米国公認管理会計士(USCMA)とは?2025年6月から日本語受験可・FP&A特化の国際資格・USCPAとの違いを完全解説

米国公認管理会計士(USCMA / U.S.CMA)

受験資格(試験)

IMAへの登録+CMA Entrance fee支払い
大学卒業は試験時には不要(ライセンス登録時に証明書提出)。大学生でも受験可

難易度

★★★
世界平均合格率Part1・Part2ともに約50%。英語の壁なく管理会計の深い理解が必要

勉強時間の目安

300〜500時間(2科目合計)
USCPA合格者は約200時間。管理会計初学者は400〜600時間

合格基準

各科目500点中360点以上(72%以上)
スケールドスコア方式。申込から3年以内に2科目合格が必要

費用の目安

IMAメンバーシップ:275ドル/年
CMA Entrance fee:280ドル(1回)。別途受験料・日本円換算で総費用10〜20万円超

管理会計・FP&A需要

★★★★
2025年6月から日本語受験可。外資系・多国籍企業のFP&A・経営企画職で高評価

企業の経営意思決定を支える管理会計・FP&A(財務計画・分析)のプロフェッショナルとして、世界150ヶ国以上で認められている国際資格が米国公認管理会計士(USCMA:US Certified Management Accountant)です。米国管理会計士協会(IMA:Institute of Management Accountants)が認定するこの資格は、米国ではUSCPA(米国公認会計士)と並ぶ2大会計資格のひとつとして、外資系企業・多国籍企業・コンサルティングファームで高い評価を受けています。

2025年6月からは日本語での受験が可能になり(中国語に次いで英語以外で2番目の対応言語)、英語の壁が大きな障壁となっていた日本の受験者にとって取得のハードルが大幅に下がりました。経営企画・財務企画・FP&A職での国際的なキャリアを目指すビジネスパーソンにとって、今最も注目すべき国際資格のひとつです。

目次

USCMAとはどんな資格か

USCMAは「管理会計と財務管理の専門知識・スキルを持つプロフェッショナル」を認定する国際資格です。IMAは1919年にニューヨーク州で設立され、2025年時点で150ヶ国以上に14万人超の会員が活動しています。

管理会計とは、企業内部の経営意思決定を支援するための会計情報の作成・分析・活用を担う分野です。製品コスト計算・予算管理・業績評価・投資分析・原価管理など、「会社の中から経営を数字で動かす」プロフェッショナルの専門知識を証明します。外部報告(財務諸表)を中心とする公認会計士(CPA)とは異なる、企業内部の意思決定支援が主な役割です。

【重要】2025年6月から日本語受験が可能に

2025年6月より、USCMA試験が日本語でも受験できるようになりました。これまで英語と中国語のみで受験可能だった試験に日本語が追加され、日本国内での受験環境が大きく改善されています。

項目 内容
日本語受験開始日 2025年6月〜(英語・中国語との並行実施)
日本語と英語の差異 なし(受験資格・試験科目・試験方式・試験時間・受験料・試験会場・結果・科目有効期限はすべて同一)
対象の試験場 日本国内の指定テストセンター(Prometricテストセンター)
注意点 英語力の証明にはならない(英語力も証明したい方はUSCPA等との組み合わせがおすすめ)

試験の構成:2科目(Part1・Part2)

科目 正式名称 主な出題内容 配点
Part1 Financial Planning, Performance, and Analytics(財務計画・業績・アナリティクス) 財務諸表分析・予算管理・業績評価・原価管理・内部統制・テクノロジーの活用 50%
Part2 Strategic Financial Management(戦略的財務管理) 財務管理(資本コスト・資本構成・リスク管理)・投資分析・M&A・コーポレートガバナンス・倫理 50%
試験形式 内容
出題形式 選択式問題100問(各2点)+記述式問題2問(各25点)の合計150点満点(スケールドスコアで500点に換算)
試験時間 選択式:3時間 / 記述式:1時間(合計4時間)
合格基準 500点中360点以上(スケールドスコア)
試験方式 CBT方式(Prometricテストセンター)・日本国内で受験可能
受験可能期間 1月〜2月・5月〜6月・9月〜10月の各2ヶ月間(年3回の受験ウィンドウ)
合格通知 受験した月の月末から約6週間後
登録から合格期限 CMA Entrance fee支払い日から3年以内に2科目合格が必要

CMAライセンス取得までの全プロセス

ステップ 内容 費用目安(米ドル)
①IMAへの入会 IMA(米国管理会計士協会)に個人会員として入会する IMAメンバーシップ料:275ドル/年(一般)。学生・若手割引あり
②CMA Entrance fee支払い CMAプログラムへの登録料を支払う(この日から3年以内に2科目合格が必要) CMA Entrance fee:280ドル(1回)
③受験料支払い・試験申込 科目ごとの受験料を支払い、試験日時・会場を予約する 受験料:科目ごとに別途必要(IMAサイトで最新料金を確認)
④Part1・Part2の合格 3年以内に両科目を合格(順番は問わない)
⑤大学卒業要件の証明 合格後7年以内に4年制大学以上の卒業証明書をIMAに提出(学部は不問) —(証明書発行費用のみ)
⑥実務経験の証明 財務・管理会計分野における2年以上の実務経験をIMAに証明
⑦CMAライセンス取得 全要件を満たすことでCMAライセンスが認定される。名刺・履歴書等に「CMA」の称号使用可能

試験合格だけではCMAを名乗ることができません。大学卒業の証明と2年以上の実務経験が揃って初めてCMAライセンスが認定されます。ただし試験受験時点では大学卒業は不要なため、在学中から受験・合格を目指すことができます。

費用の全体像

費目 金額(目安)
IMAメンバーシップ料(一般・年額) 275ドル/年(約40,000〜45,000円)
CMA Entrance fee(1回) 280ドル(約40,000〜45,000円)
受験料(科目ごと) IMAサイトで最新金額を確認(一般・学生等で異なる)
学習教材・予備校費用 TACのUSCMA講座など:数十万円規模
継続教育(CPE・毎年) 取得後は毎年30時間のCPEが必要(一部に費用が発生するケースあり)

IMAメンバーシップ料・CMA Entrance fee・受験料はすべてドル建てのため、円安時には日本円での負担が増大します。受験前に最新のレートとIMA公式サイト(imanet.org)で最新料金を確認してください。

USCMAとUSCPAの違い

項目 USCMA(米国公認管理会計士) USCPA(米国公認会計士)
主催機関 IMA(米国管理会計士協会) AICPA(米国公認会計士協会)
試験科目数 2科目(Part1・Part2) 4科目(FAR・AUD・REG+1選択科目)
専門分野 管理会計・FP&A・経営意思決定支援 財務会計・監査・税務・財務報告
主な活躍フィールド 企業内FP&A・経営企画・財務分析・予算管理 監査法人・会計事務所・税務・外部報告
世界平均合格率 Part1・Part2各約50% 科目別30〜70%程度(新試験制度後)
日本語受験 可(2025年6月〜) 不可(英語のみ)
英語力の証明 なし(日本語受験の場合) あり(英語のみのため英語力の証明になる)
実務経験要件(ライセンス) 財務・管理会計2年以上 州によって異なる(1〜2年)

「どちらを先に取るか」という問いに対しては、経営企画・FP&A・財務分析を中心とした企業内会計のキャリアを目指すならUSCMAが直結します。一方、監査・税務・外部報告・国際財務諸表の専門家を目指すならUSCPAが向いています。両方取得することで管理会計から財務報告まで幅広く対応できる国際会計のスペシャリストとして評価が格段に高まります。

USCMAで開けるキャリア

外資系企業・多国籍企業のFP&A職

FP&A(Financial Planning & Analysis)は、企業の経営陣に対して財務予測・予算編成・業績分析・財務モデリングを行い、戦略的な意思決定を支援する職種です。USCMAはこのFP&A職に最も直結する国際資格として、外資系企業・グローバル展開する日本企業の財務企画部門で高く評価されます。

経営企画・管理会計部門でのキャリアアップ

日本企業の経営企画部門・管理会計部門において、USCMAは「管理会計の国際標準を理解している人材」の証明として評価されます。特にグローバル展開する製造業・サービス業・コンサルティングファームでの管理会計改革・予算管理システムの構築・業績評価指標の設計を担う際に、USCMAの専門性が直接役立ちます。

コンサルティングファームでの財務アドバイザリー

経営コンサルティングファーム・FASファーム(Financial Advisory Services)でのコスト削減・利益改善・投資評価・M&Aのファイナンシャルモデリングを担う役割において、USCMAの管理会計・財務管理の知識は直接活用されます。

中小企業診断士・日商簿記1級とのシナジー

日商簿記1級・中小企業診断士・FP資格を保有する方がUSCMAを組み合わせることで、「日本の会計基準に加えて国際的な管理会計・財務管理の知識を持つ専門家」として国内外での差別化が可能です。特に中小企業診断士はUSCMAのPart1(予算管理・業績評価)と内容が重複しており、相乗効果が高い組み合わせです。

合格のための学習戦略

日本では予備校・通信講座の活用が必須に近い

USCMAの過去問・教材は日本語での入手が限られており、特に日本語で体系的に学べる環境はまだ整備途上です。TACのUSCMA講座(Beckerテキスト・問題集ベース)が国内の主要な選択肢として存在します。2026年3月からはCPA会計学院でもUSCMA講座が開講予定(2025年時点情報)です。英語教材を使う場合はBecker・Wiley・HOCKなどの定評ある海外教材が有効です。

Part1の予算・原価計算が最重要分野

Part1(財務計画・業績・アナリティクス)のうち、予算管理・標準原価計算・差異分析・CVP分析・業績評価(ROI・残余利益・EVA等)は最頻出分野です。日商簿記1級・工業簿記の知識がある方はこの部分が有利ですが、US基準での原価計算の概念(吸収原価計算 vs 変動原価計算等)を英語・日本語の両方で理解することが試験への実践力を高めます。

記述式問題(エッセイ)は論理的な英文構成が鍵

各科目2問の記述式問題(エッセイ)は合計50点分を占める重要パートです。日本語受験では日本語で記述できますが、管理会計の概念を使って論理的に主張を展開する記述力が問われます。過去問のエッセイ設問を繰り返し解いて、「問題文の要求→根拠→結論」という構成で簡潔に記述できる力を養いましょう。

3年の期限を意識した計画的な受験スケジュール

CMA Entrance fee支払い日から3年以内に2科目合格が必要です。「Part1→Part2」の順序が一般的ですが、自分の得意・不得意分野によってPart2から受験するケースもあります。年に3回ある受験ウィンドウ(1〜2月・5〜6月・9〜10月)を活用し、3年の期限を余裕を持って使い切る計画を立てましょう。

よくある質問

Q. 大学を卒業していなくても受験できますか?

試験受験時点では大学卒業の証明は不要です。大学生・高校卒業の方でも試験を受験し合格することができます。ただしCMAライセンスの認定(「CMA」の称号使用)には合格後7年以内に4年制大学以上の卒業証明書をIMAに提出する必要があります。大学在学中から試験準備を始めて卒業前後に合格を目指すことは合理的です。

Q. 日本語受験になって英語力は一切不要になりましたか?

試験受験に英語は不要になりましたが、実務での英語力・英語での業務対応能力はUSCMAとは別に求められます。外資系企業や多国籍企業でCMAの称号を活かして活躍したい場合は、英語力の向上も並行して進めることが重要です。英語力の国際的な証明としてはUSCPA(英語のみ)の方が有効です。

Q. 継続教育(CPE)はどのように行いますか?

CMAライセンス取得後は毎年30時間の継続教育(CPE:Continuing Professional Education)が必要で、そのうち2時間はビジネス倫理に関する内容でなければなりません。IMAが提供するウェビナー・オンラインコース・IMA Japanの研究会等を通じて要件を満たすことができます。日本語でのCPE対応については最新情報をIMA Japanで確認してください。

まとめ

米国公認管理会計士(USCMA)は、管理会計・FP&A・経営意思決定支援の国際的なプロフェッショナルを証明する資格として、外資系企業・グローバル企業・コンサルティングファームで高い評価を受けています。2025年6月からの日本語受験開始により、英語力に不安のある方でも取り組みやすくなりました。

2科目(Part1・Part2)を3年以内に合格し、大学卒業と2年以上の実務経験を証明することでCMAライセンスが認定されます。受験料・メンバーシップ料等の最新情報はIMA公式サイト(imanet.org)またはIMA Japan(imajapan.org)で確認してください。FP&Aや経営企画でグローバルなキャリアを目指す方にとって、今最もタイムリーな国際資格です。

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