解体工事業者登録とは?

建設業の関連情報

解体工事業を営もうとする場合、都道府県知事による「解体工事業登録」が必要となります。

ただし、土木工事業・建築工事業・解体工事業の建設業許可を持っている場合は不要となります。

解体工事業者登録制度の概要

建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(通称:建設リサイクル法)という法律に基づき、解体工事(家屋等の建築物、その他の土木工作物等を解体する建設工事)を行う場合には、都道府県知事による解体工事業登録を受けなければならないとされています。

元請、下請の別にかかわらず登録が必要です。

工事を施行する区域を管轄する都道府県知事の登録が必要です。複数の都道府県で解体工事を行う場合には、たとえ営業所を置かない都道府県であっても、その区域を管轄する都道府県に登録しなければなりません。

・建設業法の「土木工事業」、「建築工事業」、「解体工事業」の許可を受けている場合は解体工事業の登録の必要はありません。

・請負金額が税込500万円以上の解体工事を行う場合、建設業法に基づき建設業許可を受けなければなりません。

解体工事業登録の要件

解体工事業は登録を受けようと思えば誰でも受けられるものではなく、要件を満たしていなければ登録できません。

要件には「欠格要件に概要していないこと」「技術管理者の選任」の2つがあり、特に技術管理者には一定の実務経験や資格が必要なため、登録は容易ではありません。

欠格要件

建設リサイクル法24条にて、以下の欠格要件が規定されています。

1.解体工事業の登録を取り消された日から、2年を経過しない者
2.解体工事業の登録を取り消された法人において、その処分日の前30日以内にその解体工事業者の役員であった者で、その処分のあった日から2年を経過しない者
3.解体工事業の事業停止を命ぜられ、その停止期間が経過していない者
4.建設リサイクル法に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
5.暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
6.法人の場合で、その役員の中に上記1~5のいずれかに該当する者がいるとき
7.法定代理人がいる場合で、その法定代理人が上記1~6のいずれかに該当するとき
8.技術管理者(法第 31 条に規定する者)を選任していない者
9.上記5でいう暴力団員等がその事業活動を支配する者

また、当然のことながら登録申請書及び添付書類に虚偽の記載があったり、重要な事実の記載がなかった場合にも登録は拒否されます。

技術管理者の設置

技術管理者とは、解体工事の現場において、解体工事の施工の技術上の管理をつかさどる者をいい、解体工事の施工において、分別解体の施工方法の指導・監督、機械操作等に関する指導・監督、建設廃棄物の処理に関する指導・監督、安全管理や周辺環境等、その他関係法令等に従った指導・監督の役割を担います。

技術管理者として認められるためには以下のいずれかの要件を満たしている必要があります。

A.学歴と実務経験について以下のいずれかを満たす

・大学で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し2年以上の実務経験を有する者
・高等専門学校で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し2年以上の実務経験を有する者
・高等学校で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し4年以上の実務経験を有する者
・中等教育学校で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し4年以上の実務経験を有する者
・解体工事に関し8年以上の実務経験を有する者

B.資格について以下のいずれかを有する

・1級建設機械施工技士
・2級建設機械施工技士(種別「第1種」又は「第2種」に限る。)
・1級土木施工管理技士
・2級土木施工管理技士(種別「土木」に限る。)
・1級建築施工管理技士
・2級建築施工管理技士(種別「建築」又は「躯体」に限る。)
・1級建築士
・2級建築士
・1級のとび又はとび工の技能検定に合格した者
・2級のとび又はとび工の技能検定に合格した後、解体工事に関し1年以上の実務経験を有する者
・技術士(2次試験のうち建設部門に合格した者に限る。)

C.国土交通大臣が実施する講習又は登録した講習を受講し学歴と実務経験について以下のいずれかを満たす

・大学で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し1年以上の実務経験を有する者
・高等専門学校で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し1年以上の実務経験を有する者
・高等学校で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し3年以上の実務経験を有する者
・中等教育学校で土木工学科等を修めて卒業し、解体工事に関し3年以上の実務経験を有する者
・解体工事に関し7年以上の実務経験を有する者

D.国土交通大臣の登録を受けた試験に合格した者

E.国土交通大臣が上記A~Dと同等以上の知識及び技能を有すると認定した者

申請の流れ

申請にあたっては必要書類を準備し、窓口での提出のほか自治体に郵送や電子申請などの方法で申請を行います。

申請に必要なのは以下の書類などです。

・解体工事登録申請書
・誓約書
・登録申請者の調書
・技術管理者の資格等を証明する書類
・申請者の身分等を証明する書類
・役員等氏名一覧表
・その他状況に応じて必要な書類

登録の有効期間は5年間となっており、引き続き解体工事業を営む場合は更新の手続きが必要です。

登録手数料は東京都の場合で新規登録45,000円、登録の更新26,000円です。都道府県により異なり、千葉県・埼玉県・神奈川県などは新規登録33,000円、登録の更新26,000円です。

登録後の義務

登録後には法令上定められた以下の義務を順守しなければなりません。

標識の掲示

解体工事業者は、営業所及び解体工事現場ごとに、公衆の見やすい場所に、商号、名称又は氏名、登録番号その他国土交通省令(解体工事業に係る登録等に関する省令)で定める事項を記載した標識を掲げなければなりません。

帳簿の備付等

解体工事業者は、営業所ごとに帳簿を備え、請け負った解体工事ごとに作成し、添付書類(請負契約書、変更請負契約書、その写し等)とともに事業年度の終了後から5年間保存しなければなりません。

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