人事・副業・セカンドキャリアに使えるキャリアコンサルタント国家資格|費用・試験・活用法を解説

キャリアコンサルタント(国家資格)

受験資格

養成講習修了(150時間)
または実務経験3年以上

難易度

★★
学科80%・実技65%前後。面接ロールプレイが難所

取得費用(目安)

総額35〜55万円
養成講習30〜50万円+受験料38,800円+登録17,000円

合格率

学科:約80% / 実技:約65%
第31回(2026年):学科80.6%・実技64.6%

試験・受験料

年3回(3月・7月・11月)
学科8,900円・実技29,900円。給付金で費用最大80%軽減

転職・キャリア需要

★★★
人事・HR・就職支援・副業・セカンドキャリアに需要急増

人生100年時代・キャリアの多様化が進む現代において、「キャリアコンサルタント」は個人のキャリア形成を支援する国家資格として社会的需要が急拡大しています。企業の人事・人材開発部門、ハローワーク・就職支援機関、大学のキャリアセンター、そして副業・セカンドキャリアとしての独立など、活躍の場は多岐にわたります。

学科合格率約80%・実技合格率約65%と国家資格の中では比較的挑戦しやすく、養成講習の受講費用は教育訓練給付金で最大80%が支給されるため、実質負担を大幅に抑えて取得できます。働き方の多様化・キャリア自律の重要性が高まる今こそ注目すべき資格です。

目次

キャリアコンサルタントとはどんな資格か

キャリアコンサルタントは職業能力開発促進法に基づく国家資格で、2016年に創設されました。「労働者の職業の選択、職業生活設計、職業能力の開発・向上に関する相談・助言・指導」を行うことを業務とする専門家です。国家資格保有者だけが「キャリアコンサルタント」の名称を使用できる名称独占資格です。

単に転職支援をするだけでなく、キャリアの棚卸し・自己理解の促進・将来のキャリアビジョンの構築・職場での悩みへの対応など、人の働く人生全体を支援する幅広い役割を担います。企業における従業員のキャリア支援が法律で義務付けられるようになったことで、企業内でのキャリアコンサルタントの需要は急増しています。

受験資格:3つのルート

ルート 要件 対象者
①養成講習修了ルート(最も一般的) 厚生労働大臣認定のキャリアコンサルタント養成講習(150時間以上)を修了 キャリアコンサルタント未経験者・業界未経験の社会人
②実務経験ルート 職業の選択・職業生活設計・職業能力開発に関する相談業務で3年以上の実務経験 人事・就職支援・採用などキャリア相談に携わってきた経験者
③技能検定合格ルート キャリアコンサルティング技能検定(1級または2級)の学科または実技試験のいずれかに合格 上位資格の技能検定に一部合格済みの方

未経験からキャリアコンサルタントを目指す場合は①の養成講習ルートが一般的です。養成講習は約150時間のカリキュラム(講義+演習)で、通学・オンライン・ハイブリッド形式の各種スクールで受講できます。

試験の基本情報

項目 内容
受験料 学科試験:8,900円 / 実技試験:29,900円(合計:38,800円)
試験頻度 年3回(3月・7月・11月)
試験機関 2機関から選択:特定非営利活動法人キャリアコンサルティング協議会(CC協議会)/ 特定非営利活動法人日本キャリア開発協会(JCDA)
学科試験日 両機関共通・同一日・同一問題
実技(面接)試験日 機関により日程・内容が一部異なる
試験地 全国9〜10都市(札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄ほか)
科目合格制度 あり(学科・実技いずれかのみ合格した場合、次回以降は不合格科目のみ受験可。合格の有効期限なし)
主催 厚生労働省(登録試験機関:CC協議会・JCDA)

試験の構成:学科+実技(論述+面接)

試験 形式 時間 内容
学科試験 四肢択一・マークシート 100分 キャリア理論・カウンセリング理論・労働市場・法律・職業能力開発
実技試験①(論述) 記述式 50分 相談事例を読み、適切な支援方針や対応を記述
実技試験②(面接) ロールプレイ+口頭試問 約20分(ロープレ15分+口頭試問5分) 受験者がキャリアコンサルタント役となり実際にキャリアコンサルティングを実施。試験官からの質問に答える

実技(面接)試験はCC協議会とJCDAで評価観点が若干異なります。CC協議会では「問題把握力・具体的展開力・傾聴力」、JCDAでは「主訴・問題の把握・自己探索の促進・関係構築力」が重視されます。どちらの機関で受験するかは、養成講習の受験対策内容や自分のスタイルに合わせて選択しましょう。

費用と教育訓練給付金

キャリアコンサルタント取得には、養成講習・受験料・登録費用を合わせて総額35〜55万円程度の費用がかかります。ただし多くの養成講習は「専門実践教育訓練給付金」の対象で、大幅な費用軽減が可能です。

費用項目 金額の目安
養成講習受講料 30〜50万円(スクールにより異なる)
受験料(学科+実技) 38,800円
名簿登録費用(登録免許税+登録手数料) 17,000円(登録免許税9,000円+登録手数料8,000円)
更新費用(5年ごと) 更新手数料8,000円+更新講習10〜13万円程度

専門実践教育訓練給付金で実質負担を大幅軽減

多くのキャリアコンサルタント養成講習は「専門実践教育訓練」として指定されており、ハローワークへの事前申請を行うことで以下の給付が受けられます。

条件 支給率・上限
講習修了時(基本) 受講費用の50%(年間上限40万円)
修了後1年以内に雇用保険被保険者として就職 受講費用の20%追加(年間上限16万円)
修了・資格取得後に賃金が5%以上上昇 受講費用の10%追加(年間上限8万円)
最大支給率 受講費用の80%

給付を受けるには雇用保険の被保険者期間などの要件があります。申請はハローワークで受験開始1ヶ月前までに行う必要があるため、受講前に必ず確認しましょう。

キャリアコンサルタントで開けるキャリア

企業の人事・人材開発部門

企業における従業員のキャリア支援の義務化(労働施策総合推進法の改正)を背景に、社内でのキャリアコンサルタント需要は急増しています。1on1面談・社内キャリア相談・研修の設計・人事評価制度の改善など、人事・HR職としての専門性を高めるために資格を活用するケースが増えています。

就職支援・キャリアセンター

ハローワーク・就職支援センター・大学のキャリアセンター・民間の就職支援会社(転職エージェントなど)での相談員・アドバイザーとして活躍できます。特に大学でのキャリアアドバイザー配置はキャリアコンサルタント資格が採用要件になっているケースも多くあります。

副業・セカンドキャリアとしての活用

本業を持ちながらキャリアコンサルタントとして副業を行う方が増えています。個人向けのキャリア相談・転職支援・コーチングをオンラインで提供するフリーランスのキャリアコンサルタントとして活動することも可能です。また定年後のセカンドキャリアとして長年の職業経験を活かしながら人の役に立てる点で、50代以上からの取得も盛んです。

研修講師・キャリア教育

企業研修の講師・学校でのキャリア教育・若者のキャリア形成支援など、教育・研修分野でも活躍できます。自身のキャリア経験と専門知識を組み合わせることで、説得力のある支援が可能です。

難易度・勉強時間の目安

受験者の状況 勉強時間の目安 学習期間
養成講習修了後・講習での学習を活かす場合 40〜80時間(養成講習の学習込み) 3〜6ヶ月(講習期間含む)
実務経験ルート・独学受験 80〜150時間 3〜6ヶ月

学科試験は過去問・テキストでの知識習得で対応できますが、実技の面接試験(ロールプレイ)は特別な対策が必要です。キャリアコンサルティングの実際の面談を繰り返し練習し、傾聴・質問・要約の技術を体得することが合格の鍵になります。

合格のための学習法

学科試験:過去問と理論の理解を中心に

学科試験はキャリア理論(Super・Holland・Schein等)・カウンセリング理論・労働市場・雇用保険制度・職業能力開発促進法などから出題されます。過去問を繰り返し解いて出題傾向を把握し、各理論の提唱者・コア概念を正確に理解することが合格への近道です。最新の労働関係法・雇用統計は毎年変化するため、最新情報のチェックも必要です。

実技(論述):相談事例への対応力を高める

論述試験では相談事例を読み、相談者の主訴・問題・今後の支援方針を記述します。キャリアコンサルタントとして「何を見立て・どう展開するか」の思考プロセスを文章化する力が問われます。受験する機関(CC協議会かJCDA)の過去問を使って練習し、模範解答の構成を参考に自分の言葉で書く練習を積みましょう。

実技(面接):ロールプレイの反復練習が最重要

面接試験は多くの受験者が最も難しいと感じる関門です。試験官を前に15分間のロールプレイを行い、その後5分間の口頭試問に答えます。単に話を聞くだけでなく「相談者が自分の問題に気づき、自ら考えられるよう支援する」姿勢が問われます。養成講習のロールプレイ練習を最大限に活用し、練習会・対策講座での客観的なフィードバックを受けることが合格率を高めます。

資格の更新:5年ごとの更新講習

キャリアコンサルタントは名簿登録日から5年ごとに更新が必要です。更新には厚生労働大臣指定の更新講習(知識講習8時間以上+技能講習30時間以上)の受講と更新手数料(8,000円)が必要です。5年間に分散して受講できるため、計画的に進めることで時間的・費用的負担を軽減できます。

よくある質問

Q. キャリアコンサルタントとキャリアアドバイザーは違いますか?

キャリアコンサルタントは国家資格の名称で、この資格を持つ人だけが名乗れます。キャリアアドバイザーは法的に定義された資格ではなく、転職エージェント・就職支援機関での職種名として使われる通称です。キャリアコンサルタントの有資格者がキャリアアドバイザーとして活動しているケースも多くあります。

Q. 教育訓練給付金はいつ、どこで申請すればいいですか?

養成講習の開始日前に、住所地を管轄するハローワークへの申請が必要です。受講開始の1ヶ月前までに申請しないと給付を受けられないため、受講を決めたらまず最寄りのハローワークに問い合わせて手続きを確認しましょう。雇用保険の被保険者期間など利用要件もあります。

Q. CC協議会とJCDA、どちらで受験すべきですか?

学科試験は両機関共通ですが、実技(面接)試験のアプローチが異なります。CC協議会は「問題解決志向・具体的展開」、JCDAは「来談者中心・自己探索促進」に重点を置く傾向があります。受講する養成講習が対応している機関に合わせるのが最も効率的です。どちらで合格しても同じキャリアコンサルタント国家資格が得られます。

まとめ

キャリアコンサルタントは、人生100年時代・働き方多様化の時代に最も需要が高まっている国家資格のひとつです。学科合格率約80%・実技合格率約65%と国家資格の中では取り組みやすく、教育訓練給付金を活用すれば費用負担も大幅に軽減できます。

人事・HR・就職支援での転職活動から、副業・セカンドキャリアまで幅広い活用場面があります。まずは教育訓練給付金の利用要件を確認し、自分に合った養成講習を選ぶことから始めましょう。

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