合は土木施工管理技士が汎用性が高いです。両方取得すると、機械施工と土木全般の両方に強い技術者として評価されやすくなります。
まとめ
建設機械施工管理技士は、重機・建設機械を使う土木・インフラ工事の施工管理で役立つ国家資格です。他の施工管理技士と異なり「第二次検定に実技試験がある」「年1回しか申込機会がない」という特徴を持ち、取得には計画的な準備が不可欠です。
2026年度(令和8年度)の試験は実施済みで、第二次検定の合格発表は11月18日の予定です。次は2027年度の申込(例年2〜3月)に向けて、日本建設機械施工協会の公式試験サイトで最新情報を確認し、早めに準備を始めましょう。
