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管工事施工管理技士(1級・2級)
受験資格
一次:1級は19歳以上・2級は17歳以上
令和6年度改正で一次は年齢のみに緩和。二次は実務経験が必要
難易度
★★★〜★★★★
1級は令和8年度一次39.6%・令和7年度二次63.3%。2級一次61〜63%・二次50.0%
勉強時間の目安
2級一次:100〜150時間 / 1級一次:150〜200時間
一般的な目安。二次(記述式)は令和6年度から経験記述がなくなり、工程・安全管理が必須
合格率
1級一次:39.6%(2026年度)/ 1級二次:63.3%(2025年度)
2級一次:前期62.5%(2026年度)・後期など61.1%(2025年度)、二次:50.0%(2025年度)
試験・受験料
1級:年1回(9月一次・12月二次)・各12,700円
2級:前期(6月)・後期(11月)の年2回。各6,350円(同時12,700円)。非課税
設備工事業界の需要
★★★★★
空調・給排水・衛生設備工事の主任技術者・監理技術者になれる。設備会社・ゼネコンで求められる
冷暖房・空調・給排水・衛生設備・ガス工事など「管(くだ)」を使うあらゆる設備工事の施工管理を担う国家資格が管工事施工管理技士です。建設業法に基づく国家資格として、大規模ビル・病院・工場・マンションなどの設備工事における「主任技術者」(2級以上)および「監理技術者」(1級のみ)に選任できる資格者として、設備工事業界で最も重要な資格のひとつです。
令和6年(2024年)度からの制度改正により、第一次検定の受験資格が「1級は19歳以上・2級は17歳以上」の年齢要件のみに緩和され、学歴・実務経験なしで受験できるようになりました。この記事では、1級と2級の違い、2026年度(令和8年度)の試験日程と最新の合格率、受験資格、勉強法をまとめて解説します。
管工事施工管理技士とはどんな資格か
管工事施工管理技士は、建設業法第27条に基づき国土交通大臣指定機関(一般財団法人全国建設研修センター)が実施する技術検定の合格者に与えられる国家資格です。管工事とは「冷暖房設備工事・空気調和設備工事・給排水・給湯設備工事・ダクト工事・浄化槽工事・ガス配管工事・衛生設備工事」などを指し、建物のライフラインを担う幅広い設備工事を対象とします。
試験は第一次検定(択一式)と第二次検定(記述式)の2段階です。第一次検定に合格すると「技士補」の称号が付与され、第二次検定に合格して初めて「技士」として認定されます。
1級と2級の違い
| 項目 | 2級管工事施工管理技士 | 1級管工事施工管理技士 |
|---|---|---|
| 配置できる役職 | 主任技術者・営業所技術者(一般建設業の管工事業) | 監理技術者・主任技術者(特定建設業を含む) |
| 監理技術者が必要な工事 | 担当できない | 担当できる |
| 一次検定の受験資格 | 受験年度末に17歳以上 | 受験年度末に19歳以上(平成20年4月1日以前生まれ) |
| 試験頻度 | 一次:年2回(前期・後期)/ 二次:年1回(後期のみ) | 一次・二次ともに年1回 |
| 受験料(非課税) | 一次のみ・二次のみ各6,350円(一次・二次12,700円) | 各12,700円 |
| 一次合格率 | 前期62.5%(2026年度)/後期など61.1%(2025年度) | 39.6%(2026年度)/38.7%(2025年度) |
| 二次合格率 | 50.0%(2025年度)/62.4%(2024年度) | 63.3%(2025年度)/76.2%(2024年度) |
| 一次合格の称号 | 2級管工事施工管理技士補 | 1級管工事施工管理技士補 |
| 両方合格の称号 | 2級管工事施工管理技士 | 1級管工事施工管理技士 |
2級でも主任技術者として、工事の規模に関係なく現場に置かれる技術者になれます。元請として下請に出す金額の合計が5,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上の工事では、主任技術者に代えて監理技術者を置く必要があり、これには1級が必要です(2025年2月1日施行の金額)。受験料はインターネット申込の場合、別に事務手続手数料250円がかかります。「営業所技術者」は、2024年12月の建設業法改正で「専任技術者」から名称が変わったものです。
令和6年度改正のポイント:受験資格が大幅に緩和
令和6年(2024年)度から施工管理技術検定の制度が大きく改正されました。管工事施工管理技士に関する主な変更点は以下のとおりです。
| 変更内容 | 改正前 | 改正後(令和6年度〜) |
|---|---|---|
| 1級第一次検定の受験資格 | 学歴に応じた実務経験年数が必要 | 19歳以上(年齢のみ)。学歴・実務経験不問 |
| 2級第一次検定の受験資格 | 17歳以上(平成28年度から) | 変更なし(17歳以上) |
| 1級第二次検定の受験資格 | 学歴に応じた実務経験(改正前) | 1級第一次検定合格後5年以上の実務経験(または特定実務経験1年以上を含む3年以上、監理技術者補佐として1年以上)。2級第二次検定合格者は2級合格後5年以上(特定実務経験1年以上を含む場合は3年以上) |
| 2級第二次検定の受験資格 | 学歴に応じた実務経験(改正前) | 2級第一次検定合格後3年以上の実務経験(1級第一次検定合格者は合格後1年以上) |
| 2024〜2028年度 | — | 経過措置期間として旧受験資格でも受験可 |
1級第一次検定が年齢のみで受験できるようになったことで、大学生・専門学校生・高専生でも在学中に受験が可能になりました。ただし第二次検定には依然として実務経験が必要です。新受験資格の実務経験は、建設業の業種のうち「管工事業」にあたる工事の経験が対象で、管工事の技能検定は新受験資格の要件にはなりません。
あわせて令和6年度から試験問題も見直され、第二次検定では「自分の経験に基づいて解答する設問」(いわゆる施工経験記述)がとりやめになりました。工程管理・安全管理の設問は必須となり、空調・衛生の施工に関する選択問題で、経験で得た知識を幅広く確認する形になっています。
試験の基本情報
| 項目 | 第一次検定 | 第二次検定 |
|---|---|---|
| 出題形式 | マークシート方式の択一式 | 記述式(令和6年度から施工経験記述はとりやめ。工程管理・安全管理は必須、空調・衛生の施工は選択) |
| 1級の出題数 | 60問解答(必須38問+選択22問。令和8年度) | 記述式 |
| 2級の出題数 | 40問解答(必須15問+選択25問) | 記述式 |
| 合格基準(一次) | 1級:60問中36問以上、かつ施工管理法(応用能力)8問中4問以上 2級:40問中24問以上 |
— |
| 合格基準(二次) | — | 得点率60%以上(記述内容の総合評価) |
| 試験地 | 1級:札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇の10地区。2級は前期10地区、後期の一次14地区・二次13地区 | |
| 主催 | 一般財団法人全国建設研修センター(国土交通大臣指定試験機関) | |
2026年度(令和8年度)試験日程
1級管工事施工管理技士
| スケジュール | 日程(令和8年度) |
|---|---|
| 申込用紙の販売開始 | 2026年4月22日(水) |
| インターネット申込受付期間 | 2026年5月7日(木)〜5月21日(木)(約2週間)※終了 |
| 第一次検定試験日 | 2026年9月6日(日)※実施済み |
| 第一次検定合格発表 | 2026年10月8日(木)(発表済み:受検27,740人・合格10,979人・合格率39.6%) |
| 第二次検定受験手数料払込 | 第一次合格発表後(期限は合格通知で確認) |
| 第二次検定試験日 | 2026年12月6日(日) |
| 第二次検定合格発表 | 2027年3月3日(水) |
2級管工事施工管理技士
| 区分 | 試験日(令和8年度) | 内容 |
|---|---|---|
| 前期(一次検定のみ) | 2026年6月7日(日)※実施済み | 第一次検定のみ実施。合格発表は7月7日(合格率62.5%) |
| 後期(一次・二次) | 2026年11月15日(日) | 第一次検定・第二次検定を同日実施。申込(7月14日〜28日)は終了。合格発表は一次2027年1月5日、二次2027年3月3日 |
出典:1級管工事施工管理技術検定、2級管工事施工管理技術検定、合格発表公表資料(全国建設研修センター、確認日:2026年10月10日)
1級の申込受付期間は約2週間と短いため、見逃すと翌年まで待つことになります。2026年度の申込は終わっているので、次に受ける方は2027年度の日程(例年4〜5月に申込)を全国建設研修センターのサイトで確認してください。
第一次検定の出題内容
| 分野 | 主な出題内容 | 2級 | 1級 |
|---|---|---|---|
| 機械工学等 | 熱力学・流体力学・電気工学・建築構造・建築材料・建築設備の基礎 | ○ | ○(より詳細) |
| 空調・衛生 | 空気調和設備・給排水設備・衛生設備・ガス設備の仕組みと施工 | ○ | ○ |
| 施工管理法 | 施工計画・工程管理・品質管理・安全管理・原価管理の基礎〜応用 | 基礎 | 応用(応用能力問題に足切りあり) |
| 法規 | 建設業法・労働安全衛生法・建築基準法・消防法・ガス事業法等 | ○ | ○ |
1級第一次検定では「施工管理法(応用能力)」8問中4問以上(50%以上)という別の基準があります(2026年度)。総得点が60%以上でも、応用能力問題が基準に届かないと不合格になるため、この分野は重点的に対策する必要があります。
管工事施工管理技士で開けるキャリア
主任技術者・監理技術者として現場を統括
建設業法では一定規模以上の管工事現場には主任技術者(2級以上)または監理技術者(1級のみ)の配置が義務付けられています。1級を取ると、監理技術者が必要な大規模な設備工事(ビル・病院・工場など)も担当できるようになり、任される仕事の幅が広がります。
設備会社・ゼネコン設備部門での昇格・昇給
空調設備・給排水衛生設備・電気設備を手掛ける設備専門会社や、ゼネコン(総合建設会社)の設備部門では、管工事施工管理技士を昇格の要件や資格手当の対象にしている会社もあります(金額や条件は会社によって異なります)。
省エネ設備・脱炭素分野での需要拡大
省エネ空調設備やヒートポンプなど、省エネ・脱炭素に関わる設備工事でも施工管理の仕事があります。こうした分野を目指す人にとっても役立つ資格です。
転職市場での即戦力として高評価
設備工事の施工管理の求人では、管工事施工管理技士(特に1級)を応募条件や歓迎条件にしているものが多くあります。2級でも主任技術者として現場を任せられるため、設備専門会社・ゼネコンの設備部門への転職で評価されます。
難易度と学習の進め方
下の表は一般的な目安です。
| 受験者の背景 | 一次検定の勉強時間目安(2級) | 一次検定の勉強時間目安(1級) |
|---|---|---|
| 管工事の実務経験あり・設備の知識が豊富 | 60〜100時間 | 100〜150時間 |
| 建築・機械系の基礎知識あり・設備実務経験少なめ | 100〜150時間 | 150〜200時間 |
| 設備・機械の知識がほぼゼロから | 150〜200時間 | 200〜250時間以上 |
合格のための学習戦略
一次検定:過去問の反復と計算問題の強化
管工事施工管理技士の一次検定は、過去問と似た論点が繰り返し問われることがあります。全国建設研修センターは試験問題と正答番号を試験の翌日から1年間公開しているので、直近の問題は公式サイトで確認し、それより前の年度は市販の過去問題集で繰り返し解きましょう。令和6年度からは工学基礎の知識を確認する問題も重視されています。特に熱力学・流体力学の計算問題(熱負荷計算・空気調和計算・管内流速の計算等)は習熟に時間がかかるため、早い段階から重点的に取り組みましょう。
1級「応用能力問題」の足切りに注意
1級第一次検定では「施工管理法(応用能力)」で8問中4問以上(50%以上)という別の合格基準があります。総得点が60%を超えていても、この分野が基準に届かなければ不合格です。施工計画・工程管理・品質管理・安全管理の実務的な応用問題に特化した対策を行い、この足切りラインを確実に突破することが重要です。
二次検定:工程管理・安全管理の必須問題に備える
令和6年度から、二次検定の「施工経験記述」(自分の経験に基づいて解答する設問)はとりやめになりました。今は工程管理・安全管理の設問が必須で、空調・衛生の施工に関する選択問題では、経験で得た知識を幅広く問われます。工程表の読み取りや安全対策、空調・給排水設備の施工上の留意点を、自分の言葉で正確に書けるように練習しましょう。令和5年度以前の「経験記述の書き方」を中心にした教材は今の出題に合わない部分があるので、令和6年度以降の試験問題で出題の形を確認してから対策するのがおすすめです。
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よくある質問
Q. 2級を取らずに1級から受験できますか?
はい、可能です。令和6年度改正で1級第一次検定は19歳以上であれば学歴・実務経験を問わず受験できます。ただし1級第二次検定には実務経験が必要です。1級第一次検定を先に合格しておき、実務経験を積みながら第二次検定を受験するルートも有効です。なお1級第一次検定合格者は、2級第二次検定を実務経験1年で受験できる(2級第二次検定の実務経験要件が大幅に短縮される)という制度も活用できます。
Q. 2級前期と後期の違いを教えてください。
前期(6月)は第一次検定のみの実施で二次は受験できません。後期(11月)は第一次検定のみ・第一次と第二次の同日受験・第二次のみの3パターンから選べます。ただし新受験資格では、2級第二次検定の受験に「2級第一次検定合格後3年以上の実務経験」(1級第一次検定合格者は1年以上)が必要なため、前期に一次に合格した年度にそのまま二次を受けることはできません。令和10年度までは旧受験資格(学歴に応じた実務経験)でも受験できるので、旧受験資格を満たす方の扱いは受検の手引で確認してください。なお、一次・二次を同じ日に受ける場合、二次の合否は一次に合格した人が対象になります。
Q. 管工事施工管理技士と建築設備士はどちらが有利ですか?
役割が異なります。管工事施工管理技士は「施工管理」の資格で、現場の施工・工程・品質・安全管理を担う技術者の資格です。建築設備士は「設計」寄りの資格で、設備設計の専門知識を証明します。設備会社での施工現場のキャリアには管工事施工管理技士、設計事務所や設備設計のキャリアには建築設備士が向いています。両方取得すれば、施工から設計まで幅広く対応できるようになります。
まとめ
管工事施工管理技士は、空調・給排水・衛生・ガス設備など管工事の施工管理を担う国家資格で、設備業界での昇格・転職に役立つ重要な資格です。令和6年度改正で一次検定は年齢のみで受験できるようになり、若い世代にもチャレンジしやすくなりました。
2026年度(令和8年度)は、1級一次(9月6日、合格率39.6%)と2級前期(6月7日)が実施済みで、残りは2級後期(11月15日)と1級二次(12月6日)です。二次検定は令和6年度から経験記述がなくなっているので、今の出題形式に合った対策をしましょう。これから受ける方は2027年度の日程を、全国建設研修センターの公式サイト(jctc.jp)で確認してください。
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