第二種電気工事士は転職に使える?難易度・合格率・勉強時間を社会人向けに解説

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この記事を書いた人資格建築家の運営者・けいしー。行政書士・宅建士・第二種電気工事士・建設業経理士2級など10の資格を取得。試験日や合格率などは、試験団体の公式情報で確認して掲載しています。運営者情報

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第二種電気工事士

受験資格

なし
年齢・学歴・実務経験すべて不問

難易度

★★
技能試験の実技練習が合否を分ける

勉強時間の目安

80〜100時間
一般的な目安。運営者は学科約20h+技能約30hで合格

合格率

学科56.6%・技能71.8%
2025年度(令和7年度)の上期・下期合計

受験費用

11,100円
インターネット申込み(書面は12,500円)

転職需要

★★★★★
電気・設備・ビルメン系で特に高い

電気のない生活は、もはや考えられません。住宅・店舗・オフィス——私たちの身の回りにある建物のすべてに電気設備が張り巡らされており、その工事・修理を合法的に行うために必要な国家資格が「第二種電気工事士」です。

受験資格は一切なし。文系・未経験・社会人でも挑戦できる間口の広さから、学科試験だけで毎年10万人以上が受験する人気資格のひとつです。2026年度(令和8年度)下期の学科試験は、CBT方式が9月24日〜11月8日、筆記方式が10月25日(日)に行われ、技能試験は12月12日(土)または13日(日)です(下期の申込受付は9月3日で終了)。「手に職をつけたい」「電気・設備系に転職したい」という方に、特に検討してほしい資格です。

筆者(資格建築家の運営者)は、2020年度(令和2年度)下期に学科(筆記方式)・技能とも1回で合格しました。電気工事の仕事ではなく、建設関係のプロジェクトマネジメントをしながら、学科約20時間・技能約30時間の勉強でした。記事の後半で、そのときの勉強法と、合格後に「正直、仕事ではあまり役立っていない」ことも含めて紹介します。

目次

第二種電気工事士でできること

第二種電気工事士は、一般用電気工作物(受電電圧600V以下の一般住宅・小規模店舗など)における電気工事全般を行える資格です。電気工事士法により、対象となる工事は有資格者以外が行うことを禁じられており、違反には罰則が規定されています。試験に合格して免状の交付を受けると、こうした工事を自分で行えるようになります。

具体的にできる作業としては、コンセントやスイッチの増設・交換、照明器具の取り付けや配線、エアコン設置に伴う配線工事、ブレーカーの交換・増設、屋内配線の新設・修理などが挙げられます。これらはDIYの延長線上に見えますが、無資格で行うと電気工事士法違反になります。

どんなキャリアに活かせるか

電気・設備系への就職・転職

第二種電気工事士の強みは、求人の幅広さです。電気工事会社・ビルメンテナンス会社・ハウスメーカー・リフォーム会社・エアコン工事業者など、資格を応募条件や歓迎条件に挙げる求人が多くの業種で見られます。

未経験から電気・設備系への転職を目指す場合、面接前に取得しておくと、基礎知識があることと、やる気・行動力のアピールになります。ただし、実際に電気工事の仕事をするかどうかで資格の活かし方は大きく変わります。電気工事をしない仕事では、運営者のように「知識は役立つが、資格そのものを使う場面は少ない」こともあります。

現職での資格手当・昇給

すでに電気・設備・建設・不動産系の会社に勤めている方にとっても、評価されやすい資格です。資格手当を設定している会社もあります(金額は会社によって異なります)。昇格要件に組み込んでいる会社もあるため、在職中の方はまず就業規則を確認してみることをおすすめします。

上位資格・独立へのステップ

第二種電気工事士は、さらなるキャリアアップへの「土台」としても機能します。この資格を持っていると、消防設備士(甲種)の受験資格が得られます。上位の第一種電気工事士(最大電力500kW未満の自家用電気工作物まで扱える)は誰でも受験できるので、第二種で基礎を固めてから挑戦する人が多くいます。また、電気工事業として独立開業する際にも中心となる資格です(第二種で事業所の主任電気工事士になるには、免状取得後の実務経験が必要です)。一枚取るだけで終わらず、次のキャリアへの扉を開いてくれる資格といえます。

不動産・管理業での活用

賃貸物件の管理やリフォームを手がける会社でも、この資格が役立つ場面があります。退去後の原状回復工事や入居者からの軽微な電気トラブルに、自社のスタッフで対応できる範囲が広がるためです。不動産管理会社や工務店に勤める方は、自社でどんな電気工事を扱うかを確認してから取ると、活かし方がはっきりします。

試験の基本情報

項目 内容
受験資格 なし(年齢・学歴・実務経験すべて不問)
受験手数料 インターネット申込み11,100円/書面申込み12,500円(非課税)
試験時期 上期・下期の年2回。2026年度下期は学科(CBT)9月24日〜11月8日、学科(筆記)10月25日、技能12月12日または13日
試験形式 学科試験(四肢択一。CBT方式または筆記方式)+技能試験(実技)
合格基準 学科:試験ごとに合格基準が公表される/技能:欠陥がないこと(判断基準は試験センターが公表)
合格率 2025年度:学科56.6%(139,087人中78,711人)/技能71.8%(99,610人中71,471人)。2026年度上期:学科62.2%/技能73.4%
主催 一般財団法人 電気技術者試験センター

出典:一般財団法人電気技術者試験センター「第二種電気工事士試験」「試験結果と推移」「電気工事士の資格概要」(確認日:2026年10月9日)

学科試験はCBT方式(コンピュータ試験)と筆記方式から選べます。CBT方式は試験会場のパソコンで受験する形式で、自分のスケジュールに合わせて受験日を選べるため、仕事をしながら受験計画を立てやすくなっています。

難易度・勉強時間の目安

技術系国家資格の中では「取りやすい部類」に入ります。数学の知識はほぼ不要で、計算問題も中学レベルの四則演算で対応できます。筆記試験は暗記とパターン理解が中心で、独学でも十分に突破可能です。最大の山場は、実際に手を動かして電線を結線する「技能試験」にあります。初めて工具を握る方は、練習なしで本番に臨むと時間不足になりやすいため、事前の実技練習が合否を大きく左右します。

フェーズ 勉強時間 学習期間
筆記試験対策 約50時間 1〜2ヶ月
技能試験対策 約30〜50時間 1ヶ月
合計 約80〜100時間 2〜3ヶ月

上の表は一般的な目安です。運営者は、主に休日にまとめて勉強し、学科約20時間・技能約30時間の合計約50時間で合格しました(詳しくは下の体験談)。

表の目安(約80〜100時間)から逆算すると、平日1時間・休日3時間のペースなら2〜3か月ほどになります。上期・下期と年2回試験があるため、もし一度不合格になっても半年後にもう一度受けられます。

合格のための勉強法

筆記試験:過去問の徹底演習が最短ルート

学科試験は出題パターンが比較的安定しているため、過去問を繰り返し解く方法が効率的です。テキストを一通り読んだあとは、早めに過去問演習へ切り替えて、間違えた問題を繰り返し解く方法が王道です。

特に得点を稼ぎやすいのが「配線図記号」と「写真鑑別」の2分野です。配線図記号は記号の意味を覚えるだけで得点できるうえ、写真鑑別は工具・材料の名称と用途を写真で確認しながら覚えられるため、視覚的に記憶しやすい分野です。計算問題が苦手な方は、これらの暗記系で先に得点を固めておく戦略が有効です。計算問題も出題パターンは限られているので、繰り返し解けば解けるようになります(運営者も計算問題が心配でしたが、繰り返し解いて対応しました)。

技能試験:複線図と実技練習の2本柱

技能試験の対策は「頭の練習」と「手の練習」の2段階で進めます。まず単線図を複線図に書き換える練習を全13候補問題で繰り返し、次に実際に電線を剥き、器具を結線する実技練習を行います。候補問題は試験前に公表されるため、13問すべてを制限時間(40分)内に完成できるように練習しておきましょう。運営者は13問を1周して合格しましたが、本番は時間ぴったりでした。時間に余裕を持ちたい方は、苦手な問題を中心に2周目まで練習すると安心です。

技能試験の練習には、候補問題に合わせた器具・電線がセットになった「練習用材料セット」があると便利です。購入のほかレンタルを選べるサービスもあります。工具(ペンチ・ドライバー・ストリッパーなど)もあわせてそろえておきましょう。

技能試験の練習用材料をそろえたい方へ

電気工事士の技能試験の練習用材料を、購入またはレンタルで用意できるサービスです。

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運営者の合格体験:学科20時間・技能30時間で1回合格

ここからは、資格建築家の運営者が実際に第二種電気工事士に合格したときの記録です。試験制度は2020年当時のものです。

項目 内容
受験した回 2020年度(令和2年度)下期
結果 学科(筆記方式)・技能とも1回で合格
当時の仕事 デベロッパーやゼネコンを顧客にしたBPOの会社で、プロジェクトマネジメントを担当(電気工事の経験なし)
勉強時間 学科約20時間・技能約30時間(主に休日にまとめて)
教材の費用 テキスト約1,000円、工具付きの練習キット約10,000円。解説動画は無料

きっかけ:サブコンとのやりとりをスムーズにしたかった

当時の仕事では、サブコン(専門工事会社)とやりとりする場面がありました。電気の知識があるとやりとりがスムーズだったため、仕事に間接的に必要な知識を身につけようと受験しました。

教材:テキスト1冊と工具付きの練習キット

  • 学科:TAC出版のテキスト(2020年当時の版):学科の勉強に使いました(約1,000円)
  • 技能:HOZANの技能試験練習キット:Amazonで購入しました。工具も入っていて、材料も必要な量が入っていてちょうどよかったです
  • 技能:HOZANのYouTube動画(無料):動画を見ながら練習しました

候補問題は13問を1周しました。学科で心配だったのは計算問題で、繰り返し解いて解けるようにしました。

試験当日:学科は途中退室、技能は時間ぴったり

会場には、工業高校の学生らしい人が多くいました。学科は時間がかなり余り、途中退室したと記憶しています。

技能はけっこう焦りましたが、候補問題で練習したものだったので、必死に思い出しながらやりました。本番は割と時間ぴったりくらいでした。

合格後:正直、仕事ではあまり役立っていない

正直に書くと、仕事面ではあまり役立っていません。電気工事をしたことはなく、免状の交付申請も合格から5年ほどたってからしました。消防設備士乙種第4類とは試験範囲で重なる分野がありますが、受験の時期が離れていたので、あまりつながりは持てませんでした。

それでも、これから受ける方に伝えたいのは、勉強内容が面白く、技術系の資格の中では取りやすい方なので、取って損はないということです。

なお、電気工事の仕事に就く予定がある方は、資格を直接活かせます。運営者のように電気工事をしない方は、「仕事の知識の土台」や「次の資格への足がかり」として考えておくと、取ったあとのギャップが少なくなります。

独学 vs 通信講座:どちらで進める?

筆記試験については、市販のテキスト1冊と過去問集があれば独学で十分対応できます。一方、技能試験は「正しい結線方法」を動画で確認しながら練習できる通信講座のほうが、初心者には安心です。費用と学習スタイルに合わせて選びましょう。

独学向けテキスト

  • 学科対策:『ぜんぶ絵で見て覚える 第2種電気工事士 学科試験すい~っと合格(2026年版)』(オーム社)——配線図記号から電気の基礎理論までを図解し、過去問題(必須200選)の章もある
  • 技能対策:『ぜんぶ絵で見て覚える 第2種電気工事士 技能試験すい~っと合格(2026年版)』(オーム社)——同じシリーズの技能試験編。「技能入門講習」の実演動画付き

出典:オーム社「学科試験すい~っと合格(2026年版)」「技能試験すい~っと合格(2026年版)」(確認日:2026年10月25日)。運営者が使ったのはTAC出版のテキストで、この2冊は使っていません。

主な通信講座の比較

講座名 特徴
ユーキャン 添削・質問サポートのある通信講座
SAT 筆記・技能・候補問題の動画講義(DVDまたはEラーニング)、テキスト、過去問題集10回分、候補問題の全複線図
HOZAN(工具・材料) 工具や練習用材料。解説動画も公開(運営者は工具付きの練習キットと動画で練習)

費用や内容は時期によって変わるため、各社の公式サイトで確認してください(SATの講座内容は2026年10月25日時点の公式サイト)。

動画講義で学科・技能をまとめて学びたい方へ

SATの第二種電気工事士講座は、筆記・技能・候補問題の動画講義(DVDまたはEラーニング)とテキスト、過去問題集がセットになっています。

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よくある質問

Q. 文系・未経験でも本当に合格できますか?

はい、十分可能です。学科試験の計算問題は中学レベルで、暗記と過去問演習が中心です。運営者も電気工事の経験がないまま、学科約20時間・技能約30時間の勉強で合格しました。

Q. 第一種との違いは何ですか?

第二種は一般住宅・小規模店舗などの一般用電気工作物等、第一種はそれに加えて最大電力500kW未満の自家用電気工作物(ビル・工場など)まで扱えます。第一種は誰でも受験できますが、免状を受けるには試験合格後に一定期間の実務経験が必要です。まずは第二種を取得し、実務を積みながら第一種を目指すルートが一般的です。

Q. 合格後、いつから電気工事ができますか?

学科・技能の両試験に合格後、住民票のある都道府県に免状の交付を申請し、免状が交付された時点から電気工事を行えます。交付までには時間がかかるため、電気工事の仕事で使う方は合格後すぐに手続きを進めましょう。申請先や必要書類は都道府県ごとに案内されています。

Q. 電気工事をしない仕事でも取る意味はありますか?

電気の基礎知識が身につくので、設備・建設・不動産などで電気工事の会社とやりとりする方には役立ちます。ただし運営者の場合、正直なところ仕事面ではあまり役立っていません。資格手当や転職で評価されるかどうかは会社によるため、目的をはっきりさせてから受けるのがおすすめです。

まとめ

第二種電気工事士は、受験資格がなく、勉強期間2〜3ヶ月が目安の取りやすい国家資格です。運営者も学科約20時間・技能約30時間で合格しました。

電気・設備系への転職を考えている方はもちろん、現職でのスキルアップ・資格手当の獲得、将来の独立を見据えた方まで、幅広い目的に応えられる資格です。一方で、電気工事をしない仕事では資格を直接使う場面が少ないこともあるので、取る目的を決めてから始めましょう。まずはテキスト1冊・過去問アプリからでも、今日から始めてみてください。

2026年度下期の技能試験は12月12日(土)または13日(日)です。下期の申込受付は9月3日で終わっているので、これから申し込む方は次の2027年度(令和9年度)上期の案内を待ちましょう。

2027年度上期の日程が発表されたら、資格カレンダーに追加します。

関連記事:電気工事施工管理技士とは?/電験三種とは?/消防設備士はどれから取る?/ビル管理士とは?

資格建築家の運営者。行政書士・宅地建物取引士・第二種電気工事士・建設業経理士2級・日商簿記2級など10の資格を取得。建設・不動産業界でプロジェクトマネジメントや企画開発に携わる。自分の受験経験と、試験実施団体の公式情報をもとに、資格選びと勉強の進め方を解説しています。

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