住宅・店舗の電気インフラを支える「第二種電気工事士」完全ガイド

一般住宅や小規模店舗などの電気設備を扱うために不可欠な国家資格が「第二種電気工事士」です。電気は現代社会の生命線であり、その施工・メンテナンスを担う技術者は、建設・不動産業界において常に高い需要を誇ります。

目次

資格の概要

どんな業務を行える?

一般用電気工作物(受電電圧600V以下で、一般住宅や小規模な商店などの設備)における電気工事作業全般に従事できます。

  • 主な作業内容:コンセントやスイッチの増設、照明器具の取り付け、家庭用エアコンの設置に伴う配線工事、ブレーカーの交換など。
  • 法令上の定義:電気工事士法により、無資格者がこれらの作業を行うことは禁じられており、違反には罰則が規定されています。

就職やキャリアアップにプラスになる?

第二種電気工事士は人々の生活や社会活動に欠かせないインフラを支える仕事であり、転職市場においても需要に直結する資格となっています。

  • 実務スキルの証明
    • 住宅リフォームやエアコン設置業、ビルメンテナンス業界への就職において、最も重視される「即戦力の証」です。
  • 資格手当の対象
    • 多くの企業で月額数千円〜1万円程度の資格手当が設定されています。
  • 他資格への波及効果
    • 消防設備士(甲種)の受験資格が得られるほか、試験科目の一部免除が受けられるなど、マルチライセンス化への基点となります。

建設・不動産業界での有用性

建設事業者や不動産事業者において第二種電気工事士資格は意義が大きいです。

例えば、電気工事を請け負うには「電気工事業の登録」が必要ですが、この際、主任電気工事士の配置が義務付けられており、第二種電気工事士(+取得後の実務経験)がその役割を担います。

不動産管理においても電気工事は必要性が高く、例えば賃貸物件の退去立ち会い後の軽微な電気修理を自社で行えるようになるため、外注コストの削減と対応スピードの向上に直結します。

資格の取得方法・受験資格

受験にあたり必要な資格や実務経験

受験資格に制限はありません。

年齢、学歴、性別、実務経験を問わず、どなたでも受験可能です。プロの技術者だけでなく、DIYを目的とする一般の方や、将来を見据えた学生の受験も非常に多いのが特徴です。

試験概要

2024年度よりCBT方式(コンピュータ試験)が本格導入されており、受験のチャンスと利便性が向上しています。

項目内容
受験費用9,300円(インターネット申込の場合)
試験時期上期(4月〜7月)および下期(9月〜12月)の年2回
試験形式筆記試験: CBT方式または筆記(マークシート方式)
技能試験: 実技(実際に配線作業を行う)
合格基準筆記: 100点満点中60点以上
技能: 欠陥がないこと(一発不合格制)
合格率筆記:60%前後 / 技能:70%前後(最終合格率:40〜50%)

学習方法

難易度

技術系資格の中では「標準的」なレベルです。計算問題も含まれますが、暗記とパターンの理解で十分に突破可能です。最大の山場は、実際に手を動かす「技能試験」にあります。

学習期間

  • 筆記試験対策: 1〜2ヶ月(約50時間)
  • 技能試験対策: 1ヶ月(約30〜50時間)

学習方法

  1. 筆記は過去問の徹底演習
    • 頻出問題のパターンが決まっているため、過去問を5〜7年分繰り返すことが最短ルートです。特に「配線図記号」と「写真鑑別」は得点源となります。
  2. 技能は「複線図」と「工具の習熟」
    • 技能試験には事前に公表される「候補問題13問」があります。まずは単線図を複線図に書き換える練習を行い、その後、実際に電線を剥ぎ、器具を結線する練習を全問最低2周は行う必要があります。
  3. 練習キットの活用
    • 技能試験の対策には、試験本番と同じ器具・電線がセットになった「練習用材料セット」を購入し、制限時間(40分)内に完成させる訓練が不可欠です。
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