空調・給排水設備の監理技術者資格・管工事施工管理技士|受験資格緩和・2級前期6月7日・省エネ時代のキャリアを解説

管工事施工管理技士(1級・2級)

受験資格

一次:1級は19歳以上・2級は17歳以上
令和6年度改正で一次は年齢のみに緩和。二次は実務経験が必要

難易度

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1級一次35〜45%・二次50〜60%。2級一次50〜70%・二次40〜60%

勉強時間の目安

2級一次:100〜150時間 / 1級一次:150〜200時間
二次(記述式)は施工経験記述の事前準備が合否を左右する

合格率

1級一次:35〜45% / 1級二次:50〜60%
2級一次:50〜70%(令和5年度以降は60%超の年も)・二次:40〜60%

試験・受験料

1級:年1回(9月一次・12月二次)・各13,200円
2級:前期(6月)・後期(11月)の年2回。各7,900円(同時15,800円)

設備工事業界の需要

★★★★★
空調・給排水・衛生設備工事の監理技術者に必須。設備会社・ゼネコンで高需要

冷暖房・空調・給排水・衛生設備・ガス工事など「管(くだ)」を使うあらゆる設備工事の施工管理を担う国家資格が管工事施工管理技士です。建設業法に基づく国家資格として、大規模ビル・病院・工場・マンションなどの設備工事における「主任技術者」(2級以上)および「監理技術者」(1級のみ)に選任できる資格者として、設備工事業界で最も重要な資格のひとつです。

令和6年(2024年)度からの制度改正により、第一次検定の受験資格が「1級は19歳以上・2級は17歳以上」の年齢要件のみに緩和され、学歴・実務経験なしで受験できるようになりました。設備業界の深刻な技術者不足・脱炭素に向けた省エネ設備の需要拡大を背景に、有資格者の市場価値はかつてなく高まっています。

目次

管工事施工管理技士とはどんな資格か

管工事施工管理技士は、建設業法第27条に基づき国土交通大臣指定機関(一般財団法人全国建設研修センター)が実施する技術検定の合格者に与えられる国家資格です。管工事とは「冷暖房設備工事・空気調和設備工事・給排水・給湯設備工事・ダクト工事・浄化槽工事・ガス配管工事・衛生設備工事」などを指し、建物のライフラインを担う幅広い設備工事を対象とします。

試験は第一次検定(択一式)と第二次検定(記述式)の2段階です。第一次検定に合格すると「技士補」の称号が付与され、第二次検定に合格して初めて「技士」として認定されます。

1級と2級の違い

項目 2級管工事施工管理技士 1級管工事施工管理技士
配置できる役職 主任技術者(一般建設業の工事) 監理技術者・主任技術者(特定建設業含む全工事)
対象工事の規模 下請け合計4,500万円未満の工事 大規模工事・特定建設業許可が必要な工事まで対応
一次検定の受験資格 受験年度末に17歳以上 受験年度末に19歳以上(平成20年4月1日以前生まれ)
試験頻度 一次:年2回(前期・後期)/ 二次:年1回(後期のみ) 一次・二次ともに年1回
受験料(非課税) 各7,900円(同時受験15,800円) 各13,200円
一次合格率 50〜70%(令和5年度以降60%超) 35〜45%
二次合格率 40〜60% 50〜60%
一次合格の称号 2級管工事施工管理技士補 1級管工事施工管理技士補
両方合格の称号 2級管工事施工管理技士 1級管工事施工管理技士

令和6年度改正のポイント:受験資格が大幅に緩和

令和6年(2024年)度から施工管理技術検定の制度が大きく改正されました。管工事施工管理技士に関する主な変更点は以下のとおりです。

変更内容 改正前 改正後(令和6年度〜)
1級第一次検定の受験資格 学歴に応じた実務経験年数が必要 19歳以上(年齢のみ)。学歴・実務経験不問
2級第一次検定の受験資格 17歳以上(2021年度改正済) 変更なし(17歳以上)
1級第二次検定の受験資格 学歴に応じた実務経験(改正前) 1級第一次検定合格後5年以上の実務経験(または特定実務経験1年以上含む3年以上)
2024〜2028年度 経過措置期間として旧受験資格でも受験可

1級第一次検定が年齢のみで受験できるようになったことで、大学生・専門学校生・高専生でも在学中に受験が可能になりました。ただし第二次検定には依然として実務経験が必要です。

試験の基本情報

項目 第一次検定 第二次検定
出題形式 四肢択一式(マークシート) 記述式(施工経験記述・施工管理の応用問題)
1級の出題数 73問出題→60問解答(必須38問+選択22問) 全5問中4問解答
2級の出題数 52問出題→40問解答 全5問(必須2問+選択3問中1問)
合格基準(一次) 全体の正答率60%以上
※1級は「施工管理法(応用能力)」で50%以上の別基準あり
合格基準(二次) 得点率60%以上(記述内容の総合評価)
試験地 全国10地区(札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇) 同左
主催 一般財団法人全国建設研修センター(国土交通大臣指定試験機関)

2026年度(令和8年度)試験日程

1級管工事施工管理技士

スケジュール 日程(令和8年度)
申込用紙の販売開始 2026年4月22日(水)
インターネット申込受付期間 2026年5月7日(木)〜5月21日(木)(約2週間)
第一次検定試験日 2026年9月6日(日)
第一次検定合格発表 2026年10月8日(木)
第二次検定受験手数料払込期間 2026年10月8日(木)〜10月22日(木)頃
第二次検定試験日 2026年12月6日(日)
第二次検定合格発表 2027年3月(予定)

2級管工事施工管理技士

区分 試験日(令和8年度) 内容
前期(一次検定のみ) 2026年6月7日(日) 第一次検定のみ実施。二次は受験不可
後期(一次・二次) 2026年11月15日(日) 第一次検定・第二次検定を同日実施(同時申込またはどちらか選択)

1級の申込受付期間は約2週間と短いため、申込期間を見逃すと翌年まで待つことになります。4月22日の申込用紙販売開始後すみやかに準備を開始し、5月7日〜21日の受付期間内に確実に申込を完了させてください。

第一次検定の出題内容

分野 主な出題内容 2級 1級
機械工学等 熱力学・流体力学・電気工学・建築構造・建築材料・建築設備の基礎 ○(より詳細)
空調・衛生 空気調和設備・給排水設備・衛生設備・ガス設備の仕組みと施工
施工管理法 施工計画・工程管理・品質管理・安全管理・原価管理の基礎〜応用 基礎 応用(応用能力問題に足切りあり)
法規 建設業法・労働安全衛生法・建築基準法・消防法・ガス事業法等

1級第一次検定では「施工管理法(応用能力)」において50%以上の得点が別途必要な足切り基準が設けられています。総得点が60%以上でも応用能力問題が50%未満だと不合格になるため、この分野は重点的に対策する必要があります。

管工事施工管理技士で開けるキャリア

主任技術者・監理技術者として現場を統括

建設業法では一定規模以上の管工事現場には主任技術者(2級以上)または監理技術者(1級のみ)の配置が義務付けられています。1級取得により特定建設業許可が必要な大規模設備工事(数億〜数十億円規模のビル・病院・工場等)の監理技術者として選任でき、現場責任者としての地位・年収が大きくステップアップします。

設備会社・ゼネコン設備部門での昇格・昇給

空調設備・給排水衛生設備・電気設備を手掛ける設備専門会社や、ゼネコン(総合建設会社)の設備部門では、管工事施工管理技士の取得が昇格・昇給の要件として設定されている企業が多くあります。資格手当(月額5,000〜30,000円程度)が支給されるケースも多く、取得後すぐに給与への反映が期待できます。

省エネ設備・脱炭素分野での需要拡大

2050年カーボンニュートラルに向けた省エネ空調設備・熱ポンプ・地中熱利用システム・再生可能エネルギー活用設備の導入拡大を背景に、管工事の専門家への需要が急増しています。ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)対応の設備設計・施工を担える管工事施工管理技士は、今後の建設業界で最も注目される専門家のひとつです。

転職市場での即戦力として高評価

設備業界の技術者不足を背景に、1級管工事施工管理技士の転職市場での需要は非常に高く、年収500〜800万円台での求人も珍しくありません。2級でも「主任技術者として現場を任せられる即戦力」として設備専門会社・ゼネコン設備部門でのキャリアアップ転職が可能です。

難易度と学習の進め方

受験者の背景 一次検定の勉強時間目安(2級) 一次検定の勉強時間目安(1級)
管工事の実務経験あり・設備の知識が豊富 60〜100時間 100〜150時間
建築・機械系の基礎知識あり・設備実務経験少なめ 100〜150時間 150〜200時間
設備・機械の知識がほぼゼロから 150〜200時間 200〜250時間以上

合格のための学習戦略

一次検定:過去問5〜7年分の反復と計算問題の強化

管工事施工管理技士の一次検定は過去問から類似した問題が多く出題されます。地域開発研究所発行の「管工事施工管理技術検定試験問題解説集録版」などの過去問集を使って5〜7年分を繰り返し解くことが合格への最短ルートです。特に熱力学・流体力学の計算問題(熱負荷計算・空気調和計算・管内流速の計算等)は習熟に時間がかかるため、早い段階から重点的に取り組みましょう。

1級「応用能力問題」の足切りに注意

1級第一次検定では「施工管理法(応用能力)」が50%以上必要という別途の合格基準があります。総得点が60%を超えていても、この分野が50%未満なら不合格です。施工計画・工程管理・品質管理・安全管理の実務的な応用問題に特化した対策を行い、この足切りラインを確実に突破することが重要です。

二次検定:施工経験記述を3テーマで事前準備

二次検定の最重要設問「施工経験記述」は、実際に担当した空調・給排水・衛生設備工事を題材に「品質管理」「工程管理」「安全管理」の3テーマの記述を事前に完成させておくことが必須です。出題テーマは毎年変わるため3テーマ全て準備し、「工事概要→現場で生じた問題・課題→取った対応策→得られた結果」という流れで具体的な数値を交えて記述できるよう練習しましょう。

よくある質問

Q. 2級を取らずに1級から受験できますか?

はい、可能です。令和6年度改正で1級第一次検定は19歳以上であれば学歴・実務経験を問わず受験できます。ただし1級第二次検定には実務経験が必要です。1級第一次検定を先に合格しておき、実務経験を積みながら第二次検定を受験するルートも有効です。なお1級第一次検定合格者は、2級第二次検定を実務経験1年で受験できる(2級第二次検定の実務経験要件が大幅に短縮される)という制度も活用できます。

Q. 2級前期と後期の違いを教えてください。

前期(6月)は第一次検定のみの実施で二次は受験できません。後期(11月)は第一次検定のみ・第一次と第二次の同日受験・第二次のみ(一次既合格者)の3パターンから選べます。前期に一次だけ合格して後期に二次を受けるルートが、学習時間を多く確保できるため確実です。ただし一次・二次の同日受験で一次が不合格の場合、二次の受験はできません(申込時点では不合格が確定していないため同時申込が必要)。

Q. 管工事施工管理技士と建築設備士はどちらが有利ですか?

役割が異なります。管工事施工管理技士は「施工管理」の資格で、現場の施工・工程・品質・安全管理を担う技術者の資格です。建築設備士は「設計」寄りの資格で、設備設計の専門知識を証明します。設備会社での施工現場のキャリアには管工事施工管理技士、設計事務所や設備設計のキャリアには建築設備士が向いています。両方取得することで施工から設計まで幅広く対応できる設備専門家として高い評価を受けます。

まとめ

管工事施工管理技士は、空調・給排水・衛生・ガス設備など管工事の施工管理を担う国家資格として、設備業界での昇格・転職・独立に直結する最重要資格のひとつです。令和6年度改正で一次検定は年齢のみで受験できるようになり、若い世代にもチャレンジしやすくなりました。

2026年度(令和8年度)の1級一次試験は9月6日(日)実施で申込は5月7〜21日、2級前期は6月7日・後期は11月15日です。申込期間が短いため早めに準備を開始し、一般財団法人全国建設研修センターの公式サイト(jctc.jp)で最新の受検の手引を確認してください。

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