FP2級と簿記2級、どっちを取得すべき?

「FP2級と簿記2級、どちらを先に取ればいい?」
「自分のキャリアにはどちらが向いているんだろう?」

この記事では、FP2級(ファイナンシャル・プランニング技能士2級)日商簿記2級の難易度・合格率・勉強時間・出題範囲・キャリアへの活かし方を徹底比較し、あなたの目標に合った選び方まで解説します。

結論から言うと、難易度は簿記2級のほうが高く、FP2級は比較的取り組みやすい資格です。ただし「どちらを取るべきか」はキャリア目標によって明確に分かれます。詳しく見ていきましょう。

目次

まず結論:2つの資格を一目比較

まず主要データを並べて確認しましょう。

項目FP2級日商簿記2級
資格の種類国家資格(技能検定)公的資格(民間検定)
主催団体日本FP協会 / きんざい日本商工会議所
受験資格FP3級合格 または 実務経験2年以上なし(誰でも受験可)
試験回数通年(CBT方式・随時)年3回(統一試験)+随時(CBT)
試験時間学科120分+実技60分90分
受験料学科5,700円+実技6,000円5,500円(税込)
合格基準学科・実技それぞれ60%以上70点以上(100点満点)
合格率40〜50%前後20%前後(回によって10〜30%)
勉強時間目安150〜300時間(3級知識あり)250〜400時間(初学者)
難易度★★★☆☆★★★☆☆(難問回は★★★★)
業界汎用性金融・保険・不動産・一般企業全業種・職種
独占業務なしなし

💡 ポイント:合格率はFP2級(40〜50%)が簿記2級(20%前後)より大きく高く、難易度面では簿記2級のほうが厳しい試験です。一方でFP2級には「3級合格」という受験資格が必要な点に注意が必要です。

それぞれの資格の基本情報

FP2級(ファイナンシャル・プランニング技能士2級)とは

FP技能士は、厚生労働大臣が認定する国家資格です。税金・保険・年金・投資・不動産・相続というお金にまつわる6分野を体系的に学べる資格として、金融・保険・不動産業界を中心に幅広い職種で評価されています。

試験は日本FP協会金融財政事情研究会(きんざい)の2機関が実施しており、どちらで受験しても取得できる資格は同じです。一般的に初学者・業界未経験者には日本FP協会での受験がおすすめです。

試験科目(6分野)主な内容
ライフプランニングと資金計画社会保険・公的年金・住宅ローンなど
リスク管理生命保険・損害保険の仕組みと活用法
金融資産運用株式・債券・投資信託・NISA・iDeCoなど
タックスプランニング所得税・住民税・法人税・消費税の仕組み
不動産不動産の取得・運用・税金
相続・事業承継相続税・贈与税・遺産分割など

詳しい試験情報・勉強法はFP2級・3級は転職に使える?難易度・合格率・勉強法と金融業界への活かし方をご覧ください。

日商簿記2級とは

日商簿記は、日本商工会議所が主催する日本最大規模の会計系検定試験。2,900万人以上の受験実績を持ち、経理・財務職への転職において「持っていることが前提」とも言える基準資格です。

2級では3級(商業簿記のみ)に加えて工業簿記(製造業の原価計算)が出題範囲に加わります。この工業簿記が最大の難関で、日常生活ではあまり馴染みのない原価計算の概念を扱います。受験資格はなく誰でも受験できますが、3級の知識を前提とした内容のため、実質的には3級からの学習が王道です。

科目配点主な内容
商業簿記(第1〜3問)60点連結会計・税効果会計・外貨建取引・仕訳・財務諸表作成など
工業簿記(第4〜5問)40点個別原価計算・総合原価計算・標準原価計算・CVP分析など

詳しい試験情報・勉強法は日商簿記は転職に有利?2級取得で経理未経験転職を目指す社会人のための完全ガイドをご覧ください。

難易度比較:どっちが難しい?

総合難易度:簿記2級 > FP2級

合格率・出題範囲・必要な前提知識を総合すると、日商簿記2級のほうが難易度は高いと言えます。その主な理由を以下で詳しく解説します。

①合格率の違い

FP2級の合格率は40〜50%前後と安定しており、2人に1人が合格できる水準です。学科・実技それぞれ60%以上が合格基準で、出題傾向が安定しているため過去問演習が有効に機能します。

一方、簿記2級の合格率は平均20%前後で、難しい回は10%台まで落ち込むこともあります。絶対評価(70点以上)のため、難問が出ると合格率が激減する「波のある試験」です。同じ2級という名称でも、合格率だけ見れば難易度の差は明らかです。

②出題の性質の違い

FP2級は6分野にわたる暗記・理解中心の試験です。各分野の知識を広く浅く押さえ、過去問の出題パターンに慣れることが合格への近道となります。計算問題も出題されますが、公式さえ覚えれば解ける問題が多く、難解な論点は比較的少ないです。

簿記2級は計算・仕訳・財務諸表作成が中心で、特に工業簿記は「製品原価をどう計算するか」という論理的思考が必要な分野です。暗記だけでは対応できず、理解を伴った計算練習の積み重ねが不可欠です。また近年は連結会計など難度の高い論点も増えており、出題の高度化が続いています。

③受験資格の有無

見落とされがちなポイントとして、FP2級には受験資格があります。「FP3級合格」または「実務経験2年以上」が必要なため、FP2級を目指す場合はまず3級を取得するステップが発生します。一方、簿記2級は受験資格なしで誰でも直接受験可能です。

観点FP2級簿記2級
合格率40〜50%(安定)20%前後(回によって10〜30%)
出題の性質暗記・理解中心。6分野を広く浅く計算・論理思考中心。工業簿記が最大の壁
難関ポイント出題範囲の広さ・実技試験の記述対応工業簿記・連結会計・難問回の合格率激変
得意な人暗記が得意・お金全般に興味がある数字・計算・論理的思考が得意
受験資格3級合格が必要(ステップあり)なし(誰でも直接受験可)

難易度まとめ:総合的な難易度は簿記2級のほうが高い。FP2級は出題範囲は広いが合格率が高く取り組みやすい。ただしFP2級は3級取得というステップが必要な点に注意。

勉強時間の目安

前提知識FP2級簿記2級
完全な初学者FP3級(50〜100h)+2級(150〜300h)
合計200〜400時間
250〜400時間
3級・基礎知識あり150〜300時間(FP3級取得後)150〜250時間(簿記3級取得後)
学習期間の目安3級から通算6〜9ヶ月3〜8ヶ月

初学者が「2級取得」をゴールとした場合、FP2級は3級というステップが発生するためトータルの学習期間はFP2級のほうが長くなる傾向があります。ただし1つひとつの試験の難易度は低く、合格体験を積みながら進められるのがFPルートのメリットです。

簿記2級は直接2級から挑戦することも制度上は可能ですが、3級の知識が前提のため、実質的には3級からのスタートが効率的です。工業簿記という習得に時間のかかる科目があるため、学習ペースの管理が重要になります。

FP2級と簿記2級、どちらを取るべきか?

この2つの資格は学習内容も活かせる業界もまったく異なります。「どちらが難しいか」より「自分のキャリア目標に合っているか」で選ぶことが最も重要です。

パターン①:経理・財務職に転職したい → 簿記2級を優先

経理・財務職への転職・就職を目指すなら、日商簿記2級を最優先で取得しましょう。業種を問わず経理職採用の実質的な基準として認知されており、FP2級よりも経理転職での評価は圧倒的に高いです。

パターン②:金融・保険・不動産業界を目指している → FP2級を優先

銀行・証券・保険会社・不動産会社など金融系の業界への転職・就職を目指すなら、FP2級を優先しましょう。業界内で標準的に求められる知識を証明する資格として評価されます。まずFP3級を取得し、勢いで2級を目指すルートが最短です。

パターン③:お金の知識を広く身につけたい・副業・独立を考えている → FP2級

「税金・保険・投資・相続など、お金全般の知識を体系的に身につけたい」「将来的にFPとして副業・独立したい」という方にはFP2級がおすすめです。資格の勉強が自分自身の資産形成・生活設計にも直結する点が大きな魅力です。

パターン④:業界・職種を絞らず幅広くキャリアを広げたい → 簿記2級

「どの業界・職種でも通用するスキルを持ちたい」という方には簿記2級のほうが汎用性が高いです。FP2級も汎用性はありますが、簿記2級は製造業・商社・IT・小売など、あらゆる業種の経理職で求められる資格です。

パターン⑤:両方取得して強みを掛け合わせたい → FP2級 → 簿記2級の順がおすすめ

FP2級と簿記2級を両方取得すると、「お金の全体像(FP)+会計の実務スキル(簿記)」を持つ強力な人材になります。両方取得する場合はFP2級 → 簿記2級の順がおすすめです。理由は以下の通りです。

  • FP2級のほうが難易度が低く、先に合格体験を積みやすい
  • FPで学ぶ「タックスプランニング(税金)」の知識が簿記の税効果会計・消費税の理解に活きる
  • FP2級取得後に簿記の勉強を始めると、財務諸表の読み方の理解がスムーズになる
あなたの状況・目標おすすめの選択
経理・財務職への転職を目指している簿記2級(最優先)
金融・保険・不動産業界を目指しているFP2級(最優先)
お金の知識を広く身につけたい・副業・独立を考えているFP2級
業界を絞らず汎用的なスキルを持ちたい簿記2級
両方取得してキャリアの幅を広げたいFP3級 → FP2級 → 簿記3級 → 簿記2級

キャリアへの活かし方

FP2級のキャリア価値

FP2級は金融・保険・不動産業界での転職・就職に強い資格です。銀行・証券会社・生命保険会社・損害保険会社・不動産会社では、採用基準や昇格要件にFP2級を組み込んでいるところも多くあります。資格手当は月額3,000〜10,000円程度が相場です。

また、FP2級合格後にAFP認定を受けることでFPとして有料相談業務の副業・独立が可能になります。老後の資産形成・住宅購入・相続対策など、お金の悩みを持つ個人向けコンサルティングの需要は年々高まっており、副業・フリーランスとして活動するFPも増えています。

さらに、勉強した知識が自分自身の資産形成・生活設計に直結する点も大きな魅力。NISA・iDeCo・保険の見直し・相続対策など、学んだ内容をすぐに実生活に活かせます。

FP2級のキャリア・転職への活かし方を詳しく読む

簿記2級のキャリア価値

日商簿記2級は業種・職種を問わない汎用性が最大の強みです。経理・財務職への転職における事実上の最低基準として認知されており、製造業・商社・IT・小売など、あらゆる業種の経理求人で評価されます。資格手当は月額3,000〜10,000円程度が相場です。

また、税理士・公認会計士・中小企業診断士などの上位資格への学習基盤にもなります。「どの業界でも通用する数字の専門家」としてのキャリアを築きたい方に最適な資格です。

簿記2級のキャリア・転職への活かし方を詳しく読む

よくある質問

Q. FP2級と簿記2級、どちらが就職・転職に有利ですか?

業界によって異なります。金融・保険・不動産業界ではFP2級、経理・財務職では簿記2級の評価が高いです。業界を絞らず幅広く転職活動をしたい場合は、汎用性という点で簿記2級のほうが有利な場面が多いです。一方、FP2級は「お金のプロ」として個人相談業務への道が開ける点でユニークな価値を持ちます。

Q. FP2級と簿記2級の知識は互いに活きますか?

はい、一部共通する知識があります。特にFPの「タックスプランニング(税金)」分野と簿記の「税効果会計・消費税」の学習は重なる部分があります。また、FPで財務諸表の読み方(大枠)を学んでいると、簿記2級での財務諸表作成の理解がスムーズになります。FP2級 → 簿記2級の順で学ぶと相乗効果が得られやすいです。

Q. FP2級を受験するには必ずFP3級を取得しないといけませんか?

FP3級合格のほかに、「FP業務に関する2年以上の実務経験」または「厚生労働省認定のAFP認定研修修了」でも受験資格を満たせます。ただし実務未経験の社会人が最も現実的に取得できる受験資格はFP3級の合格です。3級は合格率60〜70%と高く、1〜2ヶ月の学習で合格を目指せます。

Q. FP2級と簿記2級を同時並行で勉強できますか?

どちらも相応の学習量が必要なため、同時並行はおすすめしません。それぞれ250〜400時間規模の学習が必要で、並行学習では両方が中途半端になるリスクがあります。FP3級 → FP2級を取得してから、簿記3級 → 簿記2級に集中する順番が最も効率的です。

まとめ

FP2級と簿記2級の比較を改めて整理します。

  • 難易度は簿記2級のほうが高い。合格率(FP2級40〜50%・簿記2級20%前後)・出題の複雑さ・難問回の合格率激変など、あらゆる面で簿記2級が難しい
  • FP2級は3級取得というステップが必要。受験資格を忘れずに、まずFP3級から取得する計画を立てよう
  • キャリア目標で選ぶのが最善。経理・財務職→簿記2級、金融・保険・不動産→FP2級、お金の専門家として副業・独立→FP2級が明確な目安
  • 両方取得すると強力な武器になる。取得順はFP2級 → 簿記2級が効率的で、知識の相乗効果も期待できる

どちらの資格も取得する価値は十分あります。まず自分のキャリア目標を明確にし、最初の一歩を踏み出しましょう。

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