環境計量士とは?濃度関係・騒音振動関係の違いと合格率15〜20%の取り方・キャリアを解説

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この記事を書いた人資格建築家の運営者・けいしー。行政書士・宅建士・第二種電気工事士・建設業経理士2級など10の資格を取得。試験日や合格率などは、試験団体の公式情報で確認して掲載しています。運営者情報

環境計量士(濃度関係/騒音・振動関係)

受験資格

なし(試験のみ)
登録時に実務経験1年以上または環境計量講習の修了が必要

難易度

★★★★
合格率は16〜19%前後。理系の専門知識が必要

勉強時間の目安

300〜500時間
一般的な目安。化学・物理の基礎知識があれば短縮可能

合格率

濃度16.8%・騒音振動18.8%
2025年(令和7年)12月の第76回

試験日・受験料

年1回・12月・8,500円
2026年は12月13日(日)。願書の受付は7月1日〜8月3日で終了

転職需要

★★★
環境の計量証明事業所で計量管理を担う資格

大気・水質・土壌の汚染物質濃度や、騒音・振動レベルを法的根拠のある数値として計量・証明する専門家が「環境計量士」です。経済産業省が管轄する国家資格で、濃度や騒音・振動の計量証明を行う事業所で、計量管理を担う資格です。

合格率は近年16〜19%前後と難関ですが、年1回の国家試験として毎年12月に受験できます。2026年(令和8年)の第77回は12月13日(日)に行われます(願書の受付は8月3日で終了)。受験料は8,500円(収入印紙)で、化学・物理・環境法規の専門知識が問われるため、理系バックグラウンドを持つ技術者にとってキャリアを強化する王道資格のひとつです。

目次

環境計量士とはどんな資格か

環境計量士は、計量法に基づく国家資格です。工場排水の水質測定、大気中の有害物質濃度の分析、道路や工場周辺の騒音レベルの計量など、私たちの環境を守るための測定・分析業務を正式に行える資格者として位置づけられています。

計量法では、濃度や音圧レベルなどの計量証明の事業を行うには、事業所ごとに都道府県知事の登録を受ける必要があります。登録の申請では、事業の区分に応じて省令で定める計量士などが計量管理を行うことが求められており、濃度や騒音・振動の区分では環境計量士がその役割を担います(出典:計量法 第107条〜第109条、確認日:2026年10月25日)。

2区分の違い:濃度関係 vs 騒音・振動関係

環境計量士は「濃度関係」と「騒音・振動関係」の2区分に分かれており、それぞれ扱う測定対象と専門科目が異なります。

項目 濃度関係 騒音・振動関係
測定対象 大気・水質・土壌中の化学物質濃度、悪臭物質など 騒音(音圧レベル)・振動(振動加速度レベル)
関連法規 大気汚染防止法・水質汚濁防止法・土壌汚染対策法など 騒音規制法・振動規制法など
専門科目 環境関係法規および化学・化学分析概論および濃度の計量 環境関係法規および物理・音響・振動概論および計量
主な就職先 環境分析会社・化学会社・水処理会社・行政機関 騒音・振動測定会社・建設コンサルタント・行政機関
受験者数 多い(濃度関係が主流) 少ない(専門性が高い)

求人数・教材の充実度ともに「濃度関係」が圧倒的に多く、環境計量士を目指す方の大半は濃度関係を選択します。化学分析・水質管理・大気測定などの業務に携わりたい方は濃度関係を、騒音測定や振動評価の専門家を目指す方は騒音・振動関係を選ぶのが基本です。

試験の構成と科目

環境計量士試験は「共通科目(2科目)」と「専門科目(2科目)」の計4科目で構成されます。共通科目は区分共通で、専門科目は濃度関係・騒音振動関係それぞれ異なります。

科目区分 科目名 問題数・時間
共通科目(全区分共通) 計量関係法規 各25問・計70分
計量管理概論
専門科目(濃度関係) 環境計量に関する基礎知識(環境関係法規・化学) 各25問・計80分
化学分析概論および濃度の計量
専門科目(騒音・振動関係) 環境計量に関する基礎知識(環境関係法規・物理) 各25問・計80分
音響・振動概論および音圧レベル等の計量

合格基準は「専門2科目の合計が基準点以上」かつ「共通2科目の合計が基準点以上」の両方を満たすことです。基準点は年度により変わり、2025年(令和7年)の第76回は、専門2科目が濃度関係120点(30問/50問)以上・騒音振動関係112点(28問/50問)以上、共通2科目が120点(30問/50問)以上でした。試験時間は共通科目70分・専門科目80分です。なお、すでに他区分の計量士試験に合格している場合は「計量関係法規」と「計量管理概論」の共通2科目が免除されます。

試験の基本情報

項目 内容
受験資格 なし(年齢・学歴・実務経験不問)
受験料 8,500円(収入印紙を願書に貼付して提出)
試験日 年1回・12月の日曜日。2026年(令和8年)の第77回は12月13日(日)
申込期間 2026年は7月1日(水)〜8月3日(月)。願書はウェブサイトの作成フォームで作り、簡易書留で郵送(受付は終了)
試験地 北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州及び沖縄(会場は受験票で通知)
合格発表 翌年2月ごろ(第76回は2026年2月2日)
合格率 第76回(2025年12月):濃度関係16.8%(受験者1,789人・合格者300人)/騒音・振動関係18.8%(受験者590人・合格者111人)
主催 経済産業省(実施は受験サポートセンター)

出典:経済産業省「令和8年12月(第77回)計量士国家試験」「第76回計量士国家試験の結果等について」(確認日:2026年10月25日)

受験料は8,500円(収入印紙)です。申込の受付期間は約1か月と短く、2026年の試験の公示は6月19日でした。受験を考えているなら、毎年6月ごろから経済産業省の公式サイトを確認しておきましょう。

2026年の第77回の願書受付は8月3日で終わっています。これから目指す方は、2027年(令和9年)の試験の公示(例年6月ごろ)を待ちましょう。

計量士登録の条件

試験に合格しただけでは「環境計量士」として業務を行えません。計量士として登録するには、試験合格に加えて以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

登録要件(濃度関係)
実務経験1年以上
環境計量講習(濃度関係)の修了
薬剤師免許
職業訓練指導員免許(化学分析科)を受けていること
技能検定(化学分析1級・2級)に合格していること
技術士(衛生工学部門)の登録を受けていること
職業能力開発校(化学系化学分析科)の修了

濃度関係の要件。騒音・振動関係は、実務経験1年以上、環境計量講習(騒音・振動関係)の修了、職業訓練指導員免許(公害検査科)などのいずれか。出典:埼玉県 計量士の登録要件(確認日:2026年10月25日)

多くの方に当てはまるのは「実務経験1年以上」か「環境計量講習の修了」です。登録の申請は、住んでいる都道府県の計量検定所などを通じて行います。手続きや必要書類は都道府県ごとに案内されているので、申請前に確認してください。

環境計量士で開けるキャリア

環境分析会社・環境計量証明事業所

環境計量士の主な就職先は、水質・大気・土壌の分析を受託する環境分析会社です。計量証明の事業の登録では、環境計量士などが計量管理を行うことが求められるため、分析会社では有資格者が必要とされます。

化学メーカー・製造業の環境管理部門

工場排水・排気ガスの自主測定が義務付けられている製造業では、環境管理部門での社内測定に環境計量士の知識が活かされます。資格保有者として社内の環境コンプライアンス担当や環境マネジメントシステム(ISO 14001)の推進役として評価されます。

行政機関・公的研究機関

地方自治体の環境局・保健所・衛生研究所では、大気・水質・騒音の公的測定業務に環境計量士が従事しています。公務員として安定した雇用を求める理系技術者にとっても、専門性を活かせる分野です。

建設コンサルタント・環境アセスメント

道路・発電所など一定規模以上の事業では、環境影響評価(環境アセスメント)を行うことが法律で定められています。騒音・振動関係の環境計量士は、建設コンサルタント会社での騒音・振動調査業務に特に需要があります。

難易度・勉強時間の目安

環境計量士試験の合格率は近年16〜19%前後で、難関資格に分類されます。難しさの本質は、化学・物理の専門知識に加えて計量法規・計量管理という法律科目も同時にマスターする必要がある点にあります。特に濃度関係の「化学分析概論および濃度の計量」は計算問題も多く、大学レベルの分析化学の知識が問われます。

前提知識 勉強時間 学習期間
化学系学部卒・分析業務の実務経験あり 200〜300時間 3〜6ヶ月
理系出身・化学の基礎知識あり 300〜400時間 6ヶ月〜1年
文系・化学知識ほぼなし 500時間以上 1年以上

合格のための勉強法

過去問中心の学習が最も効果的

環境計量士試験は過去問の類似問題が多く出題されるといわれており、過去問を繰り返し解くのが効率的です。市販の科目別テキストや過去問題集、業界団体などの受験講習会もあるので、自分に合うものを選びましょう。

共通科目と専門科目を並行して学ぶ

共通科目(計量法規・計量管理概論)は暗記中心で取り組みやすく、専門科目は計算問題への対応が求められます。学習初期は共通科目で全体の流れをつかみ、並行して専門科目の基礎固めを進める流れが効率的です。計量法規は法令の改正が反映された、新しい版のテキストを使いましょう。

数学・化学の基礎を固める

濃度関係では高校〜大学レベルの化学(酸塩基・酸化還元・有機化学の基礎)と分析化学(滴定・クロマトグラフィー・吸光光度法等)の知識が必要です。不安がある方はまず参考書で基礎を補強してから試験対策に入ることをおすすめします。計算問題は過去問のパターンが限られているため、繰り返し解くことで対応できるようになります。

よくある質問

Q. 文系出身・化学未経験でも合格できますか?

受験資格の制限はなく文系出身者でも挑戦できますが、濃度関係は化学の専門知識が必要なため難易度は高くなります。化学分析の実務経験がない状態から独学で挑む場合は1年以上の学習期間を見込む必要があります。騒音・振動関係は物理の知識が主体のため、物理が得意な文系出身者には比較的取り組みやすい場合もあります。

Q. 試験合格後すぐに計量証明書に署名できますか?

試験に合格しただけでは、環境計量士として名乗り、計量管理を行うことはできません。前述の登録要件(実務経験1年以上、環境計量講習の修了など)を満たし、都道府県を通じて計量士の登録を受ける必要があります。

Q. 濃度関係と騒音・振動関係、両方取得する意味はありますか?

すでに一方の区分に合格していると、もう一方の受験時に共通科目(計量法規・計量管理概論)が免除されます。両区分を持つと対応できる業務の範囲が広がります。濃度と騒音・振動の両方の計量証明を扱う会社では、両方の知識が役立ちます。

まとめ

環境計量士は、環境保全・公害防止の最前線で活躍する理系技術者のための国家資格です。受験料8,500円・年1回の試験に向けて計画的に学習を進めることで、分析会社・製造業・行政機関でのキャリアに活かせる資格を手に入れることができます。

化学・物理の専門知識が必要な難関資格ですが、過去問を軸にした地道な学習と実務経験の組み合わせで、環境分野の希少な専門家として着実にステップアップできます。環境問題への関心が高まる現代において、その専門性はますます社会から必要とされています。

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資格建築家の運営者。行政書士・宅地建物取引士・第二種電気工事士・建設業経理士2級・日商簿記2級など10の資格を取得。建設・不動産業界でプロジェクトマネジメントや企画開発に携わる。自分の受験経験と、試験実施団体の公式情報をもとに、資格選びと勉強の進め方を解説しています。

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