「建築とは関係ない学科を出たけれど、2級建築士に挑戦したい」
「社会人になってから建設業に関心を持ったけど、どうやって資格を取れる?」
そんな悩みを持つ方のために、この記事では建築系以外の学科を卒業した社会人が2級建築士を取得するためのルートを詳しくご紹介します。
2級建築士になるために必要な「受験資格」とは?

まず、2級建築士の試験を受けるには建築士法に定められた受験資格を満たす必要があります。主な受験資格には、以下の2つがあります。
① 建築系学科の卒業+実務経験(または不要)
建築学科などの「指定学科」を卒業していれば、実務経験がなくても受験できるか、短期間の実務経験で受験資格が得られます。
② 実務経験のみでの受験資格
建築系の学科を卒業していなくても、一定年数の建築実務経験を積めば、学歴に関係なく受験資格が得られます。
これが、社会人が2級建築士を目指す上で最も現実的なルートです。
社会人で建築系学科以外の場合、最短で2級建築士を目指す方法とは?
実務経験で受験資格を得る場合の年数(例)
最終学歴 | 必要な建築実務経験年数 |
---|---|
高校卒(非指定学科) | 9年以上 |
短大・専門卒(非指定) | 7年以上 |
大卒(非指定) | 2年以上 |
※実務経験年数は、雇用契約に基づき建築実務に従事した期間を証明できる必要があります。
実務経験として認められる仕事とは?
2級建築士の受験資格における「実務経験」とは、以下のような建築設計・工事監理・施工管理などを含む業務です。
認められる実務経験の例 | 含まれない業務の例 |
---|---|
木造住宅や建築物の施工管理 | 土木・舗装工事のみの従事 |
建築設計や構造計算の補助業務 | 現場作業員としての単純作業 |
建築確認申請の書類作成補助 | 資材運搬、倉庫内作業など |
※受験時には、**勤務先の証明書(実務経験証明書)**が必要となります。
実務経験を積むには?未経験から始められる建設業界の職種

建築実務を積むには、以下のような職種で働きながら経験を積むのが現実的です。
- 建設会社や工務店の現場管理アシスタント
- 建築設計事務所の補助スタッフ
- ハウスメーカーでの施工管理業務
- 設備会社・リフォーム会社などの建築系業務
ポイント:資格取得を見越した転職・就職がカギ
「建築士を目指している」ことを採用時に伝えることで、実務経験が積める職場を選びやすくなります。
実務経験以外で2級建築士を目指す方法
① 建築系の専門学校・大学に「再入学」して指定科目を履修する
国土交通省が定める「指定科目」を履修できる建築系の学校(専門学校や大学等)に再入学・編入することで、最短で実務経験なしで受験資格が得られることがあります。
メリット
- 実務経験不要、または短期間の実務経験でOK
- 資格取得までの道筋が明確
デメリット
- 学費や時間がかかる(2年制専門学校などが一般的)
- 学校に通う時間の確保が必要(夜間課程や通信制も一部あり)
📌 例:文系大卒→2年制建築専門学校(指定科目履修)→2級建築士受験資格
② 技能検定(建築大工等)の特級・1級合格+実務経験で受験資格を得る
一部の国家技能検定(建築大工・とび等)で1級または特級に合格し、実務経験を一定年数積むことで2級建築士の受験資格が得られるケースもあります。
ただしこのルートはかなり特殊で、現場系職人としての経験が豊富な方向けです。
③ 国土交通大臣が認めた「指定講習・課程」を修了する
一部の教育機関や団体が実施している「指定講習」や課程(例:建築技術者育成プログラム)を修了することで、受験資格に準じた扱いを受けられる場合があります。
ただし、これは限定的で一般的な社会人が利用できる制度はほぼありません。
建設業界でのキャリアにも役立つ2級建築士
2級建築士は、建設業許可を取得する際の「専任技術者」要件を満たす資格でもあります。
つまり、将来的に独立して工務店を開業したい方、建設業許可を取りたい方にも大きな武器になります。
建設業許可での活用例 | 内容 |
---|---|
専任技術者としての資格要件に該当 | 建築一式工事業・大工工事業などで即適用可能 |
許可取得のハードルが下がる | 実務経験ではなく資格で要件をクリアできる |
設計+施工の一貫対応が可能 | 建築士として設計、建設業者として施工の両方に携われる |
まとめ|建築系以外でも2級建築士は目指せる!社会人でも実務経験で道が開ける
- 建築系学科以外でも、実務経験を積めば受験資格が得られる
- 最短ルートは、建築関連職種に就職・転職しながら経験を積むこと
- 勉強は通信・通学などライフスタイルに合わせて選択可能
- 将来的には建設業許可や独立開業にもつながる価値ある資格
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