公園・庭園・緑化のプロ資格・造園施工管理技士|グリーンインフラ時代の需要拡大・受験料17,200円の全体像を解説

自分に合う資格を見つける|10問に答えるだけ。2〜3分で診断できます

この記事を書いた人資格建築家の運営者・けいしー。行政書士・宅建士・第二種電気工事士・建設業経理士2級など10の資格を取得。試験日や合格率などは、試験団体の公式情報で確認して掲載しています。運営者情報

造園施工管理技士(1級・2級)

受験資格

一次:1級は19歳以上・2級は17歳以上
令和6年度改正で1級の一次は年齢のみに。二次は一次合格後の実務経験が必要

難易度

★★★〜★★★★
1級は令和8年度一次49.4%・令和7年度二次45.0%。造園特有の植物・庭園知識が出題

勉強時間の目安

2級一次:100〜150時間 / 1級一次:150〜200時間
一般的な目安。樹木・日本庭園・土木の3分野を横断する知識が必要

合格率

1級 一次49.4%(令和8年度)/ 二次45.0%(令和7年度)
2級は一次61.7%(令和8年度前期)・二次50.4%(令和7年度)

試験・受験料

1級:年1回(一次9月・二次12月)・各17,200円(非課税)
2級:一次は前期(6月)・後期(11月)、二次は11月。一次のみ・二次のみ各8,600円

造園・緑化業界の需要

★★★★★
公園・道路緑化・庭園などの造園工事で主任技術者・監理技術者になれる。グリーンインフラでも注目

公園・庭園・緑地・スポーツ施設などの植栽・造成・管理を担う施工管理の専門家として認定される国家資格が造園施工管理技士です。建設業法に基づく国家資格として、造園工事・植栽工事・公園工事・景観工事における「主任技術者」(2級以上)および「監理技術者」(1級のみ)になれる資格で、造園・緑化業界で欠かせない資格です。

樹木の特性・日本庭園の様式・土木工学・法規と幅広い知識が求められる独自の試験内容が特徴で、「造園に特化した施工管理の専門家」として都市公園・道路緑化・社寺の庭園整備・スポーツ施設の芝管理など多彩な現場で活躍できます。グリーンインフラやヒートアイランド対策への関心の高まりとともに、造園施工管理技士にも注目が集まっています。

目次

造園施工管理技士とはどんな資格か

造園施工管理技士は、建設業法第27条に基づき国土交通大臣指定機関(一般財団法人全国建設研修センター)が実施する技術検定の合格者に与えられる国家資格です。造園工事とは「整地・樹木の植栽・景石の据付け等により庭園・公園・緑地等の苑地を築造する工事」と定義され、一般住宅の庭から大規模な都市公園・道路緑化・文化財庭園の修復まで幅広い対象を含みます。

試験は第一次検定(択一式)と第二次検定(記述式)の2段階で、第一次検定に合格すると「技士補」の称号が付与され、第二次検定合格で「技士」として認定されます。

1級と2級の違い

項目 2級造園施工管理技士 1級造園施工管理技士
配置できる役職 主任技術者・営業所技術者(一般建設業の造園工事業) 監理技術者・主任技術者(特定建設業を含む)
一次受験資格 受験年度末に17歳以上 受験年度末に19歳以上
試験頻度 一次:年2回(前期・後期)/ 二次:年1回(後期のみ) 一次・二次ともに年1回
受験料(非課税) 一次・二次17,200円/一次のみ・二次のみ各8,600円 一次・二次各17,200円(+ネット申込の場合250円)
一次合格率 令和8年度前期61.7%(令和7年度後期など49.7%) 令和8年度49.4%(令和7年度52.1%)
二次合格率 令和7年度50.4%(令和6年度49.3%) 令和7年度45.0%(令和6年度40.0%)
合格の称号 一次:2級造園施工管理技士補 / 両方:2級造園施工管理技士 一次:1級造園施工管理技士補 / 両方:1級造園施工管理技士

「営業所技術者」は、2024年12月の建設業法改正で「専任技術者」から名称が変わったものです。

令和6年度改正:受験資格の大幅緩和

令和6年(2024年)度から施工管理技術検定の受験資格制度が改正されました。造園施工管理技士に関する主な変更点は以下のとおりです。

項目 改正前 改正後(令和6年度〜)
1級第一次検定の受験資格 学歴に応じた実務経験年数が必要 19歳以上(年齢のみ)。学歴・実務経験不問
2級第一次検定の受験資格 17歳以上(平成28年度から) 変更なし(17歳以上)
1級第二次検定の受験資格(新制度) 学歴に応じた実務経験 1級第一次検定合格後5年以上の実務経験(または特定実務経験1年以上を含む3年以上、監理技術者補佐として1年以上)。2級第二次検定合格者は、2級合格後5年以上(特定実務経験1年以上を含む場合は3年以上)
2級第二次検定の受験資格(新制度) 学歴に応じた実務経験 2級第一次検定合格後3年以上の実務経験(1級第一次検定合格者は合格後1年以上)
経過措置期間 — 令和10年度まで旧受験資格でも受験可

新受験資格の実務経験は、建設業の業種のうち「造園工事業」にあたる工事の経験が対象です。なお、造園技能士などの技能検定は新受験資格の要件にはなりません。

試験の基本情報

項目 第一次検定 第二次検定
出題形式 マークシート方式の択一式(令和8年度の1級は65問、2級は40問を解答) 記述式(令和6年度から全問必須。経験した工事を選んで答える問題はとりやめ)
合格基準 得点60%以上。1級はさらに施工管理法(応用能力)6問中2問以上(30%以上。令和8年度) 得点60%以上
試験地 1級は全国10地区(札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇)。2級後期は一次14地区・二次13地区
主催 一般財団法人全国建設研修センター(国土交通大臣指定試験機関)

合格基準は年度によって調整されることがあります(令和7年度の2級第一次検定〔後期など〕は57.5%以上〔40問中23問以上〕)。受験する年度の合格発表資料で確認してください。

2026年度(令和8年度)試験日程

1級造園施工管理技士

スケジュール 日程(令和8年度)
申込(書面) 申込用紙の郵送販売 4月22日(水)〜5月13日(水)、窓口販売 4月22日(水)〜5月21日(木)
申込(インターネット) 5月7日(木)〜5月21日(木)
第一次検定試験日 2026年9月6日(日)
第一次検定合格発表 令和8年10月8日(木)(発表済み:受検3,299人・合格1,629人・合格率49.4%)
第二次検定受験手数料払込 第一次合格発表後(期限は合格通知で確認)
第二次検定試験日 2026年12月6日(日)
第二次検定合格発表 令和9年3月3日(水)

2級造園施工管理技士

区分 申込期間・試験日(令和8年度) 合格発表
前期(一次検定のみ) 申込3月4日〜18日/試験6月7日(日) 7月7日(火)(合格率61.7%)
後期(一次・二次) 申込7月14日〜28日/試験11月15日(日) 一次:2027年1月5日(火)/ 二次:2027年3月3日(水)

令和8年度の申込受付はすべて終わっています。書面の申込用紙は1部1,000円(税込)で販売され、申込期間を過ぎると受験できません。令和9年度(2027年度)の日程は、全国建設研修センターの公式サイト(jctc.jp)で発表を確認してください。

第一次検定の出題内容

造園施工管理技士の第一次検定は、他の施工管理技士と比較して「造園特有の専門知識」の比率が高く、樹木・植物・日本庭園・石材・芝生などの独自の出題が多いのが特徴です。下の表は主な分野のイメージです。

分野 主な出題内容
造園一般 樹木の種類と特性(常緑樹・落葉樹・耐潮性・移植適期)・芝生の種類と管理・花壇・草花・日本庭園の様式(枯山水・池泉回遊式・露地・茶庭等)・造園材料(石材・竹材・石灯篭・景石)
施工管理 植栽工事・公園工事の施工計画・工程管理・品質管理・安全管理・環境対策
土木・建築関連 土工・コンクリート・測量・排水・構造物の基礎知識
法規 都市公園法・建設業法・労働安全衛生法・建築基準法・自然公園法・農薬取締法の基礎

特に「造園一般」分野は他の施工管理技士には出題されない造園固有の内容が多く、樹木の特性・日本庭園の様式名・石材の種類など覚えることが多い傾向があります。実務で樹木に親しんでいる方は有利ですが、土木系の実務経験者は造園固有の知識を重点的に補強することが必要です。

第二次検定の内容

第二次検定は記述式で、施工管理の実務応用力が問われます。全国建設研修センターの発表によると、令和6年度から、それまで出題されていた「現場で経験した主な造園工事を1つ選び、工程管理または品質管理上の課題について答える問題」(いわゆる施工経験記述)はとりやめになり、問題はすべて必須問題(選択問題なし)になりました。

設問区分 内容
施工経験記述 令和5年度まで出題。令和6年度からとりやめ
造園施工・施工管理に関する記述問題 全問必須。植栽・公園整備などの施工や、工程・品質・安全管理に関する知識を記述で答える
造園の二次検定は令和6年度から「経験記述」がなくなりました。古い参考書や対策記事の「経験記述の書き方」は今の試験には当てはまりません。

造園施工管理技士で開けるキャリア

造園専門会社・ランドスケープ会社での施工管理

都市公園の整備・住宅地の植栽工事・緑地帯の管理・道路緑化工事を手掛ける造園専門会社での施工管理担当として、資格取得を昇格・昇給の要件にしている会社もあります。1級を取得すると、元請として大規模な公園整備や緑地整備などを行う際に必要な監理技術者になれます。

建設会社(ゼネコン)の外構・緑化部門

ゼネコンや総合建設会社の外構・緑化部門では、マンション・商業施設・大型開発の植栽工事を担う造園施工管理技士の需要があります。建築施工管理技士や土木施工管理技士との組み合わせで、総合的な外構・景観工事の施工管理者として差別化できます。

神社・仏閣・日本庭園の修復・維持管理

文化財庭園の修復・維持管理にも、造園施工管理技士の知識は役立ちます。日本庭園の様式・伝統的造園技法・石材の扱いについて体系的な知識を持つ造園施工管理技士は、庭園の保全を担う専門会社などで活かせます。

グリーンインフラ・脱炭素緑化分野

都市のヒートアイランド対策・グリーンインフラ(緑の社会基盤)・屋上緑化・壁面緑化・雨水浸透緑地など、気候変動への対応に向けた都市緑化の取り組みが広がっています。造園施工管理技士は「緑を施工管理できる専門家」として、これらの分野での活躍が期待されます。

スポーツ施設・ゴルフコース・競技場の芝管理

サッカー・ラグビー競技場・ゴルフコース・野球グラウンドの芝生管理・更新工事においても造園施工管理技士の知識が活用されます。芝の種類・管理技術・土壌改良の専門知識は、施設管理業者・スポーツ施設運営会社での専門職として評価されます。

難易度と学習の進め方

勉強時間は受験者の背景で大きく変わるため、下の表は一般的な目安です。

受験者の背景 一次検定の勉強時間(2級) 一次検定の勉強時間(1級)
造園・植栽の実務経験が豊富・樹木の知識あり 60〜100時間 100〜150時間
土木・建築系の知識はあるが造園は初学 100〜150時間 150〜200時間
造園・土木ともにほぼ未経験・初学者 150〜200時間 200〜250時間以上

合格のための学習戦略

造園特有の知識を優先的に習得する

造園施工管理技士の試験で他の施工管理技士と最も異なる点は「造園一般(植物・庭園・造園材料)」の出題です。樹木の分類(常緑高木・落葉低木等)・移植適期・日本庭園の様式名と特徴・石灯篭の種類・芝生の管理方法など、造園固有の知識を早期に集中的に習得することが合格への近道です。実務で見たことのある植物・材料を図鑑やテキストで体系化することで記憶が定着しやすくなります。

過去問の反復が基本

造園施工管理技士の試験では、似た論点が繰り返し問われることがあります。全国建設研修センターは試験問題と正答番号を試験の翌日から1年間公開しているので、直近の問題は公式サイトで確認し、それより前の年度は市販の過去問題集で繰り返し解きましょう。法規(都市公園法・自然公園法・農薬取締法など)は造園特有の法規として重点的に整理しましょう。

二次検定:全問必須の記述問題に備える

令和6年度からの第二次検定は、経験した工事を選んで書く問題がなくなり、全問必須の記述問題になりました。植栽・公園整備などの施工方法や、工程・品質・安全管理の知識を、自分の言葉で正確に書けるようにしておくことが大切です。令和5年度以前の「経験記述の書き方」を中心にした教材は、今の出題形式と合わない部分があるため、令和6年度以降の試験問題で出題の形を確認してから対策しましょう。

よくある質問

Q. 造園施工管理技士と造園技能士はどう違いますか?

役割が異なります。造園施工管理技士は「施工管理」の資格で、造園工事の現場管理・品質管理・安全管理を担う技術者(主任技術者・監理技術者)になれる国家資格です。造園技能士は「造園作業の実技技能」を証明する国家資格(技能検定)で、剪定・植栽・石積みなどの現場作業の技能を評価します。施工管理者を目指すなら造園施工管理技士、現場作業の専門技能を証明したいなら造園技能士が向いています。なお、造園技能士の資格は、施工管理技術検定の新受験資格の要件にはなりません。

Q. 2級前期に合格したら同年後期の二次試験をそのまま受験できますか?

新受験資格では、2級第二次検定の受験に「2級第一次検定合格後3年以上の実務経験」(1級第一次検定合格者は合格後1年以上)が必要なため、前期に一次に合格した年度にそのまま二次を受けることはできません。令和10年度までは旧受験資格(学歴に応じた実務経験)でも受験できるため、旧受験資格を満たす方の扱いは「受検の手引(旧受検資格)」で確認してください。なお、後期に一次・二次を同じ日に受ける場合、二次の合否は一次に合格した人が対象になります。

Q. 実務経験として認められる造園工事とはどんな工事ですか?

新受験資格では、建設業の業種のうち「造園工事業」にあたる工事の経験が対象です(植栽工事・公園整備工事・緑地整備工事など)。原則として工事ごとに、請負者の代表者や当該工事の監理技術者などの証明が必要です。設計のみ・積算のみなど施工管理を伴わない業務は認められない場合があるため、自分の経験が該当するか分からない場合は、最新の「受検の手引」で確認するか全国建設研修センターに問い合わせてください。

まとめ

造園施工管理技士は、公園・庭園・緑地・スポーツ施設など「緑のある空間」の整備・管理を施工管理の視点から担う国家資格です。令和6年度改正で1級第一次検定は年齢だけで受験できるようになり、第二次検定も経験記述のない全問必須の記述式に変わりました。対策の際は、令和6年度以降の出題形式に合った教材を選びましょう。

2026年度(令和8年度)は、1級第一次検定の結果が10月8日に発表され(合格率49.4%)、第二次検定は12月6日、合格発表は2027年3月3日です。2級の後期(一次・二次)は11月15日に行われます。令和9年度(2027年度)の受験を考えている方は、全国建設研修センターの公式サイト(jctc.jp)で日程の発表を確認しましょう。

関連記事:土木施工管理技士/建築施工管理技士/管工事施工管理技士/電気通信工事施工管理技士

出典:全国建設研修センター「1級造園施工管理技術検定」「2級造園施工管理技術検定」「合格発表公表資料」「令和6年度からの受検資格(PDF)」「令和6年度以降の造園施工管理技術検定試験問題の見直し(PDF)」(確認日:2026年10月10日)

資格建築家の運営者。行政書士・宅地建物取引士・第二種電気工事士・建設業経理士2級・日商簿記2級など10の資格を取得。建設・不動産業界でプロジェクトマネジメントや企画開発に携わる。自分の受験経験と、試験実施団体の公式情報をもとに、資格選びと勉強の進め方を解説しています。

目次