社会人がTOEICを受けるべき理由と目標スコアの決め方|転職・海外赴任・昇格への活かし方

TOEIC® Listening & Reading Test(L&R)

受験資格

なし
年齢・学歴・実務経験すべて不問

難易度

★★★★★
目標スコアによって変動。平均600点前後

勉強時間の目安

スコアによって異なる
600点:100〜200h / 800点:300〜500h

スコア・合格

10〜990点(5点刻み)
合格・不合格ではなくスコアで英語力を証明

試験頻度・受験料

年18回・7,810円
毎月実施(午前・午後)。リピート割引7,150円

転職需要

★★★★★
就職・転職・昇格・海外赴任で広く活用

社会人が英語力を証明する手段として、日本で最も広く使われているのが「TOEIC® Listening & Reading Test(TOEIC L&R)」です。就職・転職・昇格・海外赴任のあらゆる場面で英語力の指標として活用され、約半数以上の企業が海外出張・赴任者の選抜基準にTOEICスコアを活用しているというデータもあります。

合格・不合格ではなく10〜990点のスコアで英語力を測るため、「今の自分のレベルを知りたい」方から「転職で800点以上を目指したい」方まで、目標に応じて段階的に活用できる試験です。年間18回の実施と毎月受験できる環境の良さも大きな魅力です。

目次

TOEICとはどんな試験か

TOEIC(Test of English for International Communication)は、アメリカの非営利テスト開発機関ETS(Educational Testing Service)が開発し、日本では国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が実施する英語コミュニケーション能力測定テストです。

一般的に「TOEIC」と呼ばれるのは「TOEIC® Listening & Reading Test(L&R)」で、リスニング(聞く力)とリーディング(読む力)の2技能をスコアで測ります。TOEIC全受験者の9割以上がこのL&Rを受験しており、履歴書に記載する英語スコアとしても最も一般的です。

TOEICプログラムの種類

TOEICには複数の種類があります。目的に応じて使い分けることが重要です。

テスト名 測定する技能 スコア 主な用途
TOEIC L&R(Listening & Reading) 聞く・読む 10〜990点 就職・転職・昇格・留学の英語力証明として最も一般的
TOEIC S&W(Speaking & Writing) 話す・書く 各0〜200点 アウトプット力を証明。外資系・グローバル企業での評価に有効
TOEIC Bridge® L&R 聞く・読む(初中級向け) 各60〜180点 英語学習初期の力試し・中学・高校生向け

就職・転職・昇格で一般的に求められるのはTOEIC L&Rのスコアです。「話す力・書く力」のアピールが必要な場合はTOEIC S&Wのスコアも提示すると差別化になります。

試験の基本情報

項目 内容
受験資格 なし(年齢・学歴・実務経験不問)
受験料 7,810円(税込)※リピート受験割引:7,150円(税込)
試験頻度 年18回(毎月1〜2日・午前と午後の2回実施)
試験時間 約2時間(リスニング約45分・リーディング75分)
問題数 200問(リスニング100問・リーディング100問)
スコア範囲 10〜990点(5点刻み)。リスニング5〜495点、リーディング5〜495点
結果確認 試験日から17日後にネット公開・デジタル認定証は19日後
紙の認定証 試験日から30日以内に発送(申込時に選択制。2025年4月〜)
スコアの有効期限 なし(ただし提出先によって2年以内など期限を設定する場合あり)
主催 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)

TOEICスコア自体に有効期限はありませんが、企業・大学院・海外留学の出願では「2年以内のスコア」を要件にするケースが多くあります。転職・留学を視野に入れている場合は取得から2年以内のスコアを使うことを念頭に置いておきましょう。

試験の構成:7つのパート

TOEIC L&Rは7つのパートで構成されます。すべてマークシート方式で、記述問題はありません。

パート 形式 問題数 内容
Part 1 リスニング・写真描写 6問 写真に合う英文を選ぶ
Part 2 リスニング・応答問題 25問 質問・発言に最も適した応答を選ぶ
Part 3 リスニング・会話問題 39問 2〜3人の会話を聞いて設問に答える
Part 4 リスニング・説明文問題 30問 アナウンス・スピーチを聞いて答える
Part 5 リーディング・短文穴埋め 30問 文中の空欄に適切な語句を入れる
Part 6 リーディング・長文穴埋め 16問 長文の空欄に適切な語句・文を入れる
Part 7 リーディング・読解問題 54問 メール・記事・チャットなど読んで設問に答える

リスニングはCDや放送を聞きながら解答し、一度しか流れません。リーディングは自分のペースで解けますが、75分で54問以上と非常にタイトな時間設定のため、時間配分の練習がスコアアップの鍵になります。

スコア別の英語力と転職・昇格への活用目安

TOEICスコアは就職・転職・昇格で広く活用されています。スコア帯ごとの英語力と業務活用の目安を把握しておくことが目標設定の第一歩です。

スコア帯 英語力の目安 就職・転職・キャリアへの活用
〜495点 基礎的な英語力。英文の大意はつかめる程度 履歴書記載の目安以下。まず500点を目指す
500〜595点 基本的な英語の読み書きが可能 新卒就活でのアピール開始ライン
600〜695点 日常的なビジネス英語がおおむね理解できる 履歴書に記載してアピール材料になるライン
700〜795点 ビジネス英語でのやりとりが概ねできる 国際部門・海外営業への配属基準(700〜730点〜)を満たすレベル
800〜895点 外資系・グローバル企業で業務が遂行できる 転職に大幅優位。海外赴任要件(多くの企業で800点〜)を満たす
900点〜 ネイティブに近い英語力 全受験者の上位約4%。英語専門職・外資系幹部候補レベル

TOEIC全受験者の平均は600点前後で、700点以上の取得者は全受験者の約30%です。転職市場で確実なアドバンテージを得たいなら730点以上、英語を武器に仕事をしたいなら800点以上を目指すことをおすすめします。

スコアアップのための学習法

目標スコアを設定してから学習を始める

TOEICは「できるだけ高いスコア」ではなく、「いつまでに何点取るか」という具体的な目標設定から学習を始めることが大切です。転職・昇格の応募条件・希望部署の配属基準を事前に調べ、その目標から逆算して学習計画を立てましょう。

600点台を目指す:単語・文法の基礎固め

600点台未満の方は、TOEIC頻出単語の習得と基礎文法の理解が最優先です。市販のTOEIC単語帳(「金のフレーズ」など)を1冊完成させ、Part 5(短文穴埋め)の文法問題を繰り返し解くことで着実にスコアが上がります。まずは公式問題集1冊を使って試験形式に慣れることが出発点です。

700〜800点台を目指す:パート別の弱点対策

600点台の壁を超えるには、スピードと正確さの両立が必要です。特にリーディングのPart 7(読解問題・54問)は時間切れで全問解けない受験者が多く、スラッシュリーディング(意味のかたまりで区切って読む)の練習が有効です。リスニングはPart 3・4の先読み(音声が流れる前に設問を読む)を徹底することでスコアが伸びます。

800点超えを目指す:精度と速度の両立

800点以上は全受験者の上位12〜13%に入る水準です。難問への対応・高速処理・ニュアンスの把握が必要で、公式問題集を繰り返し解くだけでなく、英語のニュース・ポッドキャスト・ビジネスメールなど実際の英語に毎日触れる習慣が重要です。模擬試験で本番同様の時間配分に慣れることも欠かせません。

学習時間の目安

現在のスコア → 目標スコア 勉強時間の目安
〜400点 → 600点 150〜250時間
500点台 → 700点 100〜200時間
600点台 → 800点 200〜300時間
700点台 → 900点 300〜500時間

おすすめ教材・勉強ツール

独学定番教材

  • 「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」(朝日新聞出版):TOEIC頻出単語1000語を収録した定番単語帳。移動中にも使いやすい
  • 「公式TOEIC Listening & Readingテスト(本番形式)」(IIBC):本番に最も近い問題形式。最新版を2〜3冊解くことが合格への近道
  • 「スタディサプリENGLISH TOEIC対策コース」:月額3,278円〜でスマートフォンによるスキマ学習が可能。動画解説付き

よくある質問

Q. TOEICスコアに有効期限はありますか?

TOEICスコア自体に公式な有効期限はありません。ただし転職先の企業・大学院・海外留学の出願では「2年以内」「5年以内」など提出先が独自に期限を設定するケースが多いです。転職活動・留学を予定している方は、活用予定の2年前以内を目安に受験しておくことをおすすめします。

Q. リピート受験割引とは何ですか?

過去にTOEIC公開テストを受験したことがある方が対象の割引制度です。通常7,810円の受験料が7,150円(税込)になります。申込時にIIBCの会員ページでリピート受験を選択して申し込むことで自動的に適用されます。

Q. 転職でTOEICスコアが活かせる業界はどこですか?

外資系企業・商社・メーカーの海外営業・物流・旅行・ホテル・観光・ITのグローバル開発チームなど、英語を使う可能性があるほぼすべての業界でTOEICスコアはアピール材料になります。特に外資系・グローバル企業では800点以上を応募条件に設定しているケースもあります。

Q. TOEIC L&RとTOEFL・英検はどう違いますか?

TOEIC L&Rはビジネス英語・日常英語の聞く・読む力を測る試験で、合格・不合格ではなくスコアで英語力を示します。TOEFLは主に英語圏の大学・大学院進学向けで、4技能(聞く・話す・読む・書く)を総合的に評価します。英検は日本独自の資格で、日本国内での英語力証明に使われます。ビジネスでの英語力証明はTOEIC L&R、海外大学院進学ならTOEFL、国内の学校・就活の英語証明なら英検、と使い分けるのが基本です。

まとめ

TOEIC L&Rは、社会人が英語力をアピールする最もスタンダードな手段です。年間18回・毎月受験できる環境と、スコアで段階的に英語力を証明できる柔軟性が、幅広いキャリアシーンで活用される理由です。

まずは今の自分のスコアを把握し、転職・昇格・海外赴任の目標に合わせたスコアを設定して学習をスタートしましょう。600点台から始めて800点超えを目指す段階的なアプローチが、無理なくスコアを伸ばす王道ルートです。

目次