FP2級と簿記2級、どっちを取得すべき?

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この記事を書いた人資格建築家の運営者・けいしー。行政書士・宅建士・第二種電気工事士・建設業経理士2級など10の資格を取得。試験日や合格率などは、試験団体の公式情報で確認して掲載しています。運営者情報

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「FP2級と簿記2級、どちらを先に取ればいい?」
「自分のキャリアにはどちらが向いているんだろう?」

この記事では、FP2級(ファイナンシャル・プランニング技能士2級)と日商簿記2級の難易度・合格率・勉強時間・出題範囲・キャリアへの活かし方を比較し、あなたの目標に合った選び方まで解説します。運営者は日商簿記2級(2023年3月)とFP2級(2024年5月)の両方に合格しており、その体験もあわせて紹介します。

結論から言うと、難易度は簿記2級のほうが高く、FP2級は比較的取り組みやすい資格です。ただし「どちらを取るべきか」はキャリア目標によって明確に分かれます。詳しく見ていきましょう。

目次

まず結論:2つの資格を一目比較

まず主要データを並べて確認しましょう。

項目FP2級日商簿記2級
資格の種類国家資格(技能検定)公的資格(民間検定)
主催団体日本FP協会 / きんざい日本商工会議所
受験資格FP3級合格・FP業務の実務経験2年以上・AFP認定研修修了などなし(誰でも受験可)
試験回数通年(CBT方式・休止期間あり)年3回(統一試験)+随時(ネット試験)
試験時間学科120分+実技90分(日本FP協会)90分
受験料学科5,700円+実技6,000円(日本FP協会)5,500円(税込。ネット試験は別に事務手数料550円)
合格基準学科36点以上(60点満点)・実技60点以上(100点満点)(日本FP協会)70%以上
合格率学科50.4%・実技56.7%(日本FP協会・2026年4〜8月実施)統一試験15.1〜23.6%(直近4回)/ネット試験32.9%(2025年度)
勉強時間目安150〜300時間(3級知識あり)250〜400時間(初学者)
難易度★★★☆☆★★★☆☆(難問回は★★★★)
業界汎用性金融・保険・不動産・一般企業全業種・職種
独占業務なしなし

💡 ポイント:合格率はFP2級(日本FP協会の学科50.4%)が簿記2級(統一試験15〜24%、ネット試験約33%)より高く、難易度面では簿記2級のほうが厳しい試験です。一方でFP2級には「3級合格」などの受験資格が必要な点に注意が必要です。

出典:日本FP協会「2級・3級FP技能検定 試験要綱」「試験結果データ」(確認日:2026年10月17日)、日本商工会議所・各地商工会議所「受験者データ」「簿記のネット試験」「2級 試験科目」(確認日:2026年10月11日)

それぞれの資格の基本情報

FP2級(ファイナンシャル・プランニング技能士2級)とは

FP技能士は、厚生労働大臣が認定する国家資格です。税金・保険・年金・投資・不動産・相続というお金にまつわる6分野を体系的に学べる資格として、金融・保険・不動産業界を中心に幅広い職種で評価されています。

試験は日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)の2機関が実施しており、どちらで受験しても取得できる資格は同じです。学科の範囲は同じで、実技の科目が異なります(日本FP協会は資産設計提案業務の1科目)。

試験科目(6分野)主な内容
ライフプランニングと資金計画社会保険・公的年金・住宅ローンなど
リスク管理生命保険・損害保険の仕組みと活用法
金融資産運用株式・債券・投資信託・NISA・iDeCoなど
タックスプランニング所得税・住民税・法人税・消費税の仕組み
不動産不動産の取得・運用・税金
相続・事業承継相続税・贈与税・遺産分割など

詳しい試験情報・勉強法はFP2級・3級は転職に使える?難易度・合格率・勉強法と金融業界への活かし方をご覧ください。

日商簿記2級とは

日商簿記は、日本商工会議所と各地の商工会議所が実施する会計系の検定試験です。経理・財務職の求人では、応募条件や歓迎条件に簿記2級が挙がることがよくあります。

2級では3級(商業簿記のみ)に加えて工業簿記(製造業の原価計算)が出題範囲に加わります。この工業簿記が最大の難関で、日常生活ではあまり馴染みのない原価計算の概念を扱います。受験資格はなく誰でも受験できますが、3級の知識を前提とした内容のため、実質的には3級からの学習が王道です。

科目配点主な内容
商業簿記(第1〜3問)60点連結会計・税効果会計・外貨建取引・仕訳・財務諸表作成など
工業簿記(第4〜5問)40点個別原価計算・総合原価計算・標準原価計算・CVP分析など

詳しい試験情報・勉強法は日商簿記は転職に有利?2級取得で経理未経験転職を目指す社会人のための完全ガイドをご覧ください。

難易度比較:どっちが難しい?

総合難易度:簿記2級 > FP2級

合格率・出題範囲・必要な前提知識を総合すると、日商簿記2級のほうが難易度は高いと言えます。その主な理由を以下で詳しく解説します。

①合格率の違い

FP2級の合格率は、日本FP協会の2026年4〜8月実施分で学科50.4%・実技56.7%です(2025年度は学科47〜55%)。学科・実技それぞれ6割が合格基準で、過去問演習が有効に機能します。

一方、簿記2級の統一試験の合格率は、直近4回(2025年6月〜2026年6月)で15.1〜23.6%です。ネット試験は2025年度で32.9%でした。70%以上で合格する試験のため、問題の難しさによって回ごとの合格率に差が出ます。同じ2級という名称でも、合格率だけ見れば難易度の差は明らかです。

②出題の性質の違い

FP2級は6分野にわたる暗記・理解中心の試験です。各分野の知識を広く浅く押さえ、過去問の出題パターンに慣れることが合格への近道となります。計算問題も出題されますが、公式さえ覚えれば解ける問題が多く、難解な論点は比較的少ないです。

簿記2級は計算・仕訳・財務諸表作成が中心で、特に工業簿記は「製品原価をどう計算するか」という論理的思考が必要な分野です。暗記だけでは対応できず、理解を伴った計算練習の積み重ねが不可欠です。商業簿記には連結会計など難度の高い論点もあります。

③受験資格の有無

見落とされがちなポイントとして、FP2級には受験資格があります。「FP3級合格」「FP業務の実務経験2年以上」「AFP認定研修の修了」などのいずれかが必要なため、FP2級を目指す場合はまず3級を取得するステップが発生します。一方、簿記2級は受験資格なしで誰でも直接受験可能です。

観点FP2級簿記2級
合格率学科50.4%・実技56.7%(日本FP協会・2026年4〜8月)統一試験15.1〜23.6%(直近4回)/ネット試験32.9%(2025年度)
出題の性質暗記・理解中心。6分野を広く浅く計算・論理思考中心。工業簿記が最大の壁
難関ポイント出題範囲の広さ・実技試験の記述対応工業簿記・連結会計・回ごとの合格率の差
得意な人暗記が得意・お金全般に興味がある数字・計算・論理的思考が得意
受験資格3級合格が必要(ステップあり)なし(誰でも直接受験可)

✅ 難易度まとめ:総合的な難易度は簿記2級のほうが高い。FP2級は出題範囲は広いが合格率が高く取り組みやすい。ただしFP2級は3級取得というステップが必要な点に注意。

勉強時間の目安

前提知識FP2級簿記2級
完全な初学者FP3級(50〜100h)+2級(150〜300h)
合計200〜400時間
250〜400時間
3級・基礎知識あり150〜300時間(FP3級取得後)150〜250時間(簿記3級取得後)
学習期間の目安3級から通算6〜9ヶ月3〜8ヶ月

初学者が「2級取得」をゴールとした場合、FP2級は3級というステップが発生するためトータルの学習期間はFP2級のほうが長くなる傾向があります。ただし1つひとつの試験の難易度は低く、合格体験を積みながら進められるのがFPルートのメリットです。

簿記2級は直接2級から挑戦することも制度上は可能ですが、3級の知識が前提のため、実質的には3級からのスタートが効率的です。工業簿記という習得に時間のかかる科目があるため、学習ペースの管理が重要になります。

FP2級と簿記2級、どちらを取るべきか?

この2つの資格は学習内容も活かせる業界もまったく異なります。「どちらが難しいか」より「自分のキャリア目標に合っているか」で選ぶことが最も重要です。

パターン①:経理・財務職に転職したい → 簿記2級を優先

経理・財務職への転職・就職を目指すなら、日商簿記2級を最優先で取得しましょう。経理職の求人では応募・歓迎条件に簿記2級が挙がることが多く、経理への転職ではFP2級より直接的にアピールしやすい資格です。

パターン②:金融・保険・不動産業界を目指している → FP2級を優先

銀行・証券・保険会社・不動産会社など金融系の業界への転職・就職を目指すなら、FP2級を優先しましょう。業界内で標準的に求められる知識を証明する資格として評価されます。まずFP3級を取得し、勢いで2級を目指すルートが最短です。

パターン③:お金の知識を広く身につけたい・副業・独立を考えている → FP2級

「税金・保険・投資・相続など、お金全般の知識を体系的に身につけたい」「将来的にFPとして副業・独立したい」という方にはFP2級がおすすめです。資格の勉強が自分自身の資産形成・生活設計にも役立つ点が大きな魅力です。運営者も、FP2級は「仕事というよりは私生活に生かすイメージ」で受けました。

パターン④:業界・職種を絞らず幅広くキャリアを広げたい → 簿記2級

「どの業界・職種でも通用するスキルを持ちたい」という方には簿記2級のほうが汎用性が高いです。FP2級も汎用性はありますが、会社の数字を読む力は、製造業・商社・IT・小売など業種を問わず使います。運営者も、経理職ではないプロジェクトマネージャーの仕事で簿記2級の知識が大いに役立ちました。

パターン⑤:両方取得して強みを掛け合わせたい → 目的に近いほうから。迷うならFP2級から

FP2級と簿記2級を両方取得すると、「お金の全体像(FP)+会計の実務スキル(簿記)」の両方を身につけられます。順番は、仕事や生活で先に必要になるほうから取るのが基本です。特に決まっていなければ、次の理由からFP2級 → 簿記2級の順も選びやすいです。

  • FP2級のほうが合格率が高く、先に合格体験を積みやすい
  • 消費税・法人税など税金の基本は両方に出てくるため、先に学んだ知識が後の試験でも役立つ
  • FP2級・3級も簿記のネット試験も受検日を選べるため、1つずつ順番に集中しやすい

なお運営者は、簿記2級(仕事で会計の知識が必要になって受験)→ FP3級 → FP2級の順で受けました(体験は下の「運営者の体験」で紹介しています)。

あなたの状況・目標おすすめの選択
経理・財務職への転職を目指している簿記2級(最優先)
金融・保険・不動産業界を目指しているFP2級(最優先)
お金の知識を広く身につけたい・副業・独立を考えているFP2級
業界を絞らず汎用的なスキルを持ちたい簿記2級
両方取得してキャリアの幅を広げたい先に必要なほうから(迷うならFP3級 → FP2級 → 簿記3級 → 簿記2級)
スマホのスキマ時間でFPの勉強を始めたい方へ

FP3級・2級の講座がある、月額制のオンライン資格講座です(日商簿記は3級の講座があります)。講座の内容と料金は公式サイトで確認してください。

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キャリアへの活かし方

FP2級のキャリア価値

FP2級は金融・保険・不動産業界での転職・就職に強い資格です。銀行・証券会社・保険会社・不動産会社などでは、社員にFP資格の取得をすすめたり、採用や昇格のときに評価したりする会社もあります。資格手当の有無や金額は会社によって異なります。

FPの相談業務は独占業務ではありませんが、「ファイナンシャル・プランニング技能士」と名乗れるのは技能検定の合格者だけです。相談業務を副業や独立につなげたい方は、2級に加えて日本FP協会のAFP認定を受けるなどして、専門性を示すのが一般的です。

さらに、勉強した知識が自分自身の資産形成・生活設計に直結する点も大きな魅力。NISA・iDeCo・保険の見直し・相続対策など、学んだ内容をすぐに実生活に活かせます。

→ FP2級のキャリア・転職への活かし方を詳しく読む

簿記2級のキャリア価値

日商簿記2級は業種・職種を問わない汎用性が最大の強みです。経理・財務職の求人では応募・歓迎条件によく挙がり、製造業・商社・IT・小売など、業種を問わず経理の求人で評価されます(実務経験も重視されます)。資格手当の有無や金額は会社によって異なります。

また、税理士・公認会計士・中小企業診断士などの上位資格への学習基盤にもなります。「どの業界でも通用する数字の力」を身につけたい方に向いている資格です。

→ 簿記2級のキャリア・転職への活かし方を詳しく読む

運営者の体験:簿記2級とFP2級に両方合格して感じた違い

運営者は、2023年3月に日商簿記2級、2024年5月にFP2級に合格しました。どちらも1回で合格し、独学です。受けた理由も、勉強のしかたも違いました。

項目日商簿記2級FP2級
合格した時期2023年3月(ネット試験・95点)。3級は2023年1月2024年5月(日本FP協会・当時の紙の試験)。3級は2023年9月
受けた理由プロジェクトマネージャーとして予算管理や収支計画に会計知識が必要だった保険や金融の全般的な知識を身につけたかった(私生活に生かすイメージ)
勉強期間・時間2か月・約100時間約1か月・50時間くらい(3級合格後、2級だけ)
平日・休日仕事終わりに1時間、休日は2〜3時間仕事終わりに図書館で1時間、土日は3時間
教材YouTubeの簿記の受験対策チャンネル、直前に市販の予想問題集無料のWebサイト
つまずいた分野連結会計(流れだけ丸暗記した)年金や保険などの制度(範囲がとにかく広い)
合格後仕事で大いに役立ち、経理のヘルプ業務も任された。転職活動でも職種を問わず評価された制度全般の幅広い知識が身につき、ビジネスの会話でも役立つ場面が多い

簿記2級は「実際のキャッシュフローと決算で数字の見え方は違うので、あるとなしとでは大違いでした」と、仕事に直結した資格でした。一方のFP2級は「とにかく範囲が広くて、特に年金や保険などの制度の分野はつまずきました」と振り返っています。簿記2級では連結会計、FP2級では年金や保険の制度と、つまずいた分野もはっきり違いました。

これから受ける人へのメッセージも、それぞれ残しています。簿記2級は「経理職でなくても会計知識はなんらかの形で使うことになるので、取っておいて損はない」。FP2級は「身に着けて損のない知識ばかりなので、自分のためと思って勉強するといいと思います」。

よくある質問

Q. FP2級と簿記2級、どちらが就職・転職に有利ですか?

業界によって異なります。金融・保険・不動産業界ではFP2級、経理・財務職では簿記2級の評価が高いです。業界を絞らず幅広く転職活動をしたい場合は、汎用性という点で簿記2級のほうが有利な場面が多いです。一方、FP2級は税金・保険・年金・相続など、個人のお金の相談に必要な知識を幅広く学べる点に独自の価値があります。

Q. FP2級と簿記2級の知識は互いに活きますか?

はい、一部共通する知識があります。FPの「タックスプランニング」では法人税・消費税の基本も学び、簿記2級でも法人税等や消費税の処理が出題されます。ただし重なるのは一部で、FPは個人のお金の制度、簿記は会社の会計の処理が中心です。どちらから学んでも、税金の基本を知っていると、もう一方の理解の助けになります。

Q. FP2級を受験するには必ずFP3級を取得しないといけませんか?

FP3級合格のほかに、「FP業務に関する2年以上の実務経験」「日本FP協会が認定するAFP認定研修の修了」「金融渉外技能審査3級の合格」でも受験資格を満たせます。ただし実務未経験の社会人が最も現実的に取得できる受験資格はFP3級の合格です。3級は日本FP協会の合格率が学科・実技とも8割台(2026年4〜8月実施分)と高く、1〜2ヶ月の学習で合格を目指せます。

Q. FP2級と簿記2級を同時並行で勉強できますか?

どちらも相応の学習量が必要なため、同時並行はおすすめしません。並行学習では両方が中途半端になるリスクがあります。どちらも受検日を選べる方式があるので、1つに合格してから、もう一方に集中するほうが進めやすいです。運営者の場合は、簿記2級の合格(2023年3月)からFP3級の受検(2023年9月)まで半年あいていました。

まとめ

FP2級と簿記2級の比較を改めて整理します。

  • 難易度は簿記2級のほうが高い。合格率(FP2級は日本FP協会の学科50.4%、簿記2級は統一試験15〜24%・ネット試験約33%)や、工業簿記・連結会計などの計算の複雑さで、簿記2級のほうが難しい
  • FP2級は3級取得というステップが必要。受験資格を忘れずに、まずFP3級から取得する計画を立てよう
  • キャリア目標で選ぶのが最善。経理・財務職→簿記2級、金融・保険・不動産→FP2級、お金の専門家として副業・独立→FP2級が明確な目安
  • 両方取得すると強みが広がる。順番は先に必要なほうから。迷うなら合格率の高いFP2級からでもよい(運営者は簿記2級 → FP2級の順)

どちらの資格も取得する価値は十分あります。まず自分のキャリア目標を明確にし、最初の一歩を踏み出しましょう。

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資格建築家の運営者。行政書士・宅地建物取引士・第二種電気工事士・建設業経理士2級・日商簿記2級など10の資格を取得。建設・不動産業界でプロジェクトマネジメントや企画開発に携わる。自分の受験経験と、試験実施団体の公式情報をもとに、資格選びと勉強の進め方を解説しています。

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