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二級建築士
受験資格
学歴または実務経験
指定科目を修めて卒業(実務0年)、建築設備士、または建築実務7年以上
難易度
★★★★
製図試験が最大の山場
勉強時間の目安
500〜1,000時間
学科:300〜500h/製図:200〜500h
合格率
総合22.6%(2025年)
学科40.9%・製図46.4%
試験時期
年1回
2026年:学科7月5日・製図9月13日
転職需要
★★★★★
住宅・建設・不動産系で高い
木造住宅や小規模な建物の設計・工事監理を合法的に行うために必要な国家資格が「二級建築士」です。住宅リフォーム・注文住宅・店舗設計など、人々の生活に身近な建物を手がけられるこの資格は、建設・不動産・住宅業界でのキャリアアップに直結します。
受験には学歴(指定科目)や実務経験などの受験資格が必要ですが、取得後のキャリアの幅は広く、設計事務所・工務店・ハウスメーカーから独立開業まで多様な道が開けます。この記事では、二級建築士の概要・難易度・キャリアへの活かし方をわかりやすく解説します。
二級建築士でできること
二級建築士は建築士法に基づく国家資格で、一般的な木造住宅や中低層の建物の設計・工事監理を行えます。2025年(令和7年)4月1日施行の改正後、二級建築士が設計・工事監理できるのは、おもに階数3以下かつ高さ16m以下の建築物で、次の範囲です。
- 木造:延べ面積1,000㎡以下(学校・病院・劇場・百貨店などの用途は500㎡以下)。平屋なら1,000㎡を超えても可(上の用途を除く)
- 鉄筋コンクリート造・鉄骨造など木造以外:延べ面積300㎡以下
戸建住宅・小規模な共同住宅・店舗・事務所など、身の回りの多くの建物が対象になります。なお、ごく小さな建築物(木造で階数2以下・延べ100㎡以下、木造以外で階数2以下・延べ30㎡以下)は建築士でなくても設計できますが、都道府県の条例で別の制限がある場合もあります。
できることを整理すると、住宅・店舗・共同住宅などの建築設計、建物が設計図どおりに施工されているかを確認する工事監理が中心です。一方で、高さ16mを超える建物や階数4以上の建物、大規模な建築物は一級建築士の業務範囲となるため、将来的に大規模建築を手がけたい場合は一級建築士へのステップアップが必要です。
受験資格
二級建築士には受験資格があります。誰でも受けられる資格ではないため、まず自分がどのルートで受験資格を得られるかを確認することが最初のステップです。
| ルート | 条件 | 実務経験 |
|---|---|---|
| 建築系学科卒業 | 大学・短大・高専・高校・専修学校等で指定科目を履修して卒業 | 不要(最短0年) |
| 建築設備士 | 建築設備士資格を保有 | 不要 |
| 実務経験のみ | 建築に関する実務を7年以上経験 | 7年以上 |
| その他 | 都道府県知事が特に認める者(外国の大学を卒業した者など) | — |
2020年(令和2年)3月の建築士法改正で、指定科目を修めて卒業した人は、実務経験がなくても受験できるようになりました。そのかわり、学歴によっては免許登録のときに実務経験が必要です。
社会人で「建築系以外の学科を卒業した」「実務経験がない」という方は、このままでは受験資格がありません。その場合の最短ルートとして、建築系の専門学校(夜間・通信制を含む)に通って指定科目を履修する方法が一般的です。詳しくは「二級建築士の受験資格|建築系以外の学科卒が最短で受験する方法」をご覧ください。
試験の概要
二級建築士の試験は学科試験と設計製図試験の2段階で構成されています。令和2年以降に学科に合格した人は、その後に行われる5回の試験のうち3回まで、学科が免除され設計製図から受験できます。そのため、学科を先に突破して、その後は製図に集中する進め方もできます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 学科の試験 | 建築計画・建築法規・建築構造・建築施工の4科目。計画と法規で3時間、構造と施工で3時間(2026年度は7月5日) |
| 設計製図の試験 | 事前に公表される課題について、図面を手書きで作成(5時間。2026年度は9月13日) |
| 受験手数料 | 18,500円(非課税)+ネット決済手数料 |
| 申込 | インターネットで受付(2026年度は4月1日〜4月14日) |
| 合格発表 | 2026年度:学科8月24日、設計製図12月3日(予定) |
直近5年の試験結果は次のとおりで、総合の合格率は22〜25%ほどです。2026年度の学科の合格者は6,829人でした。
| 年 | 学科の合格率 | 製図の合格率 | 総合の合格率 |
|---|---|---|---|
| 2025年(令和7年) | 40.9% | 46.4% | 22.6% |
| 2024年(令和6年) | 39.1% | 47.0% | 21.8% |
| 2023年(令和5年) | 35.0% | 49.9% | 22.3% |
| 2022年(令和4年) | 42.8% | 52.5% | 25.0% |
| 2021年(令和3年) | 41.9% | 48.6% | 23.6% |
受験資格を持つ人だけが受ける試験で、建築を学んだ人や実務経験者が多く受験しています。合格率の数字だけで「易しい」とは言えません。
難易度・勉強時間の目安
二級建築士は、一級建築士に比べれば合格率は高いものの、社会人が働きながら合格するのはそれなりの覚悟が必要な資格です。特に製図試験は「手書きで設計図を時間内に仕上げる」という特殊なスキルが求められるため、添削を受けられる講座の活用が有効です。勉強時間は学歴や実務経験で大きく変わるため、下の表は一般的な目安です。
| フェーズ | 勉強時間 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 学科試験対策 | 300〜500時間 | 6ヶ月〜1年 |
| 製図試験対策 | 200〜500時間 | 3〜6ヶ月 |
| 合計 | 500〜1,000時間 | 1〜2年 |
学科試験は過去問の反復演習が中心で、法規・構造・施工の3科目が得点の鍵を握ります。製図試験は独学での習得が難しく、図面の添削を受けられる資格学校や通信講座を活用する人が多くいます。社会人の場合、1年目に学科合格・2年目に製図合格という2年計画も現実的なスケジュールです。
キャリアへの活かし方
設計・施工管理職への転職・昇格
建設会社・工務店・設計事務所・ハウスメーカーでは、二級建築士は現場責任者や設計担当者への昇格要件として設定されていることが多くあります。資格手当を設けている企業もあり、収入面でも評価につながりやすい資格です。住宅営業職から設計・監理職へのキャリアチェンジを目指す方にとっても、取得することで職域が大きく広がります。
建築士事務所の登録・独立
二級建築士として登録した後、都道府県知事の登録を受けて建築士事務所を開設することで設計・監理業務を受託できるようになります。工務店の経営者や独立を考えているリフォーム業者にとって、自社で設計から施工まで一貫して担える体制を整えられる点は大きな強みです。
建設業許可の営業所技術者として活用
建設業許可を受けた営業所には、技術者(2024年12月の建設業法改正で「専任技術者」から「営業所技術者」に名称変更)を置く必要があります。二級建築士は、建築一式工事・大工工事など一部の業種(一般建設業)でこの要件を満たす資格です。対象の業種は、申請先の都道府県の手引きで確認してください。
一級建築士へのステップアップ
二級建築士の資格があれば、実務経験がなくても一級建築士試験を受験できます(2020年の改正後。一級の免許登録には別に実務経験が必要)。2026年の一級の学科合格者のうち11.5%は、二級建築士の資格だけで受験した人でした。高層の建物や大規模建築を手がけたい方は、二級を足がかりに一級を目指すキャリアパスもあります。詳しくは一級建築士試験の難易度と合格率で解説しています。
独学 vs 資格学校
学科試験は独学でも合格できますが、製図試験は独学での攻略が難しいため、多くの受験者が資格学校や通信講座を活用しています。特に製図は、自分の図面を添削してもらえるかどうかが講座選びのポイントです。
| 学び方 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 独学(市販の過去問集・法令集) | 建築系の学校で基礎を学んだ人の学科対策 | 製図は図面を添削してもらう機会がない |
| 通信講座 | 仕事が忙しく、自宅で学科・製図を進めたい人 | 添削の回数・方法は講座ごとに違う |
| 資格学校(通学) | 教室で添削や模擬試験を受けながら練習したい人 | 費用が大きく、通学の時間も必要 |
受講料や内容は年度ごとに変わるため、申し込む前に各講座の公式サイトで最新の情報を確認してください。
二級建築士の学科試験・設計製図の通信講座があるスクールです(インテリアコーディネーターの講座もあります)。
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よくある質問
Q. 働きながら合格できますか?
可能です。ただし、合計で500〜1,000時間ほどの学習時間が目安になるため、計画的なスケジュール管理が欠かせません。学科合格後は学科が免除される回数があるので、「1年目:学科、2年目:製図」と分けて取り組む方法もあります。
Q. 二級建築士と一級建築士はどう違いますか?
扱える建物の規模が異なります。二級建築士は主に戸建住宅・中低層建物が対象で、一級建築士はすべての建物を設計・監理できます。住宅や小規模建築が中心の職場では二級建築士で十分対応できますが、大規模建築や設計事務所でのキャリアを目指すなら一級建築士が必要になります。
Q. 製図試験は毎年課題が変わりますか?
はい、毎年、試験の前に課題が公表されます(2026年度は6月下旬に公表)。課題が出てから試験までの期間に、その建物の種類に合わせた練習を集中的に行います。
まとめ
二級建築士は受験資格のハードルこそありますが、取得後は設計・工事監理・独立開業、一級建築士へのステップアップまで多様なキャリアの扉を開いてくれる資格です。2026年度(令和8年度)の設計製図の合格発表は12月3日(予定)。2027年度(令和9年度)の試験を目指す方は、例年4月上旬の申込に向けて準備を始めましょう。住宅・建設・不動産業界でのキャリアアップを真剣に考えているなら、取得する価値は十分あります。
まずは自分の学歴・実務経験で受験資格を満たしているか確認し、そうでない場合は最短ルートを検討してみましょう。受験資格の取り方については「二級建築士の受験資格|建築系以外の学科卒が最短で受験する方法」で詳しく解説しています。
関連記事:一級建築士試験の難易度と合格率/木造建築士の取り方/二級建築士の受験資格(最短ルート)/建築施工管理技士は転職に有利?/二級建築士とインテリアコーディネーターのダブル取得
出典:建築技術教育普及センター「二級建築士試験」「受験資格」「試験について(時間割等)」「合格者発表について」「試験結果」「建築士の種類と業務範囲・受験の流れ」(確認日:2026年10月10日)
出典:大阪市「一級建築士、二級建築士及び木造建築士の業務範囲」(建築士法第3条〜第3条の3)、滋賀県「建築士法改正の概要」、京都府「建設業許可申請の手引き等を一部改定しました(令和6年12月24日)」、国土交通省「令和8年一級建築士試験『学科の試験』の合格者を決定」(確認日:2026年10月10日)
