賃貸住宅管理業の登録を受けるためには、営業所や事務所ごとに、業務の適正な運営を確保するための「業務管理者」を配置しなければなりません。
本記事では、業務管理者になれる人の要件や、選任・登録までの具体的な流れを詳しく解説します。
業務管理者の役割と配置義務

なぜ配置が必要なのか?
賃貸住宅管理業法(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律)に基づき、登録を受けた業者は、管理受託契約の説明や書面の交付、財産の分別管理といった専門的な業務を適正に行う必要があります。これらを監督・指導するのが「業務管理者」です。
配置のルール
- 設置場所: 賃貸住宅管理業務を行う「営業所」または「事務所」ごとに配置。
- 人数: 各営業所等に1名以上の常勤者を配置する必要があります。
- 兼務の制限: 他の営業所の業務管理者との兼務は原則として認められません(同一の建物内にある場合などを除く)。
業務管理者になるための「2つの要件」
業務管理者として選任されるためには、以下の「①専門資格」と「②実務経験」の両方を満たしている必要があります。
要件①:専門資格(いずれか一つ)
現在、業務管理者になれるのは、以下のいずれかの資格を持つ方です。
| 資格の種類 | 内容と追加要件 |
| 賃貸不動産経営管理士 | 登録試験に合格していること。 |
| 宅地建物取引士 | 指定の「指定講習(実務講習)」を修了していること。 |
要件②:実務経験
- 2年以上の実務経験が必要です。
- 内容は「賃貸住宅の管理業務」に関する経験です。
- 実務経験が2年に満たない場合: 登録機関が実施する「実務講習」を修了することで、2年以上の実務経験に代えることが可能です。
業務管理者選任の流れ
登録申請に向けて、以下のステップで進めます。
ステップ1:候補者の選定と資格確認
社内で要件を満たす者、または新たに採用する者が、以下の書類を揃えられるか確認します。講習の受講が必要な場合は講習を受講した上で必要書類を準備します。
- 賃貸不動産経営管理士証の写し、または宅建士証+指定講習修了証の写し。
- 実務経験を証明できる書類(履歴書や前職の証明書など)。
ステップ2:登録申請(新規または変更)
申請は電束電子申請にて行います。
- 新規登録の場合: 賃貸住宅管理業の登録申請書の中に、業務管理者の情報を記載し、資格証明書等を添付して提出します。
- 変更(交代)の場合: 既に登録を受けている業者で業務管理者が交代した場合は、30日以内に変更届出を行う必要があります。
選任時の注意点

① 「名義貸し」の禁止
業務管理者は、実際にその営業所で管理業務を監督する実態が求められます。名前を借りるだけの「名義貸し」は法律違反であり、登録の取り消しや罰則の対象となるため、絶対に避けてください。
② 欠格事由の確認
候補者が法律上の「欠格事由(破産者、過去に罰金刑を受けた者など)」に該当していないか、事前に確認が必要です。
③ 兼任の可否
宅建業の「専任の宅地建物取引士」と、同一事務所内での「業務管理者」を兼ねることは可能です。
まとめ
賃貸住宅管理業登録において、業務管理者の選任は「登録の要(かなめ)」です。資格要件について正確に把握して法令遵守に努めましょう。

