宅建業開業前に知っておきたい!開業失敗の原因トップ5

宅建業免許

宅建業の開業を目指す方にとって、独立して自分の会社を持つことは大きな目標です。しかし、意気込んで開業したものの、わずか1年以内に撤退してしまう事業者も少なくありません。その背景には、「想定外」の落とし穴があることが多いのです。

本記事では、宅建業の開業前に知っておきたい失敗の典型例を5つ紹介し、それぞれの回避策についても解説します。


【失敗原因①】事業計画が甘く「資金ショート」する

開業にかかる費用は想像以上に多く、資金計画の甘さは最もよくある失敗の原因です。

宅建業を始めるには、免許取得費用のほか、事務所の賃料・内装費・広告宣伝費・人件費などがかかります。さらに、売上が立ち始めるまでには一定の時間がかかるため、最低でも6ヶ月分以上の運転資金を確保しておく必要があります

また、仲介手数料が主な収益源となる不動産業は、繁忙期と閑散期の差が大きく、継続的な収入を見込めない時期があることも想定しておくべきです

対策:開業前にしっかりと収支計画を立て、資金調達も含めて準備することが重要です。


【失敗原因②】宅建士の確保・専任義務を甘く見ていた

宅建業を営むには、「専任の宅地建物取引士(宅建士)」を営業所ごとに配置する義務があります。
「宅建士の登録はあるから大丈夫」と思っていても、実はこの専任要件には、常勤・専従であることや、他業種との兼業制限など、見落としがちな条件があります。

例えば、外部の宅建士に週1回だけ来てもらうというのは認められません。開業直後に宅建士が退職してしまい、営業停止になる事例もあります。

対策:開業時点で、資格・常勤要件を満たす宅建士をしっかり確保し、退職リスクにも備えた体制を考えておくことが必要です。


【失敗原因③】差別化のない営業で競合に埋もれる

不動産業界は競争が激しく、特に都市部では似たようなサービスを提供する業者が数多く存在します。
ホームページを開設しただけ、ポータルサイトに物件を掲載しただけ、では集客にはつながりにくい時代です。

地域のニーズやターゲット層の選定があいまいで、他社との差別化ができていないと、問い合わせはほとんど来ないまま閉業、ということにもなりかねません

対策:エリア特化・外国人対応・女性向け・空き家再生など、明確な強みを打ち出し、WebマーケティングやSNS活用も積極的に行うことが求められます。


【失敗原因④】許認可の手続きで時間と費用をロス

宅建業の開業には、都道府県や国土交通省への免許申請が必要です。この手続きが意外に複雑で、事務所要件や報酬規程の設置、必要書類の不備などで申請が通らないケースが多くあります

たとえば、「自宅を事務所にしようと思ったが、独立性が足りず要件を満たせなかった」という例や、賃貸契約で事務所使用が認められていなかったといった例があります。

不備があると、申請やり直しで1〜2ヶ月遅れることもあり、家賃だけが無駄にかかってしまうというリスクも。

対策:開業前から専門家(行政書士など)に相談し、早めに準備を進めることでリスクを軽減できます。


【失敗原因⑤】人材確保や管理体制が整っていない

「とりあえず自分一人で始めて、軌道に乗ったら人を雇おう」と考える方も多いですが、実際にはクレーム対応や現場対応など、一人でこなすには限界があります

また、採用したスタッフに業界経験がなく、契約ミス・説明不足などでトラブルになる事例も。宅建業は法律に基づく業務が多いため、適切な研修や社内ルールの整備が必須です。

対策:開業前にマニュアル整備や研修体制を準備し、責任の所在を明確にしておくことで、リスクを最小限に抑えられます。


失敗を防ぐためのポイントまとめ

  • 宅建業は「始める」より「続ける」方が難しい業種です。
  • 開業時点での資金・人材・事務所・免許など、すべての要素がそろって初めてスタートラインに立てます。
  • 宅建業免許の取得や事務所要件の確認など、準備には専門的な知識が必要な場面も多いため、早めに行政書士や税理士と連携することが成功への近道です。

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