人事総務のキャリアに使える資格・人事総務検定|称号「人事総務マスター」への道・社労士前段としての活用法を解説

人事総務検定(3級・2級・1級)

受験資格

3級:なし / 2級:3級合格者 / 1級:2級合格者
順次取得が必要。3・2級は特別認定講習の修了でも取得可

難易度

★★
合格率・合格基準は非公表。1級は100点中70点以上が基準

取得ルート

①一般検定試験 または ②特別認定講習修了(3・2級のみ)
特別認定講習はLEC東京リーガルマインドが実施

合格率・合格基準

非公表(1級のみ70点以上が基準)
比較的取得しやすいとされるが実態は非公開

試験・受験料

年2回(3月・10月)
3級5,090円・2級7,640円・1級11,000円(税込)+登録料11,000円

人事・総務需要

★★
社労士試験の前段・人事総務職への転職・スキルアップに活用

人事・総務部門で働く方、またはこれから人事・総務のキャリアを目指す方のための専門資格が人事総務検定です。一般社団法人人事総務スキルアップ検定協会が主催し、LEC東京リーガルマインドが指定講習実施団体として位置づけられているこの検定は、採用・労務管理・社会保険・給与計算・就業規則・人事戦略まで人事総務業務全般の知識と実務能力を体系的に証明できる資格です。

社会保険労務士(社労士)試験の出題範囲と大きく重複しているため、社労士受験生の「腕試し・学習確認」としても活用されています。また3・2級は試験を受けずに特別認定講習の受講修了でも取得できるという独自の制度も特徴です。

目次

人事総務検定とはどんな資格か

人事総務検定は、「人事総務部門に必要とされる知識および実務能力を評価することを目的とした検定試験」として設計されています。採用・労務管理・社会保険手続き・給与計算・就業規則の整備・法改正への対応など、企業の人事総務部門が担う幅広い業務の知識を体系的に習得・証明できます。

合格した級に応じて称号が与えられ、協会の会員登録を経ることで名刺・履歴書などに肩書きとして記載できます。また協会会員として最新の法改正情報の入手や勉強会への参加が可能で、合格後も継続的にスキルアップできる仕組みが整っています。

3つの等級と取得ルート

項目 3級 2級 1級
称号 人事総務リーダー 人事総務エキスパート 人事総務マスター
想定レベル 人事総務業務の初歩〜基礎的知識 実務対応・労務管理・就業規則等の実践知識 人事総務の重要手続き・予防的・戦略的知識
受験資格 なし(誰でも受験可) 3級合格者かつ協会登録者 2級合格者かつ協会登録者
取得ルート① 一般検定試験(合格) 一般検定試験(合格) 一般検定試験(合格)
取得ルート② 特別認定講習修了(試験免除) 特別認定講習修了(試験免除) なし(試験のみ)
試験時間 60分 120分 180分
出題形式 選択式 選択式 選択式
合格基準 非公表 非公表 100点中70点以上
受験料(税込) 5,090円 7,640円 11,000円
会員登録の有効期限 2年間(更新料11,000円) 2年間(更新料11,000円) 無期限(更新不要)

1級合格者は会員登録が無期限となり、以降の更新研修や更新費用は不要です。一方、3・2級は2年毎に更新が必要で、更新研修(受講料11,000円・税込)を受講することで登録期間が延長されます。

2つの取得ルートの詳細

ルート①:一般検定試験(受験して合格する)

年2回(3月・10月)実施される一般検定試験を受験し、合格することで各級を取得するルートです。3級は受験資格なし、2級は3級合格者+協会登録者、1級は2級合格者+協会登録者という順次受験制が設けられています。1級の試験対策として、LEC東京リーガルマインドが「1級検定試験対策講座(全15時間)」を開講しており、この講座で試験範囲を網羅的に学ぶことができます。

ルート②:特別認定講習修了(3・2級のみ・試験免除)

LEC東京リーガルマインドが実施する特別認定講習を受講し、確認テスト(通信クラスはレポート提出も必要)に合格することで、一般検定試験を受けずに3級・2級を取得できるルートです。

項目 3級特別認定講習 2級特別認定講習
講習時間の目安 約5時間 約10時間
受講形式 通学または通信(講習内容により異なる) 通学または通信
修了要件 確認テスト合格(通信は+レポート提出) 確認テスト合格(通信は+レポート提出)
メリット 試験の合否リスクなし・体系的に学びながら取得 同左

試験の基本情報

項目 内容
試験頻度 年2回(3月・10月)
試験会場 東京(LEC各本校)
申込方法 LEC各本校およびコールセンターで試験前日まで受付
定員 各試験とも定員制(定員になり次第締め切り)
合否通知 後日発表
登録料 合格後に協会への登録料11,000円(税込)が必要
更新 3・2級:2年毎に更新(更新研修11,000円) / 1級:無期限・更新不要
称号の有効期限 なし(級の取得に有効期限はなく、履歴書・名刺等に表示可能)
主催 一般社団法人人事総務スキルアップ検定協会(指定講習:LEC東京リーガルマインド)

2026年度 試験日程(予定)

回次 対象級 試験日(予定)
第17回(2025年10月実施済) 2・3級 2025年10月19日(日)
第14回 1級(2025年10月実施済) 1級 2025年10月26日(日)
第18回(2026年3月実施済) 2・3級 2026年3月1日(日)
第15回 1級(2026年3月実施済) 1級 2026年3月8日(日)
第19回(2026年10月予定) 2・3級 2026年10月頃(詳細は公式サイトで発表)
第16回 1級(2026年10月予定) 1級 2026年10月頃(詳細は公式サイトで発表)
第20回(2027年3月予定) 2・3級 2027年3月頃(詳細は公式サイトで発表)

次回(2026年10月)の詳細な試験日・申込方法・会場はLEC公式サイト(lec-jp.com/jinjisoumu)または人事総務スキルアップ検定協会のウェブサイトで発表されます。定員制のため、希望の試験回を確実に受験するには早めの申込が重要です。

出題範囲:人事総務業務の全体をカバー

分野 主な内容 3級 2級 1級
採用・雇用管理 採用手続き・労働契約・試用期間・雇用形態の違い 基礎 応用 戦略
給与・賞与計算 給与の仕組み・各種控除・社会保険料・所得税 基礎 実務 管理
社会保険・労働保険 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の手続き 基礎 実務 高度
労務管理・労働法令 労働基準法・労働時間管理・有給休暇・休職・解雇 基礎 実務 予防的対応
就業規則・社内規程 就業規則の作成・変更・不利益変更・懲戒手続き 基礎 実務 整備・戦略
人事制度・評価・育成 人事評価制度・等級制度・キャリア開発・研修
最新の法改正・実務動向 育児介護休業法・同一労働同一賃金・ハラスメント対応等 基礎 応用 高度

人事総務検定で開けるキャリア

人事・総務部門への転職・就職のアピール

人事総務の実務知識を客観的に証明できる本検定は、未経験から人事・総務部門への転職・就職活動でのアピール材料として有効です。特に「人事総務の実務を体系的に学んだ」ことを示せる3級・2級は、人事・総務未経験者が採用担当者への第一印象を高める手段として活用されています。

現職の人事・総務担当者のスキルアップ

特に中小企業では、人事・総務部門の人員が少なく、OJTのみで実務を覚えてきた方も多いです。人事総務検定の学習を通じて、「知っているようで知らなかった実務知識の穴」を体系的に補完できます。法改正への対応・社会保険手続きの正確な知識・ハラスメント対応の実務など、日常業務に直結する内容です。

社会保険労務士(社労士)試験の前段・モチベーション維持として

人事総務検定の試験範囲は社会保険労務士試験(社労士試験)の出題範囲と大きく重複しています。社労士試験は合格率6〜7%の難関国家資格で学習期間が長くなりがちです。人事総務検定を社労士学習の過程で取得することで、「学習の成果の可視化・モチベーション維持・実務と試験知識の橋渡し」として活用できます。

1級合格者の特別な活用機会

1級(人事総務マスター)を取得すると、協会から人事総務に関する相談対応や講師としての仕事紹介を受けられる機会があります。開業社会保険労務士の先生が新規顧客開拓に活用したり、企業の人事総務部門の管理職・コンサルタントとしての活動範囲拡大に役立てるケースもあります。

費用の全体像:受験料+登録料+更新料

人事総務検定を取得・維持するには試験受験料以外にも費用が発生します。受験前に全体のコストを把握しておきましょう。

費目 3級 2級 1級
一般検定試験受験料 5,090円 7,640円 11,000円
合格後の登録料 11,000円 11,000円 11,000円
2年毎の更新料 11,000円(更新研修) 11,000円(更新研修) 不要(無期限)
特別認定講習受講料 別途(要公式サイト確認) 別途(要公式サイト確認)
1級対策講座受講料 別途(要公式サイト確認)

合格後の登録料(11,000円・税込)を支払わないと「人事総務リーダー」などの称号を名乗ることができません。試験受験だけでなく、登録・更新コストも含めた計画を立てておくことが重要です。

よくある質問

Q. 特別認定講習で取得した場合と一般試験で取得した場合、資格の価値に差はありますか?

いずれのルートで取得しても付与される称号・証明書は同等です。特別認定講習修了での取得も協会の会員登録後に同様に肩書きとして使用できます。ただし一般試験でしっかり実力を測りたい方や、試験突破の実績を証明したい方には一般検定試験ルートが向いています。

Q. 試験会場は東京のみですか?

一般検定試験の会場は東京(LEC各本校)が中心となっています。地方在住の方は特別認定講習(通信講座)のルートを検討するか、東京会場への受験遠征が必要になる場合があります。最新の開催情報はLEC公式サイトで確認してください。

Q. 社労士試験に合格している場合でも人事総務検定を取得する意味がありますか?

社労士資格を持つ方が人事総務検定1級(人事総務マスター)を取得することで、協会から講師・相談業務の紹介を受ける機会があるなど、実務的な活用場面が広がります。また社労士事務所での人事総務コンサルティング業務を提供する際の信頼性の補強としても有効です。

まとめ

人事総務検定は、人事・総務部門でのキャリアを目指す方・スキルアップを図る方・社労士試験の学習確認に使いたい方にとって、実務に直結した知識を体系的に証明できる実用的な資格です。3・2級は特別認定講習修了という試験なしの取得ルートも設けられており、学習スタイルに応じて柔軟に取得を目指せます。

次回試験(第19回2・3級・第16回1級)は2026年10月頃の実施が予定されています。詳細な日程・申込方法はLEC公式サイト(lec-jp.com/jinjisoumu)または人事総務スキルアップ検定協会の公式サイトでご確認ください。定員制のため、受験を決めたら早めに申込をすることをおすすめします。

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