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電気工事施工管理技士(1級・2級)
受験資格
一次:1級19歳・2級17歳以上
二次は一次合格後などの実務経験が必要(令和6年度から新制度)
難易度
★★★〜★★★★
1級一次36.3%・二次69.6%。2級一次55〜57%・二次51.8%
勉強時間の目安
2級一次:100〜150時間 / 1級一次:150〜200時間
一般的な目安。二次(記述式)は別に対策が必要
合格率
1級一次:36.3% / 1級二次:69.6%
1級一次は2026年度、二次は2025年度。2級一次:前期57.4%・後期55.1%、二次51.8%
試験・受験料
2級:年2回(一次)・受験料各7,900円(非課税)
1級:年1回・受験料各15,800円(非課税)
建設業・電気工事需要
★★★★★
主任技術者・監理技術者の要件を満たす資格として、電気工事を請け負う会社で重視される
電気設備工事(変電設備・動力設備・電灯設備・情報設備等)の施工管理を担う国家資格が電気工事施工管理技士です。建設業法に基づく国家資格として、一定規模以上の電気工事における「主任技術者」(2級以上)および「監理技術者」(1級のみ)に選任できる資格者として、電気工事業界で最も重要な資格のひとつです。
インフラ・工場・商業施設・再生可能エネルギー設備など電気設備工事の需要は拡大を続けており、施工管理ができる有資格者は慢性的に不足しています。この記事では、1級と2級の違い、2026年度(令和8年度)の試験日程と最新の合格率、新しい受験資格、勉強法をまとめて解説します。
電気工事施工管理技士とはどんな資格か
電気工事施工管理技士は、建設業法第27条に基づいて国土交通大臣が実施する技術検定の合格者に与えられる国家資格です。1級と2級に分かれており、それぞれ配置できる現場の規模・役職(監理技術者 vs 主任技術者)が異なります。
試験は「第一次検定(学科的な知識を問う択一式)」と「第二次検定(施工管理の応用力を問う記述式)」の2段階です。第一次検定の合格者には「技士補」の称号が付与され(2021年度制度改正より)、第二次検定にも合格して初めて「技士」の称号が得られます。
1級と2級の違い
| 項目 | 2級電気工事施工管理技士 | 1級電気工事施工管理技士 |
|---|---|---|
| 配置できる役職 | 主任技術者 | 監理技術者・主任技術者 |
| 監理技術者が必要な工事 | 担当できない | 担当できる |
| 一次検定の受験資格 | 試験実施年度に満17歳以上(学歴・実務経験不問) | 試験実施年度に満19歳以上(学歴・実務経験不問) |
| 試験頻度 | 一次:年2回(前期・後期)/ 二次:年1回(後期のみ) | 一次・二次ともに年1回 |
| 受験料(一次・二次各) | 各7,900円(非課税)/ 同時受験15,800円 | 各15,800円(非課税) |
| 一次合格率 | 前期57.4%(2026年度)/後期55.1%(2025年度) | 36.3%(2026年度) |
| 二次合格率 | 51.8%(2025年度) | 69.6%(2025年度) |
| 一次合格の称号 | 2級電気工事施工管理技士補 | 1級電気工事施工管理技士補 |
| 両方合格の称号 | 2級電気工事施工管理技士 | 1級電気工事施工管理技士 |
2級でも主任技術者として、工事の規模に関係なく現場に置かれる技術者になれます。元請として下請に出す金額の合計が5,000万円(建築一式工事は8,000万円)以上の工事では、主任技術者に代えて監理技術者を置く必要があり、これには1級が必要です(2025年2月1日施行の金額)。
試験の基本情報
| 項目 | 第一次検定 | 第二次検定 |
|---|---|---|
| 出題形式 | 択一式(マークシート) | 記述式(経験を踏まえた安全管理・品質管理の記述、用語の説明など)+マークシートの択一式(計算・法規。令和7年度は1級が五肢択一、2級が四肢択一) |
| 合格基準 | 1級:60点(100点換算)かつ施工管理法(応用能力)6問中3問以上/2級:40問中24問以上 | 得点60%以上 |
| 試験地 | 1級・2級前期:札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄の10地区。2級後期は青森・金沢・鹿児島を加えた13地区 | |
| 合格証明書 | 技士補として合格証明書交付申請可能 | 技士として合格証明書交付申請可能 |
| 主催 | 一般財団法人建設業振興基金(国土交通大臣指定試験機関) | |
2026年度(令和8年度)試験日程
2級電気工事施工管理技士
| 区分 | 申込受付期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 前期:一次検定のみ | 2026年2月6日〜2月27日(終了) | 2026年6月14日(日)※実施済み | 2026年7月13日(月)※発表済み |
| 後期:一次検定(または一次・二次同時) | 2026年6月29日〜7月27日(終了) | 2026年11月8日(日) | 一次:2026年12月21日(月) |
| 後期:二次検定 | 同上 | 2026年11月8日(日)(後期の一次と同日) | 二次:2027年(令和9年)2月5日(金) |
1級電気工事施工管理技士
| 区分 | 申込受付期間 | 試験日 | 合格発表 |
|---|---|---|---|
| 第一次検定 | 2026年2月13日〜2月27日(一次のみは4月7日まで)※終了 | 2026年7月12日(日)※実施済み | 2026年8月25日(火)※発表済み |
| 第二次検定 | 2026年2月13日〜2月27日(一次と同時に申込)※終了 | 2026年10月18日(日) | 2027年(令和9年)1月8日(金) |
出典:1級電気工事施工管理技術検定のご案内、2級電気工事施工管理技術検定のご案内、過去の受検状況・検定問題(建設業振興基金、確認日:2026年10月4日。第二次検定の出題形式は令和7年度の1級・2級の検定問題で2026年10月10日に確認)
1級の申込は例年2月と早く、第一次検定の合格を確認してから同じ年の第二次検定に申し込むことはできません。申込を忘れると次回は翌年になるため、早めに確認してください。
受験資格:令和6年度から改正された新制度
令和6年(2024年)度より施工管理技術検定の受験資格制度が改正されました。2024年度〜2028年度は経過措置期間として旧制度での受験も可能ですが、2029年度以降は新制度のみとなります。
2級 第一次検定(学科)
試験実施年度内に満17歳以上になる方であれば、学歴・実務経験を問わず受験できます。高校2年生以上から受験可能です。
2級 第二次検定(実地)
新受検資格では、学歴ではなく第一次検定などに合格してからの実務経験で判定します。必要な年数や区分は、建設業振興基金の「2級 新受検資格の手引」で確認してください。旧受検資格(学歴に応じた実務経験)も2028年度(令和10年度)まで選べます。
1級 第一次検定
令和6年度から、試験実施年度に満19歳以上になる人なら誰でも受験できます(学歴・実務経験は不要)。2級に合格していなくても受けられます。
1級 第二次検定
新受検資格の主な区分は次のとおりです。
- 1級第一次検定の合格後、実務経験5年以上(特定実務経験1年以上を含めば3年以上、監理技術者補佐としての経験なら1年以上)
- 2級第二次検定の合格後、実務経験5年以上(特定実務経験1年以上を含めば3年以上)※1級第一次検定の合格または受検が前提
- 第一種電気工事士試験の合格(または免状の交付)後、実務経験5年以上(特定実務経験1年以上を含めば3年以上)※1級第一次検定の合格または受検が前提
旧受検資格(学歴に応じた実務経験)も2028年度(令和10年度)まで選べます。区分が細かいため、必ず建設業振興基金の受検案内で自分の区分を確認してください。
第一次検定の出題内容
| 科目 | 主な出題内容 | 2級 | 1級 |
|---|---|---|---|
| 電気工学・電気設備 | 電気理論・変電設備・動力設備・照明・電気通信・情報設備の基礎 | ○ | ○(より詳細) |
| 関連分野 | 電気以外の建築・土木・機械・建設設備の基礎知識 | ○ | ○ |
| 施工管理法 | 工程管理・品質管理・安全管理・原価管理の基礎・施工計画 | 基礎 | 応用 |
| 法規 | 建設業法・労働安全衛生法・電気工事士法・建築基準法等 | ○ | ○ |
第二次検定の内容
第二次検定は、記述式の問題とマークシート方式の択一問題で構成されます。以前は「自分が従事した電気工事の概要を書き、その工事での施工管理の経験を記述する」施工経験記述が中心でしたが、令和7年度(2025年度)の問題では、1級・2級とも工事概要を書く形式ではなく、「あなたの電気工事の経験を踏まえ」て、指定された現場条件(高所作業、停電できない施設の改修、運用中の施設など)での安全管理上の留意事項と対策を記述する形式でした。
| 設問内容 | 内容 |
|---|---|
| 経験を踏まえた安全管理の記述 | 指定された条件の電気工事で、予測される労働災害(墜落・飛来落下・感電など)や留意事項と、その対策を具体的に記述する |
| 施工管理・品質管理の記述 | 資材の管理・ケーブルの敷設・機器の取付けなどの語句から選び、品質確保や施工管理上の留意点を記述する(2級は受電設備の単線結線図を読み取る問題も) |
| 用語の技術的内容 | 電気工事に関する用語から選び、施工上の留意点・動作原理・特徴などを記述する |
| 計算・法規(マークシート) | 電気回路の計算や、建設業法・電気事業法・労働安全衛生法などの空欄補充を択一式で答える |
電気工事施工管理技士で開けるキャリア
主任技術者・監理技術者として現場を統括
建設業法では、一定規模以上の電気工事現場には主任技術者(2級以上)または監理技術者(1級のみ)の配置が義務付けられています。資格を取得することで現場責任者として施工管理全体を統括できるようになり、現場での責任と権限が大幅に拡大します。建設会社・電気工事会社での昇格・昇給に直結する資格として広く活用されています。
転職での評価
電気工事の施工管理の求人では、電気工事施工管理技士(特に1級)を応募条件や歓迎条件にしているものが多くあります。建設会社にとっては、監理技術者を置ける人材を確保できるメリットがあるため、1級は特に評価されやすい資格です。
再生可能エネルギー・スマートグリッド分野
太陽光発電所・蓄電池設備など、再生可能エネルギー関連の電気設備工事でも施工管理の仕事があります。こうした分野を目指す人にとっても、役に立つ資格です。
独立を考える場合
電気工事会社として独立する場合も、電気工事施工管理技士の資格は会社の技術者としての要件を満たす資格の一つになります。手続きの詳細は、許可を出す行政庁の手引きで確認してください。
難易度と学習の進め方
下の表は一般的な目安です。
| 受験者の背景 | 一次検定の勉強時間目安 | 二次検定の準備 |
|---|---|---|
| 電気工事の実務経験あり・第二種電気工事士等保有 | 80〜120時間 | 記述問題の練習が中心(30〜50時間) |
| 電気工学の基礎知識あり・実務経験少なめ | 120〜180時間 | 用語・施工管理の知識整理と記述練習が必要(50〜80時間) |
| 他業種・電気の知識が少ない | 180〜250時間 | 現場の経験が少ない場合は、安全管理・施工の記述に時間がかかる |
合格のための学習戦略
一次検定:過去問5〜7年分の反復が最優先
電気工事施工管理技士の一次検定は過去問から類似した問題が繰り返し出題される傾向があります。市販の過去問題集(地域開発研究所・CIC等から出版)を使って5〜7年分の過去問を繰り返し解くことが、最も効率的な対策です。得点60%以上(1級は施工管理法〔応用能力〕の基準もあり)が合格基準のため、苦手分野を作らずに幅広い出題範囲をカバーすることが重要です。
法規は建設業法・労働安全衛生法を重点的に
一次検定の法規問題は毎年高い出題比率を占めます。特に建設業法(下請け・技術者の配置義務等)・労働安全衛生法(安全管理・特別教育・作業主任者等)・電気工事士法の重要条文は確実に習得しましょう。法令の数値(専任の義務が生じる金額・特定建設業許可の要件等)の暗記が得点に直結します。
二次検定:最新の出題形式に合わせて記述を練習する
令和7年度の第二次検定は、自分の担当工事の概要を書く形式ではなく、指定された現場条件で「自分の経験を踏まえて」危険性と対策を書く問題でした。担当工事の作文を事前に覚えておく対策だけでは対応しにくいため、墜落・飛来落下・感電などの災害ごとに、予測される危険とその対策を具体的に書けるように練習しましょう。用語の技術的内容、計算・法規の択一問題も出題されます。試験問題は建設業振興基金のサイト(過去の受検状況・検定問題)で公開されているので、直近の問題で出題の形を確認してから対策するのがおすすめです。
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よくある質問
Q. 電気工事士と電気工事施工管理技士はどちらを先に取るべきですか?
電気工事士(第一種・第二種)は電気工事の作業を行うための資格で、電気工事施工管理技士は現場の施工管理を担うための資格です。役割が異なるため、電気工事の現場で実際に作業を行いながらキャリアアップを目指す方はまず電気工事士を取得し、その後施工管理技士を目指すルートが一般的です。なお、1級の第二次検定の新受検資格には、第一種電気工事士試験の合格後の実務経験で受けられる区分があります。
Q. 2級を取らずに1級から受験できますか?
はい。1級の第一次検定は19歳以上なら誰でも受けられるので、2級を取らずに1級から受験できます。第二次検定は実務経験が必要ですが、1級第一次検定の合格後や、第一種電気工事士の合格後の実務経験で受けられる区分があります。実務経験が短い方は、先に2級を取って経験を積む方法もあります。
Q. 2級の前期と後期の違いは何ですか?
前期(6月頃)は「一次検定のみ」の実施で、二次検定は受験できません。後期(11月頃)は「一次検定のみ」「一次・二次同時」「二次検定のみ(一次既合格者)」の3パターンから選択できます。一次・二次の同時受検は、旧受検資格(学歴に応じた実務経験。令和10年度まで)などで第二次検定の受検資格を満たしている方が対象です。新受検資格では、2級第一次検定の合格後3年以上(1級第一次検定の合格者は合格後1年以上)の実務経験が必要です。同時に申し込んで一次に不合格となった場合、二次は採点されません。
まとめ
電気工事施工管理技士は、電気設備工事の現場を統括する主任技術者・監理技術者として活躍するための国家資格です。第一次検定は1級が19歳以上、2級が17歳以上なら誰でも受けられ、最新の合格率は1級一次36.3%、2級一次55〜57%です。
2級は前期(6月)・後期(11月)の年2回、1級は年1回で申込は例年2月です。詳細は建設業振興基金の試験サイト(fcip-shiken.jp)で確認してください。
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